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 それでも余り時間が無いので、作戦を立てながらそのメモに書かれている港の倉庫へと向かった2人だったのだがそこには驚くべき物が。

「ここで合ってるのかしら?」

「そう……だな。ここに間違い無さそうだ」

 その倉庫の入り口のドアには1枚のメモが貼られていた。

『この倉庫の中に置いてある携帯電話が御前達との連絡手段となる。中のテーブルの上にはメモと携帯電話が置いてあるからその番号にかけろ』

 メモの指示に従って鍵のかかっていないドアを開け、中に入った2人はお目当ての携帯電話を発見した。

 確かに携帯電話の下には電話番号の書かれたメモが置いてある。

 2人は顔を見合わせ、どちらからともなく頷いてニコラスがその電話番号にかける事に。


 何回かのコール音が響き渡り、大体6回目位で相手が電話に出る。

「…………もしもし?」

『ニコラス・イースデイルだな?』

 聞き覚えの無い男の声に一瞬戸惑うニコラスだが、スピーカーホンに切り替えて会話を続ける。

『女の刑事も一緒か?』

「ああ、隣に居る。それで俺達は何をすれば良い?」

 電話の相手が出して来た指示は……。

『俺が電話を切ったらパトカーに乗り込んで6番アベニューのピザ屋まで行け。携帯電話にはGPSが内蔵されているから何処に居るか分かるぞ』

 それだけ言い残して電話が切られてしまったので、ここは大人しく指示に従う事を決めた2人はマスタングに乗り込んでそのピザ屋を目指す。

「俺達に何をさせるつもりだ?」

「分からないわ。今はとにかく指示に従うしか無さそうよ」


 そうしてピザ屋に辿り着いた時に、今度は相手から電話が掛かって来た。

『そのピザ屋の駐車場にパトカーを止め、徒歩で近くのバス停から郊外行きのバス停に乗って博物館前で降りろ。今度は電話を切るなよ』

 バス以外の車を使えばすぐに分かるんだからな、とだけ言って以降電話の相手は何も喋らなくなった。自分達の行動は筒抜けなので、大人しく郊外行きのバスに乗って指示通りに博物館前で降りた。

「降りたぞ。次は?」

『次はそのまま博物館を右手にしてまっすぐ歩いて、最初に見えて来た公衆電話に出ろ。近付いたら電話を鳴らす』


 その公衆電話に辿り着くと、指示通りに電話が鳴り始めたので受話器を取った。

『電話のそばに電源が入ったままのノートパソコンが置いてあるから、それのディスプレイを見てみろ』

 だがそのディスプレイには衝撃の画像が!!

「……!!」

 思わずティアナも息を呑む。そこにはロープで縛り上げられ、何処かのビルのバルコニーから吊り下げられたニコラスの婚約者の姿が映し出されていた。

「おい、ルイーゼに何かあったらただじゃ済まさないぞ!」

『そう慌てるな。これが最後の指示だ。この女が出席していたパーティー会場があるビルよりも更に大きなタワーが近くに建設されているだろう? そこに来い。ただしその近くに止まっているGPS内臓の黒のレクサスのセダンがあるからそれに乗って来るんだ。寄り道せずに来るんだぞ』

 ルイーゼが人質に取られていると分かった以上、確かに妙な真似は出来ないだろう。


 その黒のレクサスRC Fが停まっているのを発見し、タワーへと向かった2人にまたもや電話が入る。

『そのまま電話を切らずに中に入って、エレベーターで50階まで来い』

 だが、指示に従ってその建設中のタワーの入り口から中に入った2人の後ろでゆっくりと非常用のシャッターが下ろされる。どうやら電気は通っている様だ。

「……逃げ場は無いって事か」

「それでも行くしか無さそうね」

 恐ろしい程に人の気配が無いビルの中を進み、エレベーターに乗り込んでゆっくりと地上およそ200メートルの高さへ。その途中で武器のチェックもしておく。


 だが、その途中の45階でエレベーターが止まってしまった。

「……え?」

 ティアナが驚くと同時にまた電話が鳴る。

『俺の部下を倒して俺の所まで来てみるんだな。倒せれば、だがな?』

 そうしてまた電話が切れる。どうやら完全に舐められているらしい。

「もうこうなったらやるしか無いな。恐らくその幹部も居れば女スナイパーも居るだろう」

 やれやれと言った感じで2人はその階で降り、二手に分かれて45階を進み始めた。

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