決まった
次の日の夕方にパピーはアレッタの家から帰ってきた。
「戻ったぞ。」
「おかえり~」
「おかえりなさい、あなた。」
「父さん、それでどうなったの?」
「ああ、結婚することが決まったぞ。」
「やっぱりそうだよね…ってマジかよ!」
てっきり断られると思っていたのがまさかの了解だったとは…
「何でもロットが生まれてからずっとお嫁さんになると言って、5歳くらいからずっと花嫁修業をしていたそうだ。」
「へ、へぇ~」
「それにな、ロットはアサリもそうだし、干物のことも有るし、安心して任せられるって言ってたぞ?」
「そうですか。」
「ただ、さすがに別れて暮らすのは寂しいってことで、アレッタちゃんが15歳になるまでは通い妻にして欲しいって言ってたが、それは良いか?」
「それでいいよ。」
「わかった。向こうにはそう言っておく。」
「お願いします。」
こうして俺は5歳なのに嫁さん持ちとなることが決まったのだった。
仕方がない、アレッタの両親に挨拶してくるか。
手土産は干物で良いかな?
「こ、こんにちは~」
「あら、ロット君いらっしゃい♪
アレッタなら奥に居るわよ?」
「アレッタに逢いに来たのはもちろんですが、ご両親にも挨拶をしに来させてもらいました。」
「まぁ、それはご丁寧に…ってロット君って確か5歳よね?」
「はい。」
「そ、そうね、パパも居るから、こっちにいらっしゃい。」
「おじゃまします。」
アレッタマミーに案内された先に寛いでいたアレッタパピーが居た。
「こんにちは。」
「やぁ、ロット君、話は聞いているよ。ちょっと早いが娘を宜しく頼む…で良いのかな?」
「あ、えっと、はい。大事にしますので宜しくお願いします。
あとコレは僕が今度売り出すために作った物です。是非食べてみてください。」
「そうか、ありがたく頂くよ。
それでなんだが、本当に良いのかい?」
「ええ、自分には勿体なくらいだと思っています。」
「そうか、なら私から言うことは無いかな。
ただ、アレッタが15歳になるまでは一緒に暮らすのは待っててくれ。」
「はい。」
「ママ、お祝いだ、料理を頼む。
あ、あとロット君の持ってきたこれも頼む。」
「はい。まかせて~」
それからは家の両親も呼んで、みんなで結婚パーティを楽しんだのだった。
もちろん、干物は大絶賛だったのは言うまでも無かった。
何気に努力家のアレッタちゃん。




