番外編 そのじゅうよん。
「♪♪♪〜」
僕は鼻歌混じりで帰り道をスキップしていた。
いやぁ、今日は本当にラッキーだ。
商店街で福引きをやってみたら、こんなものが当たったっていうんだから。
握る締めるソレに僕は視線を移す。
最近、新設されたばかりの遊園地のペアチケット……。
これをふわに渡せば、今度の日曜日はふわとデートを出来るってわけだ!
こんなの嬉しくないわけがない……!
「最近はふわに構ってやれてなかったからなぁ……ふわ、きっと喜ぶだろうなぁ……」
おっと、いつの間にか家までたどり着いていたみたいだ。
僕はドアを嬉々として開け、既に帰宅を終えているであろうふわの元へと一直線に向かう。
「ふーわー! いや、マイエンジェールッ!」
「あ、お兄ちゃん。……エンジェルは恥ずかしいから止めて下さい」
ふわは居間でTVを見ていたところだったようだ。
うんうん! 顔を赤らめた姿も可愛いね!
思い付きだったけど、これを見られるならまたそう呼んでもいいかもしれない。
でも今はそれは、置いといて……。
「ふわ! 今週の日曜日に予定はある!? ないよね!?」
「え? ちょっ、ちょっと、いきなりどうしたんですかお兄ちゃん?」
「ないんだよね!? 兎に角答えて!」
「に、日曜日ですか……。はぁ、まぁ……特に何も──」
よぉっしっ!! これで日曜日はふわとキャフフアハハなデートは確て──
「──あ、ごめんなさいお兄ちゃん。日曜日には大事な用事があったんでした」
「………………へ?」
今……ふわは何て……?
「日曜日には用事があるんですお兄ちゃん」
「ヨ、ヨウジ? ハハッ、ナニヲ……」
僕は思わずペアチケットに再度、視線を落とした。
今日は○月12日。今週の日曜日は16日。
そしてチケットの有効期限は──16日。
……僕は天を仰いだ。
そうして、虚ろな目で呟くのだった。
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………オワッタ」




