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 レイジの青いR34GTーRにドンドン引き離されて行き、港湾区域から外に出てそのR34はハイウェイ方面へと向かう。

「逃がすなよ、マドック!!」

「分かってる。ニコラスは応援と封鎖の準備を!!」

「勿論だ!!」

 派手なカラーリングやパーツを使ってカスタムされているだけあって、その車はなかなかインパクトのある外観に仕上がっている。

 だから特徴を伝えるのは簡単だが、捕まえるのはそう簡単には行かない様であった。

 その車は非常に速いのだ。

 ハイウェイ方面へと向かうR34GT-Rは、古い車ではあるが中身は最新のパーツを使っているのか、2人の刑事が乗っているマスタングパトカーをストレートでもコーナーでも引き離して行く。

 しかも一般車の間を自由自在にすり抜けるテクニックもかなり良いみたいだ。

「マドック、離されてるぞ!」

「分かっている、分かっているが……速すぎる!!」

 更にこの2人が乗っているマスタングの背後から、また新たな1台の車が忍び寄っている事に2人の刑事は気が付いていなかった。


 前のR34GT-Rを追いかけるのに必死で、前しか見えていない今の状況。

 そんなマスタングに後ろから追いついて来たその車は、GT-Rが交差点を曲がってハイウェイ方向へとハンドルを切ったのに合わせて同じくハンドルを切ったマスタングの右リヤに、思いっ切りバンパープッシュを仕掛ける。

「うおっ!?」

「何だ!?」

 突然のバンパープッシュで姿勢を乱されたマスタングは、FRと言う駆動方式と言う事もあって一気にスピンモードへ。

「くっ!!」

 咄嗟にアクセルコントロールで体勢を立て直したものの、スピンから立ち直った時には既にR34GT-Rの姿は何処にも見えなかった。


「逃げられたか……くそっ!!」

「恐らくあいつの仲間が俺達の車にぶつけて来たんだろう」

「何故分かる?」

「一瞬だが見えた。白かシルバーかはこのパトカーのライトで良く分からなかったが、かなり車高の低いスポーツカーが俺達の車の横をすり抜けて行ったんだ」

「……良く見てるな、お前も」

 この状況でもそこまで色々と見られるマドックの冷静さに、同期の刑事ながらある種の恐ろしさを感じつつも結局R34GT-Rにも体当たりをして来たと言うスポーツカーにも逃げられてしまったので、ひとまず検問の要請を出して自分達の分署に戻る事に。

 だが、その分署に戻った時にまさかの光景を2人は目撃する事になる!!


 分署の地下駐車場にパトカーを停め、エレベーターで1階へと上がる。

 そのエレベーターを降りて正面玄関の受付カウンター前へと目をやった時、マドックはまさかの光景に目を見開いた。

「……えっ?」

「どうした?」

「あ、あの男……俺達が取り逃がしたさっきの青いスポーツカーの持ち主だ!」

「何っ!?」

 そう言えばニコラスとは面識が無いので、直に会うのは初めてか……と思いながら受付カウンターの前に座っている黒の長髪の男……レイジにマドックとニコラスは近づいて行く。


「……あれ? あんたは……」

「さっきはどうも」

「え?」

 マドックの存在に気が付いたレイジに、気が付かれた側のマドックはそう声を掛けてみたものの、レイジの反応はマドックの予想と違った。

 そのリアクションに違和感を覚えたマドックは、素直にレイジに対してこう問い掛けてみた。

「え? って……さっき俺達から逃げ切っておいて、どうしてここに来たんだ? 自首か?」

「……自首? 何で俺が自首をしなければならないんだ?」

「とぼけるな。さっき俺達が追い掛けていた車は間違い無くあんたのだっただろう?」

「えっ、俺の車が見つかったのか!?」


 冷静沈着なレイジの顔に、明らかな動揺の色が浮かぶそのリアクション。

 何だか会話がかみ合っていない事に気が付いたのは、2人のやり取りをそばで見ていたニコラスだった。

「待てマドック。どう見ても話がかみ合ってないと思うぞ?」

「……言われてみれば確かにそうだな。では、何故あんたはここに来たんだ?」

 そのマドックの質問に、レイジの口からまさかの回答が!!

「何でって……俺の車が盗まれたから盗難届を出しに来たんだ。と言うか俺の車は何処で見掛けたんだ?」

「盗まれただと!?」

「……これは詳しく話を聞く必要がありそうだな」


 ニコラスもマドックも、そのレイジの回答にはショックを隠し切れなかった。

 さっきまで自分達が必死になって追い掛けていた車のドライバーがこの警察署にやって来ているだけでも衝撃的な出来事なのに、その車の持ち主の口から出て来たのは「自分の車が盗まれてしまった」と言う更に衝撃的なセリフだった。

「仮に俺があんた等から逃げ切ったとして、わざわざこうして自首する為に警察署にまで来る訳が無いだろうに」

「それもそうか……」

 とは言えレイジが嘘をついている可能性も否定出来ないので、とりあえず事実確認をしなけばと言う事でニコラスに書類作成と報告を任せてマドックはレイジを連れて空いている取り調べ室へと向かった。

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