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 2人の組織の幹部の言い分を聞いたリーダーはうんうんと頷くと、フーッと息を吐いてヒートアップした頭を冷やす。

「分かった。八つ当たりして悪かったな。……良し、過ぎた事を今考えたってしょうがねぇ。俺達の計画は失敗した。だったらこれからの事を考えて挽回して行った方が良いな」

 これからの事を考えるリーダーは、まずはオーソンに今の状況を聞く。

「オーソン、奴等についての情報収集は進んでいるか?」

 一体何の情報かと言うと……?

「どうやら、俺を追いかけていた奴は結構なやり手らしいぞ」

 まずはあの銀行襲撃の後、しつこい位に街中で自分を追いかけて来ていたあのコートを着込んだ金髪の男の警察官についてだった。


「やり手ねぇ? どれ位のやり手なの?」

 そのオーソンの情報に、横でそれを聞いていたエディトも興味しんしんだ。

 情報収集はあの偽の取り引きの時に加わっていたメンバーをその取り引きの前に警察内部に派遣させ、2人に今見せているノートパソコンにあらかた纏めている。

「その執念深さは所属している分署……いや、このヴェハールシティの警察全体の中でも随一って言われている位だぜ」

 それだけの執念深さを持つ警察官に追いかけられていた時の事を思い出しながら、組織の幹部であるオーソンは苦笑いをして更に続ける。


「名前はニコラス・イースデイル。1997年6月19日生まれ。ヴェハールシティ警察第5分署の刑事課に所属。市警察のホープとして活躍して、今では中堅刑事として後進の指導にあたりながらもまだまだ現役活動中。特徴は……まぁさっきも言ったけど、事件が解決するまで絶対に捜査を諦める事はしないと言うその執念深さが特徴だな。それで今までも様々な事件を解決して来た。勤務態度も真面目な様だし、まさに警察官の鑑って奴だろう」

「写真で見る限りはそれなりに顔も良いみたいだし、異性からはもてそうね」

 私のタイプじゃないけど、とエディトがそれに付け加える。


 しかしそのエディトのセリフは、冷静な性格のオーソンには綺麗にスルーされてしまった。

「ああそう。それはどうでも良いがな。それから署内の射撃大会でもそれなりに好成績を残している。体術に関しては良く分からないが、まぁ出来る方だと思っておいた方が良いかもしれないな」

 そこで一旦言葉を切り、オーソンは口元に笑みを浮かべながらこんな話を切り出した。

「……けど、この男にも弱点があるんだ」

「弱点? それってどんな?」


 リーダーの問い掛けに、オーソンはノートパソコンの画面を切り替えて1つの画像を表示させた。

「これだ」

 その画面に映し出されていたのは、エディトよりも明るい茶髪……どちらかと言えば限り無くピンクに近い縦ロールの髪型が特徴的な女の姿があった。

「こいつは?」

「このニコラスって奴の彼女だ。名前はルイーゼ・シュトルツァー。それもこの女はアメリカ人じゃ無くて俺等と同じヨーロッパはドイツからやって来た人間だ。こっちに来てから何回か補導歴がある不良少女だったが、このニコラスって奴が説得してから改心したんだってさ」

「そして、今は恋人同士って事ね?」

「そう言う事だ」

 エディトが女の鋭い勘を使った予想で見事に2人の関係を当てて見せた。


 そしてこの女の情報を見たリーダーもエディトも、そして収集した情報を見せたオーソンも3人全員が考える事は一緒だった。

「どーやら俺達3人、考えている事は一緒みたいだぜ?」

「ええ、そうね」

「こいつを上手く利用しない手は無い、そうだろ?」

 そのノートパソコンに映し出されているニコラスの彼女、ルイーゼの画像を見ながら3人は頭の中でそれぞれ思考を巡らせて行く。天はどうやら自分達にチャンスを与えて下さっている様だと言う思いで、このルイーゼと言う女には相当の利用価値があると確信していた。

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