そのろくです。
い、一応言っておきますが、私はBではなくCですからね?
午前の授業が終わって昼休み。この学校の授業スピードは中々速く、ついていくのは骨が折れました。
疲れを癒そうとお弁当箱を取り出すと、前の席の女の子がお弁当を持って振り返ってきました。
「綿々さん、一緒にいいかなー?」
小柄のおっとりとした女の子でした。名前は確か……そうそう、古海 夏実さんです。
「断る理由なんてありませんよ。どうぞ、一緒に食べましょう」
「えへへー、ありがとー」
古海さんは自分の席から椅子を引くと、いかにも女の子らしい包みに包まれているお弁当箱を私の机の上に置きました。
「お腹空いちゃったねー」
「そうですね。早く食べましょうか」
私は包みを解いて、お弁当箱を開きます。
今日のお弁当は自分で作った、野菜が色取り取りのヘルシー弁当です。
勿論、お肉は一切入っていません。
体重キープ、健康保持を兼ねての弁当ですから。
見た目が映えるように野菜の配置も考え、全体的に可愛い弁当に仕上げたつもりですが……。
「うわー。可愛いね、綿々さんのお弁当ー」
どうやら成功ようです。
良かった……苦労した甲斐がありました。
「そうですか? そう言う古海さんのも──」
可愛いですよ、と言おうとして、私は言葉に詰まりました。
古海さんの手元、お弁当箱だと思われた包みの中には馬鹿デカい、それもとても重そうなカツサンドが塔のように積み重なっていました。
「あーん」
もっと驚いたのは古海さんがそれを平然とした表情で食べている事でした。
私は恐る恐る聞いてみます。
「あの……それ、全部食べるんですか?」
「うんー。おやつの牛肉ソーセージとカルパスもあるんだけどねー」
古海さん。まさかの肉食系。