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【革命】

浅そうで深いのは名文。

深そうで浅いのは駄文。

深そうで深すぎるのは迷文。

浅そうで浅すぎるのは名駄文。

 「人生は選択の連続」と、どこかで誰かが言っていた気がする。ここでいう「選択」とは、今まさに直面している何かを指しているのだと思う。目の前にある選択は時にとても重要で、とても難しいものもたくさんある。


 しかし、それなりの年月を生きていると、何となく過去を振り返った時、ほんのちょっとしたあの出来事こそが自分の人生の大切なものだったな、と思うことがある。私はこの出来事のことを【革命】と呼んでいる。


 今のところ最古の【革命】は3歳の時に起こった。

 その時、私は実家でテレビを見ていた。そこで放映されていたのは、旅番組だったかニュース番組だったか、とにかくどこかから中継されているものだった。「現場の○○さーん?」みたいな感じの。


 そこで、ふと、当時の私は疑問に思った。自分の今いる“ここ”はどこなんだろうか。

 「ここって何県?」

 その頃の私は素直に母に聞いた。「〇県×市。」と教えてくれた。


 そして私はさらに聞いた。

 「今って何年?」

 「XXXX年。」と母はまた答えてくれた。


 これが私の最古の【革命】である。

 この時、私は初めて自分が存在している場所を知り、自分の生きている時代を知った。その時の感覚は何とも説明し難いが、今も鮮明に覚えている。

 「私はXXXX年に〇県に生きている(-名前ー)なんだ。」

 その自覚によって、何となく、自分の輪郭が濃くなった気がする。


 私は訳あって、記憶しておくのが苦手だ。あれこれ思考するのは好きだが、それもすぐに忘れてしまう。だからこそこの作品に残そうとしているのだが。つまり、昔のことなんてほとんど覚えていないのだ。しかし、この3歳の時の記憶は、それなりの鮮明さを保って残されている。私の脳によって無意識に、その出来事は捨てられることなく、ただでさえ狭い記憶の領域に居座り続けているのだ。


 だから、私はこの出来事を【革命】と呼ぶ。

 無意識の選択がこの出来事を大事に取っておいているのなら、私もこの出来事を大切にしてみたいと思うのだ。


 3歳の時、私は革命を起こそうとしたわけではない。振り返った時、それは【革命】になっていたのだ。今生み出そうとしている有益とは言えそうもない思考も、何十年か後には【革命】と化しているかもしれない。


 人生は確かに選択の連続かもしれない。

 しかし、ふと過去を振り返ってみると、その時は大事だとも思っていなかったことが【革命】になっていることもあるのだ。目の前の選択は大事なことかもしれないが、たまには【革命】の時に感じたことを思い返してみるのも悪くないんじゃないかと思う。


 皆様にも各々の【革命】が存在するのだろう。

 何かの息抜きとか、暇つぶしとか、《【革命】探し》をするのも面白いかもしれない。「宝探し」みたいでちょっと素敵な響きである。しかし、むやみやたらと過去の引き出しを探ってみると、黒歴史ばかり見つけてしまう可能性も低くはないので注意が必要だ。

 

 《【革命】探し》は用法・容量を守って正しく行いましょう。


2話目が投稿できたのは、20人にも満たない読者の皆様のおかげです。

今後とも目立たないように、ひっそりと駄文を置き去りにしていこうと思います。

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