そのきゅうじゅうきゅうです。
「まさか電車が事故で遅れてしまうとは……」
日曜日。
待ち合わせ時間の9時を過ぎてしまった現時刻、私は待ち合わせ場所に向かって全力で走っていました。
夏実さん、怒っているでしょうか……着いたらすぐに謝らないといけませんね。
しばらくして、待ち合わせ場所の遊園地の入り口付近が見えてきました。人影も見えます。きっと、夏実さんでしょう。
「夏実さんっ。すみません、遅れてしまっ──」
ピタリ、と私の足はそこで止まり、手に持っていた鞄をそのまま地面に落としました。
開いた口は塞がらず、私はただ震える手でその人物の事を指差しました。
「……や、夜切君? ど、どどどどうしてあなたがここに……!?」
「……それはこっちの台詞だ」
その人物とは何と、私服を着こなした夜切君だったのでした。
「わ、私は夏実さんの誘いを受けて、夏実さんとこの遊園地に遊びに……」
「俺は古海からペアチケットを貰って、萬の奴とここに遊びに……」
「え?」
「ん?」
私と夜切君は互いに顔を見合わせます。
……ちょっと待って下さい。
「……夜切君。私、どうにも嫌な予感が」
「……奇遇だな。俺もだ」
そして私達は互いに携帯を取り出し、この場所で会うことになっているはずの人物に電話を掛けます。
数回のコールの後、電話が繋がりました。
「もしもし夏実さ──」
「二人でデート、楽しんできてねーっ!」
プツン。
電話が、切れました。
鞄と同じように携帯が私の手元からするりと溢れ落ちました。
同じようなことを言われたらしい夜切君と再び顔を見合わせ──
「嵌められました……!」
「後で絶対ブン殴ってやる……!」
──私達はようやく自分達が嵌められたことに気づいたのでした。
遊園地デート編、スタートです☆(とてもいい笑顔)




