主要登場人物紹介(同シリーズ前作のネタバレあり)
妖精姫の恋シリーズ、前作『まだ、恋を知らない妖精姫』のネタバレも含んだ、主要な登場人物紹介になります。
今作のネタバレも少々入っているので、読むさいはお気をつけください。
今作に新しく登場するキャラクターは、入っていません。
*レティシア·ハーヴィル
蜂蜜色の腰まであるストレートヘアに、長い睫に縁取られた翠眼を持つ。
儚げな容姿やあまり主張しない性格から、世間から妖精姫と呼ばれている事を、本人は最近まで知らなかった。
ハーヴィル公爵家長女で、オーガストラ王国王太子ジルベルトの幼馴染みであり婚約者。
父親は宰相を務めている。
国王とレティシアの父親は再従兄弟であり、昔から深い付き合いの関係がある事で、兄のアランと一緒に幼いころから王子達との交流が頻繁にあった。
引っ込み思案で、自分を主張する事が苦手。
また、世間には極秘にされているが、相手の能力を高めるという特殊な魔力を持っている。
さらに体質的には、『青の雫』と言われる、万能な植物のセルイラの花から作られる薬や毒、香料等に、命を落とす程の過剰な反応を示す事から、暗殺の危険性も考えられ、その事は内密とされている。
本人に自覚はないが、関わった存在の心の傷を無意識に癒したり、相手を自覚なしに魅了してしまうような面がある。
ジルベルトの婚約者候補になった時に、他の婚約者候補からの酷い苛めから、元々の内向的な性格をさらに拗らせ、卑屈な性格になってしまった背景がある。
オーガストラ王国の、王侯貴族の子息令嬢が通う事を義務付けられている王立学園の一年生。
*ジルベルト·オーガストラ
オーガストラ王国の第一王子で王太子であり、レティシアの婚約者。
襟足が長めのプラチナブロンドに金色の瞳を持ち、長身で細身ではあるが鍛えられた体躯。
レティシアの二つ年上で王立学園の最終学年であり、生徒会長も務める。
世間からはレティシアとの婚約の背景を、彼女の家柄や父親の立場から政略的なものとされレティシアが揶揄されているが、実際は幼い頃から一途にレティシアを想っていたジルベルトが、重責の伴う王族との婚姻を反対する彼女の父親を、数年にわたり説き伏せて婚約を確定させた内情がある。
自分の想いを叶える為、またレティシアの『力』を他の者に悪用されないよう守る為に、彼女の『力』を知った時に、彼女を自分の婚約者候補にした過去がある。
幼い頃から能力が高く、何事もそつなくこなせる事にやる気を見出だせなくなる事があったが、自分の能力と釣り合うような人物達を見付ける事ができ、自分の力を高めようという気持ちを見出だす事ができるようになった。
その気持ちを見出だす切っ掛けには、レティシアの言葉も一役かっている。
見付けた自分の能力と釣り合う存在を、友人として、さらには将来の側近として側に置いている。
普段は冷静沈着であるが、レティシアが絡むと感情をコントロール出来なくなる。
表には出してはいないが、内面では事が思い通りに動くよう計算しながら考えるような、腹黒な面も持ち合わせている。
*アルフレッド·オーガストラ
オーガストラ王国第二王子であり、兄のジルベルトと同じくレティシアの幼馴染み。
レティシアと同い年で王立学園の一年生であり、同じクラス。
兄のジルベルトよりも、より銀髪に近い髪色に金色の瞳を持つ。
ジルベルトよりも背は低いが、今はまだ、成長期。
能力的にはジルベルトには敵わない部分もあるが、魔力に関してはジルベルトよりも高い。しかし、内乱を避ける為にその事は公にはしていなく、アルフレッド自身も自分の能力を周囲へひけらかす事を好んではいない。
あまり自己主張するような性格ではないが、親しい間柄の人間には素の自分を出す。
幼い頃からレティシアに好意を寄せているが、兄のジルベルトの彼女への想いも知っている事と、レティシアがジルベルトへ向ける恋心も、彼女自身が自分の感情に気が付かない頃から気付いていた事で、レティシアへ向ける気持ちを押し殺していた。
*アラン·ハーヴィル
レティシアの兄でハーヴィル家嫡男。ジルベルトと同い年で、幼馴染みであり気安い関係。
生徒会副会長の任に就いており、頭の回転が早く冷静さを失ったジルベルトを諭すような面もある。
黒の髪色にレティシアと同じ翠眼を持ち、ジルベルトと同じくらいの背の高さ。
レティシアに対してぶっきらぼうな態度であったり、口調が荒くなる事もあるが、妹の事をとても大切に思っており、父親と同じく重責が伴い暗殺などの危険性もある王太子の婚約者という立場に、レティシアをおく事を心配し心からは賛成できなかった。
だが、ジルベルトの人となりはよくわかっており、妹を任せられる存在はジルベルトだけであるとも考えるような、相反する思いを持っていた。
正式にレティシアがジルベルトの婚約者になった現在は、ジルベルトの妹への近すぎる距離感にイライラを隠せず、事あるごとに彼へ苦言をぶつけている。
*オスカー·マルクス
マルクス公爵家次男。父親は騎士団長を担っている。
ジルベルトやアランと同い年。生徒会庶務の任に就いている。
武術の天賦の才に恵まれ、ジルベルト自身が自分の武術の腕前にひけをとらない事を見極め、鍛練相手として命じる。
その事やオスカーの才能を知った周囲の、兄のサイモンへ向ける蔑みなどを聞き、大切な兄を侮辱される悔しさや、その事で兄が傷付いているのではないかという不安、そして後継者問題が拗れる心配から、自分は公爵家の後継者にもジルベルトの側近にも相応しくはないと周囲に思わせる為に、令嬢を弄んだりするような振る舞いをわざとするようになる。
そんな背景を知ったうえで、ジルベルトはオスカーを変わらず現在も自分の側に置いている。
それらの隠していた心の傷や、ひねくれた考え方をレティシアが無自覚に掛けた言葉で癒された事がある。その事が切っ掛けでレティシアへ叶わぬ想いとわかったうえで、密かに彼女へ想いを寄せる。
*プリシラ·フォレスト
フォレスト侯爵家令嬢。レティシアと同い年で、幼い頃からの友人。オスカーの兄のサイモンと婚約している。
レティシアの事を理解しており、彼女の良い相談相手で数少ないレティシアが本音を溢せる友人。
*ミカエル·フォレスト
フォレスト侯爵家嫡男。プリシラの兄でジルベルト達と同級生。
生徒会の書記と会計を兼務している。
魔術の能力が高く、魔術師団員からも一目置かれている。
*クララ·ヘインズ
ヘインズ侯爵家令嬢。レティシアと同い年。
父親のヘインズ侯爵は、王政派と相対している貴族派に属している。ジルベルトの婚約者候補でもあった。
レティシアがジルベルトの婚約者に確定し周知された事から、派閥が片寄らない為にという名目もあり、レティシア達の婚姻前からジルベルトの側妃候補筆頭だと言われている。
そのような様々な面から、レティシアに敵対心を持つ。
◇前作品『まだ、恋を知らない妖精姫』編の主要登場人物になります。
詳しくは前作をお読み頂ければと思います。
*ルドガー·ラノン
隣国であるラノン王国の王太子で、レティシアと同い年でオーガストラ王国へ遊学に来ており学園に入学するさいに受けた能力試験で首席をとる。現在は帰国中。
*エリカ·シュタイン
シュタイン伯爵令嬢。伯爵の庶子として生まれたが、現在は伯爵家令嬢として育てられている。レティシアと同い年で同じクラス。