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そのごです。

 変態はやはり変態でした。


「あなた、お名前は?」

夜切やぎり。夜切 ゆう

「夜切君ですか……」

 名前、かっこいいですね。よく見たら、顔も中々イケメンです。クールな感じで寡黙な印象を思わされますね。

 だというのに、どうしてそれらを台無しにするような言動を……もったいないですね。

 残念イケメンという奴でしょうか?

「……」

「? どうしました?」

 気がつくと、夜切君が意外そうな顔をしながら私を見つめていました。

「いや……クラスメートに名前を呼ばれたのは初めてで」

「どれだけセクハラを繰り返せばそんな事態になるんですか……」

 まったく、呆れたものですね。

 遠目で私達を観察しているクラスメートの皆さんを横目でちらりと確認します。

 あの人達にとっては夜切君は近づくたくもない存在なんでしょうね。気持ちも分かりますし、当然といえば当然ですよね。

 しかし、女子は兎も角、男子まで夜切君を避けるのはどうしてなんでしょうか? 何か理由が……?

「綿々……だったか?」

「あ、はい。そうです」

「俺を名前で呼んでくれたクラスメートはお前が初めてだ。いきなり友達になってくれとは言わない。話相手でいい」

 そう言って夜切君は手を差し出して来ました。

 ……色々と問題はあるようですが、少なくとも悪い人ではないみたいです。

 さっきも助けてくれましたしね。

 差し出された夜切君の手に私も手を差し伸ばします。

 そして、差し出される互いの手は交差し合い、夜切君の手は私の胸へと吸い込まれるように触れてきました。



「C……いや、これはギリギリ……Bだな」

 しっかり揉みしだきながら満足そうに頷く夜切君の頬を渾身の力で張った私は悪くないです。

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