街への移動
今日はパピーが切った木を街に売りに行く日だ。
俺の祝福は、そのついでに行くらしい。
ここから街までは1日で着く距離らしい、じゃあ何で冬の間帰ってこないのかと言うと、大雪で道が通れなくなるからだそうだ。
そう言えば冬は雪も多く、凄く寒かったな。
ロバ2頭に繋がれた馬車に丸太を乗せ、俺もその上にまたがる。
マミーとパピーは御者席だ。
「ロット、準備は良いか?」
「問題無いよ、父さん。」
「よし、それじゃ行くぞ。」
馬車がゆっくりと走り出した。
ガタゴトと揺れる丸太の上で俺は最近のことを思い出す。
あれから、マミーの教育ママぶりには驚いたが、もともと大人の頭脳を持っている俺には文字を覚えるのはそれほど苦労はしなかった。
もちろん数字もちゃんと覚えたぞ?
マミーも「この子は天才だわ!!」って喜んじゃって、計算も教えられてしまった。
と言っても、マミーもそれほど計算出来る訳じゃなかったので、2桁の計算までしか出来なかったがな。
とりあえず数字さえわかれば問題ないので、計算は出来ないふりをした。
さすがに何でもかんでも出来過ぎるのも問題が有ると思ったしな。
マミーも「やっぱり私の子だったわ。」と諦めてくれた。
とりあえず、この世界は十進法だったのは助かった。
これが二進法やら八進法だったら計算が面倒くさくなっていたからな。
お金については、まだ教えてはくれなかった。
ただ、鉄貨とか銅貨とかを持っていたので、おそらく鉄貨10枚か100枚かで銅貨1枚とかになるんだろうと思う。
ま、その辺は追々覚えて行けば良いさ。
ちなみに文字が読めるようになったのでマミーのステータスは教えてもらった。
教えてもらったマミーのステータスはこうだ。
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名前:リリー
年齢:25
職業:主婦
状態:普通
LV:3
HP:20/20
MP:0/0
STR:5
VIT:2
AGI:4
INT:7
DEX:10
LUK:2
スキル:家事Lv3、裁縫Lv2
称号:
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これが高いのか低いのかは分からんが、多分低いんだろうな。
それにしても、マミーの名前ってリリーって言うだな、初めて知ったよ(今更!?)。
そして、数値は0だがMPと言う項目が有るってことは、きっと魔法は有るに違い無い、これは期待大だな。
パピーのは聞かなかった、つーか教えてもらえなかった。
それにしてもダンパーやクッションとか、そう言った物が無いため、マジでケツが痛い…
ちょっとした段差でも、ケツに直撃でダメージが来ている。
俺、もしかしてこのダメージで死んじゃうのでは無いのか?
実は今もHPが-1、-1って感じで減っているんじゃないのだろうか?
・・・・
夕刻になって、無事に街に着くことが出来た。
どうやら俺はケツとの勝負に勝ったみたいだ。
「ロット、着いたぞ。
今日は宿に泊まって、明日木材を売った後に祝福を受けに行くぞ。」
「は~い。」
そう言われて到着した宿はボロボロだ。
「ここに泊まるの?」
「ああ、こっちだ。」
パピーに案内された場所は馬小屋だ。
「ここなら安く泊まれる。
手続きをしてくるから、場所を作っておいてくれ。」
何ですと~! ここに泊まるのか!?
俺が驚いていると、マミーは藁を集めて寝床を作り始め、パピーはどこかに行ってしまった。
どうやらここで寝るのは決定みたいだ。
そして、寝床が完成した所で、パピーが帰ってきた。
「ほら、夕食だぞ~」
パピーが持ってきたのは蒸したジャガイモだけだった。
「僕の顔をお食べよ。」そんな声がマミーから聞こえた様な気がしたが(言ってません)、知らない振りをした。
ジャガイモを食べた俺達は、することも無いのでさっさと寝ることにした。
おやすみなさい…
某ゲームでの馬小屋は基本である(謎)