そのごじゅうさんです。
「……夜切君。この恨み、忘れませんからね」
「そこまで怒る事はないと思うんだが……」
あの場を逃げるように立ち去っていった私達は、ショッピングモールのある街へと向かうため、電車に乗る事になりました。
今は空いている座席に二人で並んで座っています。
「学校とは違うんですよっ。あそこには人がたくさんいましたし、下手をしたら、夜切君が痴漢扱いされて捕まってましたよ」
「俺が警察如きに捕まるようなヘマをするとでも?」
「そうじゃなくて、私は警察に捕まりかねない行動を取らないでくださいって言いたいんですっ」
「努力はしよう」
「……夜切君、絶対聞く気ないですよね」
今も会話の最中に、私の太ももを触ろうとしてくるのがいい証拠です。
本当に捕まったりしませんよね……?
デート中に職務質問を受ける夜切君の姿が想像出来てしまって、私は不安になってきました。
「それより、今日についてだが……」
「ああ、買い物をするんでしたよね。何を買いに行くんです?」
「……当ててみろ」
当てられるものならな、と言う風に夜切君が鼻を鳴らしたので私はちょっとだけイラッとしました。
……いいでしょう。なら、意地でも当ててみますよ。
私は考え始めました。
夜切君が買いたい物……。
一般人とは趣味思考が異なる夜切君の事です。
普通の物はまず買おうとしないでしょう。
と、なると普通は買わない物……且つ、夜切君が欲しがりそうな物……。
それは──
私はポンと手の平に手を置くと、頭の中で導き出された答えを口にしました。
「エロほ──」
「待ってくれ、綿々。何故、そんな答えになる?」




