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そのひゃくじゅうななです。

 幸せな気持ちで包まれながら、私は夜切君と抱き合っていました。

 こんなことがあっていいんでしょうか?

 頬をつねり、これが夢でも妄想でもない、現実だということが分かると更に嬉しくなりました。

 一生このままでいたい……と思う私の耳に「ガサっ」と草木が揺れるような音が──


 ──え? 音?


 私は壊れたロボットのような動きで首を逆に回しました。


『馬鹿! どうして音を立てるの!』

『津出川ちゃんが押すのが悪いんだよー!』

『何よ!? あたしのせいにするつもり!?』

『おぬし等! 声が大きいぞ!』


 背後からひそひそ声と数人の気配。

 よく見ると、少し離れたところにある草木が揺れているようでした。

 強烈に、嫌な予感がしました。

 私はこっそりと揺れていた草木に近づいてみました。


「今、いいところなんじゃから、大人しくしておれ。バレてしまっては元も子もな──」

「……皆さん?」

「「「あ」」」


 そこには、夏美さん、秋扇さん、蓮さんのいつものメンバーが勢揃いしていました。

 ……ちょっと待ってください。今の今でそこにいたということはないでしょうから……。


「ま、まさか、今までのを全部──」


「……てへっ」

 舌を出す夏美さん。

「ばっちりと拝めさせてもらったのじゃ」

 親指を突き出す秋扇さん。

「み、見るつもりはなかったのよ? たまたま先輩から言われてここに来ただけで……」

 顔を逸らす蓮さん。


「きゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」


 みるみる内に私の顔は羞恥で染まり、公共の場というのにも関わらず、その場で蹲って泣き出しました。


 死にたいっ!

 死にたいですっ!!

 まさか今のをクラスメートとその他知り合いに全部見られていたなんて恥ずかし過ぎて死にたいですーーっ!!



「でも、よかったねふわちゃん達ー。これで二人は完全に恋人同士……つまりはカップルだからねー!」

「うむ。紆余曲折あったが、終わりよければ全て良し、じゃ。これぞ『はっぴーえんど』というものじゃろ?」

「ここまで恥をかいて終わって、どこがハッピーエンドなんですかっ!?」


 私は全力でツッコミました。

 次回、最終話。

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