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30(最終話)

「はぁ、やっと日本に帰れる……」

 自分の愛車であるR34GT-Rが盗まれた2日後。日本からやって来たレイジは非常に疲弊した顔つきで空港へと向かっていた。

 タクシーでは無く、マドックが運転してニコラスがナビシートに座っているマスタングのパトカーで。

「今回は色々と災難だったな」

 労う様なマドックのそんなセリフにも、レイジは疲弊した表情のままマスタングのリアシートで呟く。

「ああ」

 この2日間は色々と大変だったな、と思いながら3人はあの後の事を思い返していた。


 マドックが京を倒した事により、次第に警官隊によって配下のギャング達も鎮圧されて行く。

 この自動車窃盗団の鎮圧にも終わりが見えて来ていたのだ。

 京の側近である4人のメンバーも倉庫内で確保され、5人は勿論逮捕される事に。

 その後の調べであの5人が所属している自動車窃盗団と言うのはあくまでも「組織」の一部署にしか過ぎず、殺人を始めとして人身売買や麻薬取引等ありとあらゆる犯罪に手を染めている巨大犯罪組織だと言うのが分かった。

 本拠地は日本であり、あの京と言うリーダーは普段は組織本部の警備隊長を務めている男だと言うのも判明。

 配下の4人はさくらが京の遠い親戚、残りの3人はさくらのアルバイトであるキャンギャル等の車関係のイベントで知り合い、組織に加入したと言う話だった。

 日本の組織ではあるもののその勢力はアメリカを始めとして世界中に及んでいるらしく、ヴェハールシティ警察だけでは勿論手に負えないので、これからじっくりと各国の警察と連携して組織の駆逐をするのだと言う事が決定した。


 ちなみにストリートレーサー達は警官隊が港にやって来た事によって我先にと逃げ出したらしく、被害はゼロだったのだがこっちは別問題なのでまた別の機会に取り締まる事にした。

「……それじゃ、行こうか」

「ああ」

 レイジは素直に従う。

 色々と捜査に協力して貰ったとは言え、何故一般人である筈の彼がこの窃盗団相手にあそこまで戦う事が出来たのかと言う事もまだ謎のままだし、何よりもR34GT-Rをきちんと返さなければ行けないのでその手続きでかなりの時間が掛かる。

 レイジもそれは分かっている事であり、ニコラスに付き添われてマドックが先に乗っているマスタングのパトカーへと2度目の乗車をしたのだった。


(願わくばもう2度と、こんな物騒な事件に巻き込まれたくないもんだ)

 警察での事情聴取、それから車の返却の手続き等を全て終えた時には既に帰国の予定を1日オーバーしていた。

 本来であればあの窃盗団とのファイナルバトルがあった翌日に港に車を預けに行って、そして自分は空港から飛行機で成田空港までの直行便のフライトで帰る予定だったのに。

 当然飛行機は警察の手によってキャンセルとなり、自分の病院にも連絡を入れなければならなくなったりと散々な目に遭って今回のアメリカ旅行は終わりを迎えた。

 そして今度から何処かに旅行に行く時は、よっぽどの事が無い限り自分の愛車を持っては行かずに現地でレンタカーを借りて行動しようとも思うのは当然だった。

 車が大好きで、なるべく自分の車で世界の色々な所を旅してみたいと思っているレイジは今までそうして来たのだったが、今回の事件で考え方を変えざるを得なくなったのも無理は無いだろう。


 レイジはカポエイラを習っているのだと言う事から刑事2人と格闘術の談義に花が咲き、それが判明した事でアクロバティックな動きで戦う事が出来ていたのかと刑事2人も納得した。

 ちなみに愛車のR34GT-Rは警察の手によって色々と検査が行われ、港までも警察の手によって運ばれる事になった。

 やはり1度窃盗されてしまった車である、と言う事で個人にそのまま返すと言うのはヴェハールシティポリスとしても避けたい事だったらしい。

 捜査に協力してくれた礼として、日本までの車の輸送費用と自分の乗る飛行機のチケットを警察が負担してくれたのでそこは良しとしよう、と思ってレイジは今までの嫌な思い出を何とか忘れようとしていた。


 そんなレイジにマドックが声をかける。

「……ヴェハールシティを嫌いにならないでくれ」

「え?」

「窃盗団のリーダーであるあの京と言う男はちっぽけな街だと言っていたが、俺達はこの街で長く暮らしているからな。今回は確かに運が無かったが……もしまたヴェハールシティに来る事があればその時は連絡してくれ。俺達がシティを案内する」

「ああ」

 マドックのセリフに何処かぶっきらぼうに答えるレイジだったが、ふっ……と小さく彼の唇の端に笑みが浮いた。


 そしてレイジを空港まで送り届けたマドックとニコラスは、事件が解決した事もあって新部署の設立の続きを再開する。

 まだ新部署の設立は1ヶ月後だが、今からマドックとニコラスの2人には専門的な教育もされる事になった。

 自分達が使っているマスタングRTRのパトカーはこの部署の専用車両となり、今までの自分達が所属している刑事課よりも更に危険性の高い事件を請け負う事になった。

 そうなると一般的な刑事の装備では戦闘力不足だと言う事で、あくまで試験的にではあるがこの部署専用に軍で使用されているテクノロジーを搭載したアーマースーツの開発も決定した。


 ヴェハールシティの刑事達の戦いは、これからもまだまだ続いて行くのである。


 Future World Battle 1st stage 完

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