初めての転移
外は明るくなり、爽やかな光が窓から差し込む。
俺は少し気怠い感じがしつつも、目を覚ました。
身体が少し重い感じだが、気持ちはスッキリしていた。
何故なら・・・ 俺の溜まっていたモノをすっかり吐き出してしまったからだ・・・。
そう思い隣で穏やかに寝息を立てているカーラを見て、昨晩の事を思い出す・・・。
初めての感覚に戸惑いながらも、目を潤ませながら俺を見つめて恥ずかしそうにしているカーラを、何度も欲望の限りに襲いそうになるのを堪えていた。
初めての行為で強引にして嫌われたくないので、俺のテクニックを駆使してカーラをほぐしていた。
ちょっとやり過ぎて本番前に何度か達してしまったようだった。
そして俺は溜まっていたモノを何度か出してスッキリしたのだった。
なんて事を考えていると、カーラが俺を見つめていた。
「お、おはよう」
「おはようございます。マスター・・・」
「どうしたんだ・・・?」
朝の挨拶をするが、ジッと俺を見つめるカーラに思わず声を掛ける。
「マスター・・・」
「な、なんだ?」
「さっき・・・ エッチな事考えてましたね?」
「いや・・・ そんな事ない・・・ よ?」
突然恥ずかしい所を見られてしまって、何故か疑問形になってしまった・・・。
「でも、ニヤニヤしてましたよ?」
「ぅ・・・」
「分かりました。次は私がマスターの全てを出して満足させます!」
なんだか楽しみのような、恐ろしい事のような発言をしたカーラに・・・。
「よろしくお願いします」
「はい!」
と、言ってしまったが大丈夫だろうか?
身支度をすませて、朝食の準備がしてある食堂へ向かった。
そこには俺とカーラ以外の全員が揃っていた。
「おはよう」
「「「おはようございます」」」
どうやら朝食の時間には間に合ったようだった。
まだ調理場からはコックが料理を作っている音が聞こえている。
「少し遅くなったか?」
「いえ、私達も今来た所です」
クリスがそう答える。
いつも思っていたが、これって社交辞令っぽいよね?
まあ、素直なクリスだがら本当だろうけど・・・。
「アキラさんと~ カーラさんは~ 昨晩は~ お楽しみでしたね~♪」
リリアの突然の発言に意味の判った者の顔が真っ赤になっていた・・・。
「某RPGの宿屋の主人みたいに言わないでくれ・・・」
「・・・? 私は~ 城の主人ですよ~?」
「あ~ うん・・・ そうだな」
「そうですよ~。でも~ お約束の言い方では無いのですか~?」
「いえ・・・ 聞いた事ありません・・・」
リリアの疑問にクリスが顔を赤くして答える。
ちなみにアイシャとアマネは意味が判っていないのか、キョトンとしていた。
それよりも、さっきの発言を広めたヤツはどこのどいつだ!
もしかしたら、王宮や貴族が使わないだけで、庶民の間では蔓延している可能性がある。
リリアは冒険者として、世界を回っていた時期があったしな・・・。
実は宿屋協会? では当たり前の事だったりして・・・。
今までの宿屋でも直接では無く、心の中で言われれていたかもしれない・・・。
そう思うと何だが恥ずかしくなってくる・・・。
流石? の俺でも、ここに来るまではDTな体をしていたから、免疫の無い言葉だから敏感に反応してしまう。
それから、リリアが何かを言おうとした所で朝食が運ばれて来た。
雰囲気から察すると、何か恥ずかしくなりそうな話のようだった。
う~ん・・・ いいタイミングだ。
もしかしてメイドさん達には、空気を読む能力があるのかと疑ってしまう絶妙なタイミングだった。
話す機会を失ったので、これで大丈夫だろう・・・ 多分・・・。
朝食も美味しく頂いた俺は満足していた。
落ち着いてゆっくりしていたが、そろそろ帰る事にした。
「そろそろ帰るか?」
「そうですね」
「はい」
それぞれが同意を示すが、リリアはどうするのだろう?
ここに居るのだろうか?
「わたしも~ 一緒に~ 行っていいですか~?」
「別にいいぞ」
「よかったです~ これで~ 久しぶりに~ お買い物ができます~」
「買い物?」
「はい~ 今の~ ファッションとか~ 知りたいですね~」
「なるほど」
そういう女の子らしい所もあるんだな。
「それでは私と一緒にお買い物に行きませんか?」
クリスが買い物に誘っているが、そんな時間あったっけ?
遺跡の調査にも行く準備もあるだろう・・・。
「お願いします~♪」
リリアは楽しみで仕方が無いといった表情をしていた。
う~ん・・・ まあ・・・何とかなるだろう。
とりあえず、流れに任せてみる事にした。
「転移魔法ってどうやって使うんだ?」
俺は魔法を使う前に、方法を聞いた。
間違った使い方をして、『石の中に居る』とかは勘弁して欲しいからな・・・。
「簡単ですよ~ 行きたい場所を~ イメージして~ 魔法を唱えるだけですよ~」
「それだけで大丈夫なのか?」
凄く簡単に言っているが、それが余計に心配になってくる・・・。
「大丈夫ですよマスター」
「ホントに?」
「はい。その為の魔法陣ですから」
「魔法陣?」
「魔法陣がイメージを増幅して、ほぼ正確な位置を特定します。そして転移する場所に何か障害物があると、転移する位置を調整してくれます」
「え!? 何それ!? 超便利機能付き!?」
何だか凄い事を魔法陣がしていた事を知って、素直に驚いてしまった。
それを聞いて少し安心な気がしてきた。
「ですが、その魔法陣を展開するのが難しいです」
「え・・・」
せっかく安心したのに、また突き落すのか・・・。
カーラさん勘弁してくれ・・・。
「魔杖を使えば全く問題ありませんので、心配いりませんよマスター」
「あ・・・ はい」
俺がビビッているのが分かって、からかっているとしか思えない話方だ・・・。
そりゃぁ~ 初めてはビビッてしまうんだよ・・・。
昨日のカーラだって・・・ いや、この話は止めておこう・・・ 長くなりそうだ。
「よし、行くか!」
俺は覚悟を決めて魔法を使う事にした。
周囲にレイ達が集まってくる。
そして紫紺の光を放って杖と同化するカーラ。
別に同化しなくても転移魔法は使えるのだが、最初は手伝ってもらう事にした。
俺は転移する場所を目を閉じてイメージする・・・。
少し前に俺の家となった庭を頭に浮かべる。
最初はぼやけた感じだったが、段々はっきりとしてくる。
『マスター 大丈夫です。転移できます』
頭の中にカーラの声が響く・・・。
そして目を開けると、足元に魔法陣が展開されていた。
「テレポート!」
俺は魔法を唱えた。
ようやく落ち着いてきました。
投稿ペースを上げれるように、頑張っていきたいです。




