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そのななじゅうよんです。

「いいですか、夜切君。あの事故で私が怪我をしたのは、あくまで私の責任で、私が勝手に行動して、怪我を負ってしまっただけです。それがどうして、夜切君のせいになるんですかっ。筋違いもいいところですよっ」


 兎に角私は、自分の思いを夜切君に伝えようと、頭の中で思いつく言葉を口にしました。

 何を喋ってるのか、自分でも分からないまま、私の口は止まる事はありませんでした。

「夜切君は何一つ悪くありませんよっ。夜切君は悪い事をしてないじゃないですかっ。……いえ、それどころか、夜切君は子供を助けたじゃないですかっ」

『……』

「夜切君、私は何度でも言いますよ。夜切君は悪くありません。私が断言します」

『……』

「それでも夜切君は自分が悪いって言うんですか? 責任は自分にあるとそう言うんですか?」

 ドアからは、反応がありませんでした。

 この……っ!

 私は無意識に力が籠る右手を握って、ドアに向かって拳を繰り出しました。

「自分で……勝手に結論を出さないで下さいよっ!」

 ドンッ、とドアから下まで聞こえてしまいそうな音が辺りに響きました。

 痺れる右手を、私は自分の左手で撫でてやりました。

「──っ。何でもかんでも、自分一人のせいにしないで下さいよっ。責任を背負わないで下さいよっ」

 瞬間──再び、ドアが爆音と共に大きく揺れました。

 私では、ありません。

 多分、夜切君が私と同じようにドアに拳を叩き付けたのだと、私は思いました。

 私が突然の事にびっくりしていると、ドアの向こうから声があがりました。


『じゃあ、どうすればよかったんだッ!!』


 それは、夜切君の声でした。

 いつものぼそぼそとしたような声ではなく、耳を塞ぎたくなる程の嘘のように大きな、そんな悲鳴にも似た声でした。


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