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番外編 そのご。

 表記はされていませんが、この話から二章開始です。

「もう少しだ……!」


 電車に乗り、駅に着いてから全力で駆け出す事、約一時間。

 ようやくというべきか、目的地であるショッピングモールにはたどり着きかけていた。

 ここまでの道のりは長かった……!

 ふわにまとわりつくクソ虫を徹底的に駆除するため、右手に薪割り用の斧、左手に包丁と完全武装をしてきた僕。

 何故だか、道行く人達がざわめいていて、何か青い服の人達に追いかけられたりしたけど、僕のふわに対する愛情には無力だ。

 通り過ぎざまに溝に拳を叩きこんでやると、皆安らかに眠っていった。

 しかし、途中でサイレンを鳴らす車に追いかけられたのはビビったが、それも何とか振り切ってみせた。

 辛い戦いだらけだった……! だけど、そんな戦いもクソ虫さえ倒せば全てが終わる……!

 僕がそう意気込んだ時だった。

「……ん? 何だろうこの人集りは……?」

 もうすぐショッピングモールに着くという道の途中、横断歩道の周りにざわざわと人が集まっていた。

 今日は祭りがあったとも有名人が来てるとも聞いてないし……となると、一番あり得るのは事故か何かかな?

 事故だったら可哀想だけど……どちらにせよ、僕には関係のない事だ。

 それより早くふわの所に向かわないと……!

 僕は持っていた武器をしまうと、人集りをかき分け、構わずショッピングモールに向かおうとした。

『……それで、トラックにぶつかったんだとよ。ほら、あそこで丁度運ばれてる女の子。血だらけだろ?』

『うわ……あれ、生きてるのかな……?』

 ──女の子?

 人波の中でそんな単語が聞こえて、僕の足は止まった。

 ……嫌な予感がした。

 僕は進路方向を変え、騒ぎの中心と思われる場所に向かった。

 当然だけど、騒ぎの中心に行く程、人集りは凄かった。

 僕は必死になって、前に詰めた。一人、二人、四人と抜かして、何とかたどり着いたその場所は……


 その……場所は……。


 ふわが担架に運ばれていた。

 その全身を血で塗らせて。


 この場所で何が起こったのだろうか。

 僕にはふわが生きているのかどうかさえ、分からなかった。

 だけど、僕が一つ分かった事がある。



「ああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」


 僕は、叫んだ。

 ここは紛れもなく地獄だった。

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