表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/139

そのにじゅうきゅうです。

「ところで、アンタはここで何をやってるの?」

「ちょっと、落とし物をしてしまいまして……今、それを探しているんですよ」

「落とし物?」

「ええ。大事な物なので、早く見つけないといけないのですが……見ての通り、まだ見つかってないんですよ」

 携帯は誰かの手に渡ったら、悪用されてしまうかもしれません。

 そうなったら大変な事になってしまいますし……。

「ふーん。それってもしかしてこれの事?」

 津出川さんが取り出した物に私は目を見開きました。

 だってそれは羊のキーホルダーが付いた私の携帯だったんですから。

「そ、そうですこれですっ。どこにあったんですか?」

「教室の前に落ちていたわ。誰の携帯か分からなかったけど、一応拾って置いたのよ」

 私は津出川さんから携帯を受け取ると、見つかって良かったと安堵の息をしました。

「そうだったんですか……あのっ」

「? 何よ?」

 私は頭を津出川さんに向かって深々と下げました。

「ありがとうございました。私が不用意に落としてしまった携帯を拾ってくれて、本当に感謝します」

 すると、津出川さんは顔を耳まで真っ赤にさせ、急にそっぽを向きました。

「ふ、ふん! べ、別にアンタのために拾ったんじゃないし? 拾ったのはたまたま……そう! たまたまよ! たまたま拾っただけなんだからね!」

 わたわたと忙しくリアクションをとる津出川さん。

 そんな津出川さんに一人の男子生徒が近づきます。

「おーい、津出川? 大分ウロウロしていたみたいだけど、携帯の持ち主見つかったのかー?」

「ちょっ!? アンタ、何言ってるのよーっ!? それじゃあ、持ち主をずっと探していた事がバレちゃう……はっ!?」


「津出川さん、私のためにそこまで……」

「違うーっ! 違うのよーっ! ワタシはそんなつもりじゃ……なかったのよーーーっ!!」


 やがて津出川さんは廊下を全力疾走し、去って行きました。


「……津出川さん、いい人です」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ