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魔女の城④

思わぬ武器の収穫があったが、本来の目的を忘れてはいけない。

ここに来たのは中庭で使用する『龍殺し』を入手するためだ。

龍殺しは非常にアルコール度数が高い酒で、昔に凶暴な八つ首龍に飲ませて、酔っぱらった所を退治したと云われている。一口飲むとあまりの美味しさに止まらなくなり、酔いつぶれるまで飲んでしまう恐ろしい酒らしい。

一回飲んでみたい気がするが、何かヤバイ成分が含まれていそうで怖い・・・。


実際ゲーム内で使用すると、アルコール中毒のバッドステータスが付いてしまう。魔法では治らず治療院で高い金を払わなければ治療できない永続バッドステータスとなっている。効果は手の震えによって、攻撃のミス率50%アップ、魔法効果50%ダウン、能力値が全て30%ダウンのマイナス効果が大きい。しかし、アルコール摂取時に攻撃力10倍のプラス効果もある。ただマイナスの方が大きいため、初見のプレイヤーか縛りプレイの人しか使用しないアイテムとなっている。

ゲームプレイ中なら飲んでみても良いが、今はゲーム内に実際にいる。そんなマイナス効果は遠慮したい。

目当てのアイテムを手に入れたので、次の目的地である中庭に向かう事にした。



中庭までの道中に、調理場で手に入れた包丁2本の試し斬りをしてみた。

2本共包丁なので、日本刀独特の反りが無い。だから居合抜きはできない。ただ2本共物凄い切れ味を持っていた。今まで使っていた居合刀がペーパーナイフで、この包丁2本がカッターナイフ程の違いがありそうだった。ペーパーナイフで紙を切る時は力を込めて引き裂く感じだが、カッターナイフを使うと軽く引くだけで切れる。しかも、力を込めると切れ過ぎて手や机など余計な物まで切ってしまう事がある。

何だか分かり易いような、分かり難いような例えだが、要は超斬れる包丁(・・・・・・)という事だ。


2本の試し斬りが終わったのでレイとアマネに装備させたいが、レイは魔剣で魔法解除をしてもらっている。なので俺が『マグロせん』・・・ じゃなくて『マグロふね』で、アマネが『マグロ切』を装備した。

何だか・・・ マグロの話をしていると、マグロが食べたくなってきたな・・・ よし! 王都に帰ったら寿司を食べに行こう! 回らない高級寿司を! っていうか回る寿司が無いんだけど・・・。


などと寿司の事を考えていたら中庭に到着した。

中庭には二羽のにわとり・・・ じゃなくて。魔動庭師と魔動犬が出現する。

魔動庭師は庭木などの剪定をしており、魔動犬は庭をうろついたり、芝生で寝転んだりしていたが、俺達を発見すると戦闘態勢に入り襲ってきた。

ただ、クリスとアイシャのレベルアップや、強力な武器を手に入れた俺達は危なげなくモンスターを倒していく。

サクサクと先へ進んで行き花壇の横にある小屋に入って、もう一つのアイテム『魔女の香水』を手に入れた。魔女の香水は様々な薬草やハーブが調合された物で、凄く良い香りがする。名前通りの香水、それだけのアイテムになっている。昔にこの魔女の城で見つかり、今では製造法も発見されて王都で買う事ができるが、物凄く高い・・・。希少な魔法植物などを大量に調合して、極僅かな量しか生産できないためだ。なので購入せずに現地調達するのが良い方法だ。


そして、『魔女の香水』と『龍殺し』を二つ混ぜると・・・ 香水の淡いピンクと酒の深い飴色が混ざって、ドロッとした不快な紫色の『マンドラゴラの眠り』になった。しかも、とても臭い・・・。

このできたアイテムを花壇にあるマンドラゴラにかけると、叫ぶ事無く引き抜く事ができる。


「よし! これで完成だ。マンドラゴラを入手しよう!」

「大丈夫ですか?」

クリスが少し心配そうに声を掛けてきた。

失敗したら全員が気絶してしまい、全滅の危険があるからその心配は分かる・・・。

でも、マンドラゴラは今後のためにも、入手しておきたい魔法植物だ・・・。


「大丈夫ですよ。その薬なら」

「カーラさん・・・ 本当ですか?」

「はい。私は栽培スキルを持っていますから、大丈夫です」

「そうですか・・・ なら大丈夫ですね」

カーラが栽培スキルを持っていたのは知らなかったが、そういえば家を出る前に栽培の事をルーシーと話していたから、スキルを持っているという事なのだろう。


花壇に移動してマンドラゴラを探すが・・・ どれだ?

一杯生えていて判らない・・・。


「カーラさん、どれがマンドラゴラですか?」

「え~っと・・・ コレです」

「ありがとう・・・ って大根みたいですね・・・」

「間違えてそのまま引き抜かないようにしてくださいね♪」

「気を付けます・・・」

見た目が大根に『マンドラゴラの眠り』をかける。

すると、湯気のような白いもやが出てきて様子をみていると、白いもやが『Zzzz・・・』となった・・・。

なんて分かりやすいんだ・・・。


「これで大丈夫です♪」

「そうですか・・・ では! ・・・っと、簡単に抜けたな」

特に力を込めていないが、スポッ! っと簡単に抜けた。

続けてすぐ横のマンドラゴラにも薬をかけてから引き抜く。

5本入手した所で薬が無くなったため、これ以上は取る事ができなくなった。

他の魔法植物も入手して、ここでする事は終わったので、最後の目的地である地下室へ向かう事にした。

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