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(まずい!!)

 裏口から銃撃しながら逃走を図ろうとする強盗グループの一部に対して、容赦無しとばかりにヴェハールシティ警察の警官隊も応戦する。

 ニコラスも当然近くのパトカーの陰に隠れてハンドガンで応戦を始める。正直に言えばこの銃撃戦を余り長引かせる訳には行かない。これだけの大騒ぎになっている上に、市街地の中に逃走されてしまえば民間人に被害が出てしまう事は明白だからであった。

 だからこそこの銀行の周りだけで何とか強盗グループを食い止めたい所であったのだが、その奮戦が無意味になってしまう事態が。


「なっ!?」

 その奮戦の中から1人の男がこっそりと逃げ出そうとするのを見逃さなかったニコラスは、即座にその男を追いかけて行く。しかし男もニコラスが追いかけて来た事に気がついて、時折りハンドガンをニコラスに発砲しながら逃げて行く。

「くっ!!」

 発砲して来た事で咄嗟に回避行動を取り、物陰に隠れながらも必死になってニコラスは逃げて行く男を追いかけて市街地を走り回る。男は見た感じで図体がでかく、余りすばしっこいタイプでは無い様だがそれでも必死になって逃げているせいか、ニコラスとの距離は着かず離れずと言った所であった。


 昼間の市街地の、それも強盗の被害にあったあの銀行がある13番アベニューはオフィス街の中心部に位置しているせいもあってか人通りが多い。営業マンから道路清掃の人間まで様々な人間が今の市街地を歩き回っており、逃げて行く男にとっても追いかけるニコラスにとってもその人波をかわすので結構骨が折れる。

 更にそんな中で男がまた発砲して来るものだから周りの人間がパニックになってしまった。

「ちーいっ!」

 銃声を聞いた市街地の人間達が悲鳴を上げて逃げ惑う中で、男はそのパニックになった人波で邪魔されているニコラスを尻目に更に差を広げにかかる。

 それでもニコラスは諦めようとはしない。

(ここまで来て……逃がすものか!!)

 ヴェハールシティ警察の警察官として、1人の刑事として絶対にあの凶悪犯を逃がす訳には行かない。銀行強盗だけでもとても大きな犯罪だと言うのに、街中で発砲する凶行まで今現在引き起こしている。だったら尚更ここで逃がしてしまえば、それだけこのシティの市民の命が脅かされてしまうのだ。

 何とかその強い思いで人波を掻き分け、ギリギリでまだ男の姿を視界に捉えている。

(何処まで逃げるつもりだ!?)

 男はこのまま何処まで逃走を続けるつもりなのだろうかとニコラスは若干呆れながらも、何処まででも追い続けてやると言う意気込みだけは忘れない。


 そんなニコラスに対して、男は苦々しく舌打ちをする。

「ちっ!!」

 後ろを振り返れば、あの刑事は銀行の裏口から追って来た時よりかは確かに引き離したとは言えども、まだ自分を追いかけて来ている事に変わりは無かった。

(あー、しつっけーなーーー!!)

 どうにかしてあいつを振り切らなければ無事に自分のアジトへと帰り着く事も出来ないし、何よりも銀行で戦っている仲間達がまだ居る筈からそちらも心配だ。

 それにこの銀行襲撃にはもう1つ大事なミッションがあったのだが、警官隊突入のせいでミッション達成寸前で失敗してしまっている。

(くそっ、ここまで来て俺が捕まってたまるか。リーダーに合わせる顔がねぇ!!)


 お互いのそんな思いが交錯する中で、いよいよこの逃走劇は佳境に入ろうとしていた。男は市街地を抜けて路地裏へと入り、入り組んだ路地裏を抜けてニコラスを振り切ろうと言う作戦だ。

 そんな男の行動を見て、ニコラスは1つある事を思い出した。

(この先は確か……)

 男が入って行った路地裏は、ニコラスにとっては絶好の捕獲ポイントだった。

(どうやらあの男はこの街の人間では無いか、この街に来て日が浅いかのどちらかだろうな。その路地裏はお前にとってチェックメイトになるんだ。さぁ、観念するんだな!!)

 口を笑みの形に浮かべたニコラスは、耳につけているインカムのマイクで通話をする。

「男は路地裏に逃げた。増援を頼む……このまま俺は男を捕らえる!」

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