食後
食事を終えてまったりとした所で、さっきの続きを話合う。
戦闘をして疲れたのでもっとゆっくりしたいが、このまままったりを続けたら確実に眠くなって、ふかふかの布団に入ってしまいそうだ・・・。
「それで~ アキラさんの~ 聞きたい事ってなんですか~?」
「あ~・・・ そのリリアが持っている杖・・・ って何だろうと思って・・・」
「この杖ですか~?」
「そう。話す事ができる武器とか聞いた事無いし、しかも魔王が使っていたと言うし、でもレイ達とは違っているようだし・・・ 何だろう? ってな・・・」
「う~~~~~ん・・・ 私にもわかりませんね~・・・」
「マスターその杖に聞いてみたら、分かるかもしれませんよ?」
「この杖に? 俺が?」
「マスターしかできないですから・・・」
「・・・」
正直乗り気がしない・・・。
またバチッっとやられる未来しか見えない・・・。
「大丈夫ですよ~ 私も一緒に持ってますから~」
「!? それならイケるか?」
イケそうな気がする。
流石にリリアと俺を一緒にバチッとはしてこないだろう!
「それじゃ~ アキラさんいいですよ~」
そう言って俺の前に杖の頭の部分を向けてきた。
俺は恐る恐る龍の骨の近くを握る・・・。
一瞬・・・
瞳の色が赤から青に変わるがすぐに、元の赤色に戻った。
こいつ・・・ ヤル気だったな・・・。
リリアと一緒に持っていたら、何とか大丈夫なようだった。
『チッ・・・ 兄ちゃん。何が聞きたいんだ? さっさと聞いてオイラを放してくれ』
頭の中に舌打ちの音が聞こえ、その後に不機嫌そうな声が響いてきた。
どうやら俺に持たれるのは相当、嫌なようだった。
俺は別に汚れて無いし、そこまで嫌わなくてもよさそうだが・・・。
『え~っと 心の中で話して聞こえるか?』
『・・・』
『あれ? ダメか?』
『聞こえるよ。それで何?』
『・・・』
すぐに返事をしてくれよ!
一瞬どうしようかと思ったわ!
『兄ちゃん、それも聞こえてるよ・・・』
『・・・。 えーっとアンタはレイ達とは違うのか?』
『直球だね~』
『余計な事は考え無い事にした・・・』
『さあ? どうだろうね? オイラがこの姿になった時には、あの武器は既にあったから分からないね』
『この姿になった?』
『そうさ、オイラは元々この世界を自由に飛び回っていたドラゴンさ!』
『!?』
『オイラがこの世界で遊んでいたら、皆が攻撃してきてさ、もう鬱陶しかったよ!』
『遊んでたって? 何をしたんだ?』
『ちょっと山を壊したり、湖を蒸発させたり、平地に雲と同じ高さの砂山を造ったりしただけだよ? こんなの遊びだろ?』
『・・・そんなのは、遊びの範疇には無い』
『そう? 人間は小さいな~』
『小さいとか・・・』
ツッコミの途中だったが、壊龍の杖は話を続ける。
自分勝手だ・・・
『そんな事はいいけど、オイラが遊んでたら闘神なんてヤツが来て、オイラを殺したんだ!』
『まあ、そうだろう・・・』
俺は素直な感想を思うが、どうやら聞こえていないようで、話を進めていた・・・。
『まあ、オイラは殺されても、10年ぐらいしたら復活するから、特に気にしてなかったんだ・・・』
『じゃあなんで怒ってるんだ?』
『アイツがオイラをこんな姿にしたからだよ!』
今回は返事がきた・・・。
『アイツって? 闘神か?』
『違うよ! 魔神ってヤツだ!』
あれ? 闘神はどこいったんだ?
『闘神はオイラの首を撥ねたら消えちゃったよ』
俺の思った事が伝わり返事がきた。
しかも、自分が殺された状況をサラッと言って・・・。
『闘神の事はいいの! 魔神だよ! オイラが9年ぐらい寝てて暇な時に騙しやがったんだ!』
『もうちょっとで復活の時か・・・』
『そうだよ! でも・・・ 暇だったから、魔神が言った事に引っかかって・・・』
『何て言ったんだ?』
『私と契約を結べばすぐに外に出してやろう・・・ って・・・』
『それで?』
『暇だったから・・・ いいよ って・・・』
『契約って事は条件もあったんだよな?』
『ただ、力を貸せってだけさ・・・』
『それで?』
『そしたら、契約成立だって言って、オイラの魂と力をこの杖に入れたんだよ! 確かに出れたけど、杖の状態で何もできないよ!』
『かなり悪質な詐欺にあった感じだな・・・ ただ、この場合は騙され方もちょっと簡単だよな・・・』
『仕方ないよ! オイラは生まれてから、殆ど他の生物と話した事無かったし、そんな事する人間は知ってたけど、自分が引っ掛かるって思わないよ!』
『あ~・・・ 何かテレビで見た事ある、被害者のセリフだ・・・』
『何? てれびって?・・・ まあいいや』
おもわず呟いてしまうが、テレビという単語が理解できないので、そのままスルーされた。
その方が良かった気がする。
説明してと言われても困るだけだ。
そして、その後も話は続くが、殆どは愚痴ばっかりだった・・・。
割と大事な内容は、元魔王に杖が渡ってからは結構うまくやっていたらしい。
封印されていた時には、最初の10年ぐらいはブチ切れ状態だったが、1000年程寝たらどうでも良くなったらしい。
リリアに渡ってからは、一緒にお風呂に入ってから一生仕えると決めたらしい・・・。
・・・このエロ杖め!
という話を長々と聞かされた俺は、すっかり疲れ果ててしまった・・・。
またまたまた・・・ 遅くなりました。
3月末まで忙しいですが、何とか頑張ります!




