8話 下級生のイジメられっ子を救出したら惚れられちゃいました、ってか?
上級生も片付けたし、次は下級生のクラスに行ってみっか!
「こんにちは宅配便です〜お届けに参りました〜」
ーーーーー死と絶望を。なんちゃって。ガラガラ。
扉を開けるとそこは雪国ーーではなく、凄惨なイジメの現場だった。
「てめえのせいだやああああああああ!!!」
「あやまれボケがあああああああああ!!!」
男子生徒達が教室の中央で下着姿の女子に教科書を投げつけていた。近くには壊れたバイオリン。
てかあの子、見たことあるぞ?バイオリンのコンクールとかで賞をいくつももらってる、100年にひとりの美少女とか言われてる子じゃん。確か名前は――夢野かなた。
「キモイ!」「ブタ!!」「ブス!!」「調子乗んなゴミ!!」
他の女生徒達も夢野に向かって罵詈雑言を浴びせている。
え?この世界って鏡とか無かったっけ?それともこの空間だけ価値観逆転してらっしゃる?どう見ても夢野の方がお前らの1億万倍可愛いんだけど……。
「うぐっ、えぐっ、やめて、ください……」
夢野はしゃくりあげている。
肝心のテロリストもおろおろしているばかりで役に立たない。
……なんだこの状況?
俺は手近に居た一年生の女子をシメあげる。
「おいお前ら、なぜ夢野をイジメている?正直に答えないと殺すぞ」
「ヒィ!?いやっ、私達はいつも夢野をイジメてて……そっ、それで夢野に言ったのよ!『クラスを代表して人質になったらもうイジメないでやる』ってさあ!!」
「ほんで?」
「そしたら夢野が拒否ったから、いつも通りみんなでイジメて、立場をわからせてやろうと……」
「ふーん、イジメの主犯格は?」
「あいつよ!後藤!夢野の幼馴染の男子よ!」
「そうか、ご苦労」
パァン!!
俺がシメていた女子生徒の頭がスイカのように弾ける。隠し持っていた銃をぶっ放したのだ。教室内は秒で静まり返った。
「このクラスのテロリストは軟弱だなあオイ。ガキのイジメに狼狽しちまってよお」
「なにいい!?誰だ貴様!?」
「俺はお前ら愉快なクズどもの新しい仲間さ。コードネームは白神だ。よろしくな。ついでといっちゃなんだが、俺のクラスのテロリストを紹介するぜ!!!」
俺の合図と共に扉と廊下窓が一斉に開き、ジャック達が銃を構える。一斉掃射。夢野をイジメていた一年生どもは呆気なく肉塊と化す。
最後に残ったのは、イジメの主犯格の後藤だ。俺がわざと残るようにしたのだ。
「夢野かなた」
「はっ、はい!」
「銃を持て」
「えええっ!?」
俺は夢野にサブマシンガンを手渡す。
「知ってるだろ?ハンムラビ法典だ。その男はイジメの首謀者だ。復讐するかしないかは、お前が決めな」
「頼む許してくれえええええ!!」
後藤はすぐさま土下座する。つーかこいつらほんと土下座好きだよな。すぐ平伏すじゃん。
「後藤くん……どうして幼馴染の私をイジメたんですか……?」
「俺はお前の事が好きだった!ずっとずっと好きだったんだ!!!」
「えっ……」
「それで振り向いて欲しくて、ついちょっかいをかけちまったんだ!そしたらだんだんエスカレートして!!」
幼稚な理由だな。精神年齢が小学生のままかよ。もっかいランドセル背負っとけ。
「けど!!好きだって気持ちは変わらない!!夢野、いや、かなた!!俺とーー付き合ってください!!!」
一世一代の男の告白。
テロリスト達と物言わぬクラスメイトが見守る中、夢野はゆっくりと口を開いた。
「お断りします!死ねえええええええ!!!」
「ギャアアアアアアアアアア!!」
告白の返事は鉛玉でした。
蜂の巣になる哀れな男、後藤。
「んギモヂイイイイイイ!!です!!!」
夢野は落ちていたバイオリンを拾うと、骸となった後藤に何度も振り下ろしハンバーグに変えた。怖っ、あいつあんなキャラだったっけ?
「はぁ……はぁ……」
「下着姿だと冷えるぞ、ほら」
俺は学ランを脱いで夢野の肩にかけてやる。
テロリスト達も拍手している。やれやれ。
「ふふっ、ありがとうございます。先輩」
そう言って夢野は、俺の唇にキスをした。
鉄と硝煙の味がした。
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