そのひゃくじゅうです。
「すまない……取り乱してしまった」
「いえ……原因はお兄ちゃんの方にあるらしいですし……」
その妹しては申し訳ない気持ちでいっぱいなわけで……。
少し落ち着いた上神先輩は「そうだ!」とあらん限りに拳を握り締めます。
「あの阿呆は……! 私をッ! デートに誘っておいてッ! 何故に放って置くことが出来るんだッ!!」
「あ、あはは……」
……これには私も苦笑いをするしかありませんでした。
どうやら上神先輩はお兄ちゃんに誘われてここに来たらしいですが、そのお兄ちゃんが上神先輩を放って置いて夜切君と話をしに行ってしまったことに対して怒りを覚えているそうです。
「む……そういえば綿々後輩はどうしてここにいるのだ?」
「えっと……上神先輩と同じです。(なりゆきですが)夜切君とデートをしにきたんです」
「ほぅ? それでその相手はどこにいるんだ?」
「それも上神先輩と同じ理由で……」
言った途端、上神先輩は顔を覆いました。
「……この遊園地ではデートに来た男が突然いなくなる病気でも流行っているのか?」
「それは流石にないと思いますけど……」
「まぁ、何にしてもデート中に女を放っていなくなるなど信じられんことだな。ちなみに綿々後輩はその相手が好きだったりするのか?」
「え!? いやっ、その……!」
「……綿々後輩は誰かに分かりやすいと言われたことはないか? 耳まで赤くしながら何を言ったところで説得力など皆無だぞ」
「うぅっ、私、そこまで分かりやすいですかね……?」
「かなりな。綿々後輩とは付き合いの短い私でも分かるのだから、その相手にはとっくに好意は伝わっていると私は考えるが?」
「ええっ!?」
夜切君に私の好意が伝わっている……!?
それはつまり、私が夜切君が好きなことがバレているということで……!
「で、でもっ、それなら私に何も言ってこないのはおかしくないですかっ!?」
「男というのは不器用なものだからな。大方、綿々後輩から告白してくるのを待っているのだろう」
「夜切君が私からの告白を待っている……!?」
「男は本当に不器用だ。付き合い始めたら付き合い始めたらで手を出すのは女よりも早いくせにな」
「ここで下ネタは止めてくれません?」




