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そのひゃくきゅうです。

「『綿々兄とちょっと話してくる』……夜切君はお兄ちゃんと一体何の話をしているんでしょう?」


 気になりますが、それなら仕方ありませんね……ベンチにでも座って待ちましょう。

 踵を返し、ベンチに向かうと、私は思わず目を剥きました。

 何故ならそこにはドス黒い瘴気を放つ、長い黒髪をした妖怪らしき存在がベンチに座っていたのですから。

「ひっ……!」

「……死ね……死ねばいい……死んでしまえ……」

 あまりの恐ろしさに私は身をさっと引きました。その妖怪らしき存在は何かブツブツと呪詛のようなものを呟いていました。

 ま、まさか……この人は遊園地か何かに怨みが残った自縛霊なんでしょうか?

「……って、あれ?」

 この声、どこか聞き覚えがあるような……?

 そう、最近聞いたというより……部活動見学の時の……あ。

「もしかして……上神先輩?」

「む……?」

 名前を呼んだことに反応したところを見て、私は確信に至りました。

 やっぱり、そうです。この人は化学部長の上神先輩です。

 一見、美人で優しい先輩に見えますがその実、私と蓮さんを化学部に無理矢理入部させようとした歴がある、かなり破天荒な人です。

「綿々後輩か……どうした? こんなところで?」

「上神先輩こそ、どうしてこんなところにいるんですか?」

「どうしてこんなところに、か……。ははっ、一体私はどうしてこんなところにいるんだろうな…?」

「う、上神先輩? 様子がおかしいですが…?」

 憔悴しているようですし、な、何かあったんでしょうか?

「……のはずだったというのに」

「え?」

「デートの……はずだったというのに……!」

「で、デート?」



「デートのはずだったというのにッ! 奴は! 私を放って、綿々 絹は何をしているというんだああああぁぁぁぁっ!! あの阿呆おおおおぉぉぉぉっ!!」

「な、何かすいませんっ」

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