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 その路上強盗事件が解決して4ヶ月後。

 ニコラスとマドックもボディアーマーの扱いにようやく慣れて来て、小さな事件を確実に解決している日々だった。

 こうして小さな事でも実績を重ねて行く事で、最初はギルドの設立に不信感や懐疑心を持っていた他の警察官達も、徐々にヴェハールシティ……いや、この街に留まらないアメリカの最強の刑事達の先駆けとして期待をする様になっていた。

 今までの装備とは比べ物にならない防弾や防爆と言った防御性能、それからボディアーマーの重さを無くす様にしてくれるレベルの人工筋肉繊維によるパワーと身体能力向上効果と言ったハイテクノロジーによって、ニコラスとマドックの2人の活躍を後押ししてくれる。

 それでも事件は無くならない。

 この地球と言う広い世界に人間を始めとした色々な生物がいる限り、争いは決して途絶える事は無いであろうとニコラスもマドックも思っている。

 だったらその争いから生物を少しでも守る事が出来るのも、同じく自分達の仕事であると思っているのだ。


 そんな刑事達も人間であり、仕事ばかりしていては身体が持たない。

 だから忙しい日々の間を縫って、ニコラスは休暇を1日だけ貰う事にした。

 もっと休めるなら休みたい所だが、刑事と言う職業は定休も無ければ夜通し徹夜の仕事にだってなってしまう。

 しかし、それが市民の安全を守る刑事と言う仕事なのだしそれを選んだのは自分なのだから、その仕事のスタイルについては文句を言う事は出来ないニコラス。

 なので休めるだけまぁ良いか……と思いながら、何時もの青い制服姿では無くまだ肌寒いこの季節に合わせたジャンパーや厚手のパンツでファッションを決め、ヴェハールシティの街中へと繰り出す。

 と言っても1人で街中へと繰り出す訳では無く、丁度同じ日に仕事が休みだったドイツ人の妻であるルイーゼと一緒にドライブがてら美味しい物でも食べに行こう、との予定だった。


 愛車のダッジ・チャージャーSRT8でルイーゼを乗せて、シティを気ままにドライブする事で刑事から一般人に戻るひと時の幸せだ。

 刑事としてでは無く、1人のヴェハールシティ在住の人間としての時間を妻と一緒に楽しむ。

 アクセルを踏んでチャージャーを走らせ、ヴェハールシティの市街地を走りながらデートの予定を立てる。

「何処に行きたい?」

「ん……ひとまずショッピング。春物の新作が出たからブティックに行きたいわ」

 妻の希望通りにニコラスはチャージャーをブティックに向かわせ、そこで春物の服を物色。

 ルイーゼの分だけでは無く、ニコラスの分も一緒に幾つか買い求める。

 これから春本番を迎えるヴェハールシティだからこそ、そろそろ衣替えの季節である。

 新たな部署が立ち上がった事で心機一転しておきたいのもあるが、ファッションに疎いニコラスは自分のファッションセンスには自信が無いのでルイーゼと店員に見繕って貰って店を出る。


 今日は特に行き先を決めていないデートなのだが、それでもこうして外に出て出て来たからには色々と外で出来る事をやっておきたい2人。

 次はディスカウントショップで雑貨でも見に行こうかと思ったルイーゼだったが、チャージャーの助手席から何気無く外を見ていた時にふと思い出した事があった。

「あ、そうだ……ニコラス」

「ん?」

「あの建設中のタワーなんだけど……ほら、あたしが捕まってて、あのフランスのティアナと一緒に貴方が助けに来てくれた」

「ああ、あのタワーがどうかしたのか?」

 あのヨーロッパの連中の話は記憶に新しいが、唐突にそんな話がルイーゼの口から出て来るとは一体どう言う思惑なのだろうかとニコラスは疑問を覚えずにはいられなかった。


「その近くの会社に仕事のヘルプであたしが行ってるんだけど……数日前にあたし、見たのよ。そこで工事業者とはまた違う男の人達が出入りしてたの」

「え?」

 建設業者でも打ち合わせ等でスーツを着る事は良くある。

 業者では無いニコラスもそれを知っているので、もしかしたらそっちの類じゃ無いのかと聞いてみるのだが、ルイーゼは首を横に振った。

「ううん、違うわ……明らかに武装してたから、最初は警察の訓練か何かかなって思ってたの。でもその時、貴方は別の任務で家に居なかったしあたしも仕事がその後立て込んでたからなかなか言うに言い出せなくて」

「……それはそうとして、そいつ等は何人位だったんだ? それから武装していたと言うが、どんな物を持っていたか覚えているか?」


 ニコラスからそう問われ、ルイーゼはその時の記憶を自分の頭から呼び起こし始める。

「ええと確か……10人~多くても15人位かしら。武装はほら、アクション映画とかで良く見るSWATのああ言う黒ずくめの装備って言うか、そんな感じの特殊部隊的な格好だったわね。と言っても道路を挟んだ向かい側で見ただけだから余り良く分からなかったわ」

「見たのは何時頃だ?」

「確か……夜の21時頃だったかしらね。あたしが仕事終わって帰る時だったから。でも夜なのに、その人達は道の街灯の明かりに時々照らされてたのが見えたから分かったの」

「隠す気あるのか、そいつ等……」

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