書類整理
地図に示された場所までやってきたんだが、ここって役所なんだろうか?
とりえあえず中に入ると、受付みたいな所が有ったので、行ってみることにした。
「すいません、依頼を受けにきたんですが。」
「依頼表の提示をお願いします。」
「はい。」
俺が依頼表を提示すると、受付の人が確認して。
「では、担当の方をお呼びしますので、少々お待ちください。」
受付の人が奥の扉に入って行った。
少しすると、一人の男性を連れて戻ってきた。
「依頼を受けていただける方ですね、すいませんが試験をさせて頂きます。
合格された場合は、仕事を受けて頂きますが、落ちた場合は申し訳ありませんが、この仕事は無かったことにさせて頂きます。」
「あ、はい。」
「では、こちらへどうぞ。」
男性に案内された先は、小さなか小部屋で、机と紙が置いてあった。
「では、この計算を解いて下さい。
時間はこの砂時計が落ちるまでとさせていただきます。
では、始め!」
俺は急いで問題用紙を確認する。
①2+5=
②6+8=
③14+5=
④64+7=
⑤23+36=
⑥54+93=
⑦205+34=
⑧473+64=
⑨386+964=
⑩2378+4430=
え? 足し算? それだけ?
小学生2年生、いや3年か? そのくらいのレベルの問題だ、馬鹿にされているのだろうか?
まあ解くけどさ…
①2+5=7
②6+8=14
③14+5=19
④64+7=71
⑤23+36=59
⑥54+93=147
⑦205+34=239
⑧473+64=537
⑨386+964=1350
⑩2378+4430=6808
こんなもんか。
「すいません、出来ました。」
「え? もうですか?」
「はい。」
俺は答案用紙を提出した。
男性は問題と答えを確認して。
「合ってる…」
「それで、俺は如何すればいいんでしょうか?」
「…はっ、す、すいませんでした。
試験は合格なので、仕事をお願いします。
では、こちらへ来てください。」
案内された場所は書類が沢山ある部屋だった。
「こちらにある書類の金額の計算をお願いします。」
ペラペラと捲ってみると、面倒くさいだけで、それほど複雑な計算ではないみたいだ。
ただ、今度は足し算だけではなく、引き算も入ってるが、問題無いな。
「わかりました。計算に使いたいので、何か書くものを頂けると助かります。」
「では、こちらの紙を使ってください。」
「はい、では早速やっていきたいと思います。」
「お願いします。」
そう言って男性は別の書類の山と格闘し始めた。
俺もやりますか。
書類の山をひたすら計算するのであった。
・・・・
随分と長い時間計算していたな、目がチカチカするが、ようやく終わった。
コキコキと首を鳴らし、男性に終わったことを知らせることにした。
「え? もうですか?」
「ええ。」
「拝見させていただきます。
…う~ん、計算してみないことにはハッキリとは分かりませんが、合っている感じみたいですね。
それにしてもすごいですね、こんなに早く計算できるんですね。
いったいどうやって…」
男性が俺の計算用紙を見て驚いている。
「え? これってどうやってるんですか?」
「それですか? 単に1の位を計算して、繰り上がった所に1を足して、次に10の位の計算してって感じに計算しただけですよ?」
「ほぅ? なるほど、確かに計算しやすいですね。」
「もしかして、みなさん暗算で計算しているんですか?」
「暗算?」
「頭の中で計算する方法です。」
「そうです。
なので、計算をする人は計算のスキルを持っている人じゃないと出来ないんですよ。
まぁ、簡単な計算くらいなら誰でも出来ますが。」
なんとも効率の悪いやり方だ。
「この方法を使わせてもらうことって出来ますでしょうか?」
男性が俺に聞いてきた。
でも、俺が発明した方法じゃないし、構わないとは思うが、よくわからないな。
「すいません、俺もお金を出して教わっているので、良いって言って良いのか分かりません。」
義務教育で教育費払ってるし、間違ってないよな?
「そうですよね、わかりました。
では、依頼表を出してください。」
俺は依頼表を渡した。
男がサインをして俺に戻す。
「本日は助かりました。
もし宜しければ、またお願いしたいのですが、どうでしょうか?」
「実は冬の間だけ出稼ぎに来たので、その間だけで良ければ。」
「そうですか、なら期間契約をしませんか?」
「期間契約?」
「ええ、何でも屋を通さずに直接契約するので、報酬も高くなりますよ?」
「どのくらいですか?」
「確か依頼金は銅貨1枚でしたよね? でしたら銅貨1枚と大鉄貨5枚になりますね。」
「そんなに!? 是非お願いします。」
「わかりました。では手続きを行いましょう。」
俺はこうして期間契約を行うことに決まったのだった。
1日でパピーの3倍を稼ぐことが出来るようになった俺に対しパピーは悔しがっていたのは内緒だ(笑)
マミーで2ケタ計算だし、計算は特殊技能ってことで。
本当はもう少し複雑な計算とかを考えたんだけど、面倒くさくなった(マテ)




