そのにじゅうさんです。
「なんだ、そういう事かー」
事情を説明すると、ケラケラと笑いだす夏実さん。
わ、笑い事なんですか?
「ふわちゃんって、モテるんだねー」
「モテ……? え?」
どういう意味なんでしょう。
どうして私がモテ……なんて話を?
「その手紙、ラブレターだよー」
「ラブッ……! ええっ!?」
とても驚きました。それはそうです。貰った手紙の字は明らかに女の子で、しかも私なんかに……。
「ラブレター、ですか……?」
「うんー。呼び出しにしては随分と可愛過ぎる便箋だとは思わないー?」
「で、ですが、これを書いた人は……」
「女の子だろうね、名前は書いてないみたいだけどー」
「……ちょっと、ちょっと待って下さい。あの……女の子から私にラブレターはおかしくないでしょうか? 普通に宛先を間違えてしまったとか」
そうです。これはきっと、何かの間違いです。そうでなければこんな事……私が女の子からラブレターを貰うなんて事、あるわけがありません。
「ここに『綿々 ふわさんへ』って書いてあるよー?」
「…………」
間違い……だと良かったんですが。
「でも、分かるよー。ふわちゃん、クラスで大人気だもんねー。男の子は勿論、女の子からもー。そっか、一週間で既にラブレターが来るようになったんだー……」
「理解が……理解が追いつきません」
「ふわちゃん、頼まれてた事を卒なく終わらせるからねー。それで世話好きだし、愛想もよくて、外人とのハーフっていうんだからそれはモテるよねー」
人生の中で一度もラブレターを貰った事は疎か、モテた記憶がなかった私が初ラブレターを……女の子から。
「夏実さん……私はどうすればいいんでしょうか?」
「わたしが決める事じゃないと思うけどー……ふわちゃんの好きにするのが一番だよー。付き合うのもアリだし、断るのも自由だよー?」
「付き合う……あの、女の子同士でですか?」
「百合って奴だねー」
夏実さんは何故か笑顔でグーサインを作りました。
いや、どうしてそんな笑顔を浮かべられるんですか。
その時、どうしてそんな所にいたのか、裏のロッカーの中から夜切君が飛び出して来ました。
「……話は全て聞かせてもらった」
「アレ、どうしましょうか?」
「通報すればいいんじゃないかなー?」




