宿
夕刻の時間になり、ようやく街に到着した。
前にも来た時にも思ったんだが、検問とかそういったことって無かったが、大丈夫なんだろうか?
パピーに案内されて、前にも泊まった宿に到着した。
「よし、ロット着いてこい。」
「は~い。」
パピーと一緒に宿屋の扉をくぐる。
中に入るとカウンターが1つと食堂に向かう扉、奥に行く廊下、2階に上がる階段が見えた。
そして、カウンターには恰幅のいいおばちゃんが居る。
「すいません、1晩泊まりたいんですけれど。」
「ロイドじゃないか、またあそこかい?」
「ええ、今日は息子と一緒ですが。」
「おや、見慣れない顔と思ったが、そうかロイドの息子か、確かに面影が有るねぇ~」
「これからはロットに仕事をお願いするかもしれないから、教えてやっているんだよ。」
「そうかい、ロット、あたしは宿の女将でバーバラって言うんだ、宜しくね。」
「バーバラさんですね、こちらこそよろしくお願いします。」
「おや、あんたの息子にしちゃ~礼儀正しいじゃないか。」
「ああ、自慢の息子だよ。」
「あーはいはい親馬鹿は良いねぇ~
じゃあいつもので良いんだね?」
「ああ。」
「今回は2人だから、馬小屋1泊で鉄貨2枚、朝夕の食事で鉄貨4枚、合計鉄貨6枚だが、ロットは今回は宿代だけはサービスしてやるよ、だから鉄貨5枚だ。」
「助かる、じゃあこれで。」
パピーが財布から鉄貨5枚を取り出して女将に渡した。
「まいど、朝はこちらに声を掛けなくても良いからね、はい、2人分の食事だ。」
女将が棚からパンと、鍋からジャガイモを取り出し、渡してくれた。」
「ほら、ロット行くぞ。」
「うん、女将さん、ありがとうございました。」
俺がペコリと頭を下げると、女将は驚いた顔をしていた。
「あんた、どこかで拾ってきたんじゃないだろうね?」
「信じられんかもしれんが、俺の息子だぞ。」
「そうかい、まぁ苦労も有るとは思うが、頑張んばるんだよ。」
「はい。」
俺たちは宿を出て馬小屋に移動した。
前にマミーがやっていたように藁で寝床を確保する。
そして寝る前にジャガイモを頂くことにする。
そして腹も満たされたので寝ることになった。
おやすみなさい…
藁は意外と温かい。




