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そんな2人の警察官による計画が行われているとはエディトは露知らず。彼女はその階のテナントの1つとして入っているブティックで服を物色していた。
「これも良いわねぇ。あっ、これも!!」
しかしこれも作戦の1つであり、余りそこから離れていない場所があのパーティー会場になる。そしてそんな彼女は、このパーティー会場があるビルにやって来た時には持っていない物を持っていた。
(ここに売っててくれて助かったわ)
彼女は一通りブティックで服を物色した後、そのまま他のテナントも見て回る事にする。勿論その持っていなかった物を持ち歩きながらだが。
(余り長い時間をかけると目立つわね。何処かに身を潜めていた方が良いかも)
パーティーが終わるまでの時間、そのままうろうろしている訳にもいかないのでエディトは女性用トイレの個室に身を潜めた。ここなら流石に監視カメラも無いので、よっぽど長い時間入っていない限りばれる事は無い。
そして個室の下から、数日前にオーソンが用意してくれた超小型のペン型カメラをニョキっと突き出す様な形で仕掛けておく。そのペン型カメラからはコードが伸びており、そこにカメラの様子を映し出す事が出来るモニターが繋がれている。と言っても撮影するのは隣の個室等では無い。
(そもそも同じ女のトイレシーンを撮ったって何も嬉しく無いし、そんな趣味は私に無いし。盗撮する男ってサイテーよね!!)
自分の事を完全に棚に上げた発言を心の中でしながら、エディトはターゲットがトイレの中に入って来るまで待つ事にする。このトイレの個室は意外と広い為に作戦にはもってこいの場所だった。
そうして個室の中で待機する事およそ15分。ついにお目当てのターゲットがトイレの中へとしかも1人で入って来た。
(来た……)
小さくガッツポーズをしながら、エディトはトイレの水を流して個室から出る。そのままターゲットの元へと近付いて行き、わざとターゲットにふらついて倒れ込む。
「う、うわっ!? ちょっと大丈夫!?」
「え、ええごめんなさい、ちょっとめまいがしたのよ……」
そうしてターゲットに接近した所で、あらかじめトイレの個室で薬品をしみこませておいた右手に隠し持っている布をターゲットの口元に押し当てながら左手でターゲットの頭を引き寄せる。
「ぐっ!? うぐぅ、ふぅぅ…う…うっ……」
「ふふふ、おやすみ」
悪魔の様な笑みを浮かべながら、エディトはターゲットとして目をつけていたニコラスの彼女のルイーゼを眠らせる事に成功した。
だがこのままでは明らかに怪しいので、どうにかして彼女を運ばなければいけない。
そこで役に立つのが、彼女がこのビルの中にある旅行用品のショップで買っておいてトイレの個室の中に置きっ放しにしておいたタイヤ付きの大きなトランクだった。
女は小柄な体型が多いがそれはこのルイーゼも変わらない。なのでルイーゼの身体を折り曲げてトランクの中に若干無理やりと言った感じに押し込み、そのまま何事も無い様に装いつつ、パーティ会場の前を素早く
通り抜けてエレベーターに乗り込んだ彼女は1階のロビーへと降りる。
そして人込みでごった返している週末のビルのエントランスを素早く抜け出し、その人込みに紛れる形でビルから悠々と出て行く。
(やったわ……)
まさかこんなに順調に行くとは思っていなかったので、エディト自身が1番びっくりしていた。
あの時のめまいの演技はアカデミー賞も取れるかもしれないわね、と自画自賛しながら素早くビルの近くの合流ポイントに急ぎ、そこに待機させておいたオーソンの運転するバンの後ろにルイーゼを入れたトランクをオーソンに手伝って貰って載せ、自分も素早くオーソンの助手席に乗り込んでアジトへと向かって行くのであった。




