そのはちじゅうです。
「わぁー……見た事のない部活がいっぱいですね……」
私達が来たのは本校舎から少し離れた場所に存在する部室棟。
そこには文芸部や科学部など文化系の部活が数多く見られました。
中には、『社会福祉部』と見た事も聞いた事もない部活があったり……どんな部活なんでしょうね? 見学してみたいと、蓮さんに言ってみたのですが何故か全力で止められました。
……何か、あの部活にはあるんでしょうか?
「ふわはどこか見たい部活とかあるの?」
「うーん、そうですね……手芸部とか見てみたいかもしれません」
「手芸部? どうして?」
「私、裁縫が趣味でして……部活でも何か可愛いものが作れないかな、と」
「……アンタって、何て言うかいい意味で女の子らしいわよね」
「え? それってどういう意味ですかっ?」
「特に他意はないわよ。……手芸部ならあっちよ」
「は、はい……」
蓮さんによると、手芸部は中でも部室棟の奥の方にあるそうで、行き着くまでに一苦労しそうです。
入部したらここを歩く必要があるのかと、そんな事を考えながらひたすら長い廊下を歩いていると、前方から見知った人物の姿が現れました。
「あ、綿々さんと津出川さん。こんなところで珍しいね」
「こんにちは、青海さん」
爽やかな笑みと共に挨拶を交わしてきたのはクラスメートの青海 蒼波君です。
顔立ちは普通だというのに、笑顔を見ると何だか爽やかな印象を受ける、不思議な人です。
「アンタはどうしてここにいるのよ?」
「どうしてって……化学部員なんだから、ここにいて当然でしょ?」
そう言って、目の前にある科学部を指差す青海君。
「アンタが化学部って事自体、こっちは初耳よ」
「あはは、言ってなかったっけ? それで、そっちは何の用事?」
「ふわが部活動見学をしたいって言ってね」
「蓮さんは私に付き添ってくれてるんですよ」
「へぇー、そうなんだ。じゃあ、よかったらウチの部を見学しない?」
「へ?」
戸惑う私に青海さんは慌てて手を振りました。
「あ、いや、勿論無理にとは言わないよ。でも、ウチの部は部員数もギリギリの弱小の部だから、見学にきてくれるだけでも嬉しいからさ」
うーん……化学には興味はないんですが……。
クラスメートからこう言われてしまうと断り辛いものがありますよね……。
まぁ、時間もありますし、少しくらいなら大丈夫でしょう。
「分かりました。じゃあ、少しだけ見学させてもらいます」
「本当? じゃあ早速、入ってよ。何もないけど、茶くらいなら出せるからさ」
こうして、私達は科学部を見学するため、科学部の部室へと足を踏み入れたのでした。
気づいてる方は気づいていると思いますが、今回の話には『社会福祉部』の名前、そしてキャラでは青海君が登場しています。
これは部活の方は『ユメロマ』、キャラの方は『割りに合わない家族』の小説で出て来た既存のものです。
実はこの小説に書くにあたって、青海君達のキャラは出そうと考えていました。
ちょうど一年前に書いた作品のキャラなので何やら感慨深いものがありました。
(ちなみにこの話を書くにあたって、小説を読み返してみると酷いの一言でしたが)
次回も『割りに合わない家族』のキャラが出てきたりします。
勿論、知らない方も多分、面白いと思うような出来に仕上げておりますのでご安心を。




