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 やはりこのボディアーマーだから装備がどうしても重めになるのは仕方が無い。

 それに前回のタワービルの事を思い出し、それなりの重装備を戦闘準備で用意して来た事も拍車を掛けている。

 それでも軽装で奇襲をかけて返り討ちにされるよりは、何倍も何十倍も安全性やミッション成功と言う部分での信頼性に差が出るのでここは文句を言えない所である。

 なのでその装備を信頼し、ニコラスは気配を極限まで消しつつ取り引き現場の近くまでやって来て柱の陰に隠れて様子を見る。

「……こちらニコラス。やはり敵は思ったよりも多い。マドックは定位置について、奇襲部隊は俺の近くまで来て待機。奇襲部隊の封鎖は完了しているか?」

『はい、こちらの封鎖は大丈夫です』

「分かった。ならば万が一の場合に封鎖に使っているパトカーを動かせるだけの人員と、そこの封鎖地点で待機出来る数人をそれぞれ残して後は3階のBブロックまで来るんだ」

『了解』


 奇襲部隊の準備が整うまでの間、ニコラスは再び取り引き現場に視線を戻して様子を観察する。

(取り引きとしてはオーソドックスに、品物を見せて代金を受け取ると言う具合か……。だがこんな場所でコソコソと隠れて何かをやる以上、アンダーグラウンドな取り引きである事に間違いは無さそうだ)

 問題はその『中身』が何なのかと言う事だが、これはこの取り引き現場を壊滅させて怪しい連中をひっ捕らえてからじっくり調べるだけの話である。

 そうニコラスが思っている一方で、マドックは奇襲のバックアップの為に別の位置に辿り着いていた。

 そこから取り引きの様子を見て、誰がこの取り引きを仕切っているのかをニコラスに連絡を入れながら大体見当付けて行く。

「ニコラス、俺だ」

『定位置についたのか?』

「ああ。少し見えにくいが、それでも取り引きの様子はこちらからでも見える。連中の中に居る奴では黒い髪の男と銀髪の若い男が仕切っているみたいだな。見た所、その男2人を始めとしてそれなりに武装しているみたいだ」


 それを聞き、自分の方からはゴーグルのシステムでズームアップしてみても少し遠めなのでニコラスはマドックにもっと詳しい情報を求めた。

『武装しているとなると……装備の内容は分かるか?』

「その辺は良く分からないが……見える限りではマシンガンにアサルトライフル、それからハンドガン持ってる奴も居るな。取り引きだけど何かあった時の為にやはり用心はしているみたいだ」

 こうした取り引き現場を押さえる様な事件も幾度と無く経験して来たニコラスとマドックは、取り引きの時にトラブルがあって銃撃戦になると言う状況もケースとして知っているので今回のその連中の装備も納得した。

『分かった。今の所の取り引きの様子は分かるか?』

「……ちょっとマイクの感度を上げてみよう」


 インカムのマイクの感度をアップしてみると、僅かにだが取り引きの会話が聞こえて来た。

『この……は……ドルでどうだ?』

『それは足りな……もっと値下げす……約束で……』

『じゃ……の価格……これで……これ以上……』

 途切れ途切れに拾える会話から推測してみると、どうやら今は値段交渉の真っ最中らしい。

 交渉をしていると言う事は、その交渉で頭が一杯で他の事に構っている余裕が無いとマドックは踏んだ。

「ニコラス、取り引きに夢中で奴等は油断している。仕掛けるなら今がチャンスだ」

 冷静なマドックの観察により、仕掛けるタイミングは今が最も良い時だと判断してニコラスに突入を促す。

『了解。それじゃ俺がこっちの奇襲チームと一緒にまず先に出る』


 ニコラスは奇襲チームにアイコンタクトとハンドサインで合図を送り、柱の陰から飛び出してグロックを構えて大声で叫ぶ。

「警察だ! 御前達、そこで何をしているっ!!」

 その声に取り引き連中が一斉に振り向くが、ここでニコラスはゾクリとした得体の知れない恐怖を覚えた。

(……!?)

 何かがおかしい。

 普通こう言う場合であれば、今の自分の様な警察官が出て来た所で程度の大小はあれどビックリする筈なのに。

 取り引きをしているこの連中はまるで「警察が来るのが分かっていました」とでも言いたげな余裕のある視線と動きを見せながらニコラスに対してそれぞれ武器を構えた。


 次の瞬間、考えるよりも先にニコラスは横っ飛びで近くの柱の陰へと飛び込む。

 それに一拍遅れる形で、銃弾の雨が今の今までニコラスが立っていた場所に降り注いだ。

「くそっ……!!」

『ニコラス、どうした!?』

 マドックの呼びかけがインカムから聞こえて来るが、余り応答している余裕は無い。

「何かがおかしい! あいつ等、妙に余裕のある態度だ! フラッシュバンを投げ込め! それから奇襲部隊も全チーム突撃だ!!」

『分かった!』

 マドックはニコラスのそのセリフに違和感を覚えながらも、指示された通りにフラッシュバンを投げ込む。

 そのフラッシュバンで相手が怯んだ所で一気に畳み掛ける……筈が、まさかの事態がまたしても襲い掛かって来る事になる!

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