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第9話  旅立ち

旅立ちです!

 朝になり身支度を整え、朝食を食べる。

 ここにはもう戻ってこないので、荷物をまとめて商会の出張所へ向かう。


 俺達がこれから向かう商会とは、商人達をまとめている組織の事で、大陸ごとに別の商会が仕切っている。商会の名前にはその大陸で一番大きな街のの名前が付く事が多い。なのでここミシリア大陸では一番大きな街であるマルトの名前が付いている。


 俺たちは商会に着いて中に入る。

 建物は地方にある小さな郵便局のような造りになっていた。

 入口にイスが4つ置いてあり、カウンターが仕切りのようなっていて、奥で商会の人だと思われる3人が座って何か作業をしていた。

 レイに気付いた男の人がカウンター越しに話しかけてくる。


「これはレーヴさん、今日は何か御用ですか?」

「はい。私の探していた人が見つかったので、旅に出ようと思います」

 レーヴと呼ばれてレイが答える。

 ああそうか! 俺と出会う前はレーヴと名乗っていたのか。まさかレーヴァテインと名乗るわけにもいかないからな。名乗ったとしても、長い名前は言いにくいから、愛称みたいなものかな?


「そうですか。いつ出られるのですか?」

「急なのですが、今日です」

「今日ですか・・・。それは急な事で。別れるのは少し寂しいですが、レーヴさんの目的が達成される事を願っております。もし、旅が急ぎでないのならマルトの商会へお越しください。商会長も喜ぶと思います」

「それは大丈夫です。数日はマルトに滞在してから港前へ向かうので、その間に商会長さんへご挨拶に伺います」

「そうですか、ありがとうございます。では、お気をつけて。また、会える日を楽しみにしております」

 そういってレイに頭を下げる。後ろにいた二人も同じく頭をさげていた。

 二人の会話を聞いていた俺にも「お気を付けて」と三人が頭をさげた。


「ありがとう」

 と言って俺たちは商会を後にした。


 次に武器と防具の店に行って二人分の装備を整える。

 ショートソード2本 1000M

 木の盾2つ 500M

 革のベスト1つ 400M

 皮手袋2つ 200M

 革の靴2つ 300M

 合計 2400M

 残金 600M


 続いて道具屋へ行き回復アイテムを購入する。

 回復薬4つ 200M

 解毒薬2つ 100M

 合計 300M

 残金 300M


 回復薬などのアイテムは回復魔法があるので必要無いと思うが、まだ回復魔法を使った事が無い。いや、まだ使えない。なぜならHPが減らないと回復魔法が使えないシステムなのだ。状態異常の回復魔法も同じで、異常時しか使えない。だからまだ使えるか分からない回復手段に頼るのは危険過ぎる。ゲーム内で死亡した場合はお金やアイテムなどのペナルティを支払って復活できるが、それが通用するかは分からないし試したくもない。死んだらそれまで! という可能性がある。なので一応保険を掛けておいた方がいいだろう。



 全ての買い物が終わって、残金が300Mとなった。次の町であるマルトの宿代が一人150Mなので、計算通りぴったりのお金が残った。

 もし足りないようなら素材アイテムを売ってもいいし、簡単なクエストをやってもいい。まあ、町に着いてすぐにクエストはメンドクサイのでやりたくはないが、お金が無かったら、稼がないと仕方が無い。レイにお金が無いと言ったら、「私の1万Mを使ってください」と言ってきそうだが、それは俺のプライドが傷つきそうだ。男の甲斐性としてレイは俺が養っていきたい。


 必要な買い物を終え村の出口へ向かう。もちろん武器と防具は装備をしている。持ってるだけじゃ効果はないからな。


「よし! リーン村でする事は全部終わったな。マルトへ向かうか!」

「はい!」

 俺達はこの村でする事が無くなったので、次の街へ向かった。



 マルトはリーン村の北西にある。街までは道があるので、迷う可能性は低いだろう。もちろん道中にはモンスターが出るし、マルトに近付くと種類も増えるので注意が必要だ。


 俺はショートソードを袋から取り出して、レイに渡して自分も装備する。

 今回は魔剣に頼らない戦闘をするつもりなので、レイの戦闘能力を見ておきたい。

 準備が整ったのでマルトへ向かって歩き出す。ゲーム内時間で大体5時間程度で着くはずだ。リアル時間では30分ぐらいなので、自分の足で歩くとなると大変だろう。

 現実世界ではそんなに歩く事が無いから、公共交通機関のありがたさが良く分かるな・・・。


 俺とレイは並んで道を歩いている。周囲は草原になっているのでモンスターが現れればすぐに分かる。遠くの方には居るのだが、そこまでいって倒すほどの敵ではない。

 更に少し歩くと・・・。


「ん? レッドスライムだ。レイいけるか?」

「はい 任せてください!」

 しばらく歩くと目の前にレッドスライム1匹が現れた。まず、レイの戦い方が見たいので、彼女に任せてみる。もちろんいつでも助ける準備はしておく。


 ブシュ! ズブブブ


 一撃だった。レッドスライムはまるで相手になっていない。

 そういえばレイのステータスはどうなっているんだ。

 そう思ってレイの方を見るとレイのステータスが頭に浮かんできた。

 力や素早さなどの数値は全て500になっている。最大値は1000なので、この数値はラストダンジョンの超魔王の城でも十分に戦力となる。SSランククエストでは何とか戦える程度だ。大体の無課金者が限界になってくる数値と言ってもいいだろう。

 HPは3000となっていて、レベル通りだったがMPの最大値は無限のマークになっていた。恐らくこのMPが魔剣と同化するのに必要なのだろう。どこまでも溜めれるのは凄いと思うが、逆に俺との行為で、そこまで溜めなければ最大の力を発揮できないという状況があるのだろうか? 

 その事を考えて、普段は力を使わないようにして、強力な敵と戦う時に使用した方が良いだろう。

 いざという時に使えないと意味が無いからな!

レイは強かった!

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