そのさんじゅうです。
「津出川さんに携帯を拾って貰ったー?」
携帯が無事、手元に戻って来た後、私は先程の事を二人に話しました。
「はい。親切に持ち主を探していたそうなんです」
「津出川というと……(目測)Aの奴か」
「夜切君。名前でクラスメートを覚えてとは言いませんから、胸のサイズで人を覚えるのは止めて下さい」
最も、私も言われるまで津出川さんがクラスメートだという事が分からなかったので、人の事は言えませんが。
「津出川さん……とてもいい人でしたよ」
「うんー。津出川ちゃんは素直じゃないけど、実はとってもいい人なんだよねー」
「つまり、ツンデレか?」
「そうそう、それー。いつもツンツンしてるけで、偶にデレるってやつー」
成る程……ツンデレとは津出川さんみたいな女の子の事を言うんですね。
「……後で、挨拶すると同時にセクハラしにいこう」
「あの、夜切君。それは出来れば挨拶だけに留めてもらえると……」
「じゃあ、セクハラだけにする」
「どうしてセクハラの方を残したんですか……?」
津出川さんが夜切君の魔の手にかからないよう、気をつけないといけませんね。
それは兎も角として……
「今度、津出川さんには改めて礼を言わないといけませんね」
「また顔を真っ赤にしちゃうんじゃないかなー?」
「それとも、御礼にと何かあげた方がいいんでしょうか……?」
「そしたら津出川さん、お馴染みのツンデレ台詞を言っちゃうよー」
「『ありがとう。一生大切にするわ。だってアンタの物だもの。ふふふ、うふふふふ……』か?」
「それは多分、デレ違いです」
デレにも『ツン』と『ヤン』じゃ大きな違いがあるそうです。




