そのきゅうじゅうさんです。
「それより、お兄ちゃんは手芸部のドアが開かない事について何か知ってます?」
私が尋ねるとああ、とお兄ちゃんが頷きました。
「それは残念だったね。手芸部は今日、お休みなんだ」
「やっぱり……」
ここまで来て、まさかの無駄足とは……。
運がないですね。
「なら、いつならやってるんですか?」
「確か、月曜日と金曜日だったと思うけど……入部する気かい?」
「それはまだ分かりませんよ。とりあえず、見学をしておきたいんです」
「津出川さんもかい?」
「ええ、そうね」
「感心だね。でも、文化部なら他にもあるじゃないか。ほら、化学部とかーー」
「「絶対に嫌です(よ)」」
私と蓮さんの声が同時に重なりました。
あそこに入部するなんて事、とてもじゃないですが考えられません。
「そ、そうか……」
お兄ちゃんの顔は引き攣っていました。
「なら、運動部はどうだい? この学校、面白い部があるんだよ?」
「面白い部活?」
「うん。カバディ部」
「カバディ……部?」
何ですか、それは? そもそも、本当に運動部なのですか?
「運動部だよ。やってることは鬼ごっこだけど」
「鬼ごっこ⁉︎」
変わった部活もあるものだと私は思いました。




