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そのきゅうじゅうにです。

「いや、そんなに見栄を張らなくても……」


 叩かれた手をさすりながら、お兄ちゃんは苦笑いを浮かべます。

 逆に蓮さんは憤怒の表情を浮かべ、拳を握り締めていました。

「見栄なんかじゃないわ! あたしは正真正銘の高校一年生、15歳よ!」

 胸を張り、お兄ちゃんに向かって指を突きつける蓮さん。

 何とも困った顔をするお兄ちゃんに私はボソリと耳打ちをしてあげました。

「……そういう設定らしいですよ、お兄ちゃん」

「……ああ、なるほど」

「聞こえてるのよ、そこぉっ!」

 私の顔に飛んできたハンカチが乗っかりました。

 ……私なりのジョークのつもりだったんですがね。

 どうやら、蓮さんには受けなかったようです。

 頭にきたらしい蓮さんはいつぞやのように学生証を見せつけました。

「見なさい! これが証拠よ!」

「写真と顔が一致している……という事はつまり」

 閃いた、とばかりにお兄ちゃんは指を立てました。

「それはお姉さんのというわけだね!」

「なんでそうなるのよ!」

 今度はお兄ちゃんの顔面に生徒手帳が突き刺さりました。

 あれは、痛いです。

 お兄ちゃんは顔を押さえ、地面をのたうち回りました。

 蓮さんはキッと私を睨みつけてきました。

「あんた達、兄妹って本当にあたしの言う事を信じないわよね!」

「まぁ、子供の言う事ですからね……」

 言うなり、蓮さんに肩を掴まれ、揺さぶられました。

「あんた、あたしに喧嘩売ってるんでしょ! そうなんでしょ⁉︎」

「じょ、ジョークですよっ。ジョークですっ」

「それはまったく面白いジョークね!」

「ほ……褒められました?」

「褒めてないわよーっ‼︎」



 ……少しは落ちつきましょうよ、蓮さん。

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