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魔女の城②

 お宝を目指して城の中を進んで行く。

 クリスに必要なレアアイテムがある、3つの塔の最上階と地下室と中庭にある畑が目的地となる。そして、この城にある超レアアイテムである『紅炎こうえんの杖』を入手する。水龍の神殿にあった龍波の杖と同じく殲滅魔法が使える武器になっているので、手に入れておいて損は無いだろう。


「この先にある塔にまず行こうか」

「「はい」」

 近くにある塔から向かう事にした。

 この塔には『常闇とこやみのローブ』がある。昔にこの城に住んでいた魔女が使用していたと云われている装備の一つになっている。強力な防御魔法がかかっていて、高い魔法防御と物理防御を持つ結構なレア防具となっている。


 塔へ向かう道中や塔を進む最中にもメイドや執事が襲ってくるが、何とか致命傷を負う事無く戦闘をしていく。マコちゃんも後方支援として、水弾攻撃やアイスランスなどを使って攻撃して、なかなか役に立っていた。クリスとアイシャとカーラはレイが魔法を解除しているので大丈夫なのだが、俺とアマネは何回か魔法を喰らって痛い思いをした。だが、喰らうと分かった時に、回復魔法を惜しむことなくガンガン使ってすぐに回復していた。

 だって痛い事はキライです! タンスの角に足の小指をぶつけたとか、冬の凍った水たまりにふざけて乗ったら滑って尾てい骨を強打したとか・・・ どれだけ回復魔法が欲しいと思った事か! ってなんか例えが違う気がしないでもないが?

 まあ、そんな感じで何度か戦闘を繰り返していくと、行動が最適化されて戦闘時間の短縮や攻撃を受けにくくなり、随分と楽になってきた。

 こういうのがレベルアップなのだろうか?

 特にファンファーレとかが鳴っていないからよく分からないが、戦闘が最適化されると無駄な動作が無くなって効率よく行動ができるから、本来はこれがレベルアップという事なのだろう・・・。

 そりゃ何匹かモンスターを倒して、いきなり攻撃力が上がったりするのは不自然だろうしな・・・。


「だんだん戦闘にも慣れてきたからこの調子で行こう」

「そうですね。レベルもさっき上がったようなので少し楽になりましたから、まだまだ大丈夫です!」

「あ・・・ そうなんだ・・・ レベルアップか・・・ うん、それはいいことだ・・・」

「はい! アキラさん達に追いつけるように頑張ります!」

「うん・・・ 頑張って!」

「「はい!」」

 クリスとアイシャは二人ともさっきレベルが上がったようだった。

 レベルアップってあったんだ・・・ まあ、ゲームだしな・・・。

 俺の立てたレベルアップ説って・・・・。



 少し落ち込みながらも塔の最上階へ到着した。

 最上階の部屋は豪華な造りになっており、ゲスト用の寝室といった所なのだろうか? ただ、部屋の真ん中に宝箱が置いてあり、不自然感がハンパないです・・・。

 ゲームの不思議の一つで、一体誰がアイテムを宝箱にしまうのだろうか? もしかして!? しまっちゃうぞおじ・・・・・ いや、きっと小人か何か不思議な人の仕業なのだろう! そうしておこう!


「この箱の中は・・・ あった、あった、宵闇のローブだ。クリスに丁度良いと思うが?」

「装備してみます」

「クリス様、お手伝いします」

「ありがとう、アイシャ」

 クリスはアイシャに手伝われて着替えを済ませた。

 着替えと言ってもローブの下には薄手のワンピースのようなシンプルな服を着ているので、下着になる必要はない。だが、女性の着替えを見ているのも恥ずかしいような気がするので、俺はクリスに背を向けて部屋の調査をしているフリをしていた。

 見たいけど我慢しながら・・・・。


「アキラさん、装備してみました」

「おお! なかなか似合っているんじゃないか?」

「そうですね!」

「お似合いです」

「歴戦の魔法使いのようですね」

 レイとアマネとカーラからの高評価を得て、照れているクリスと満足そうな表情をしているアイシャだった。

 宵闇のローブはシルクのような肌触りで、色は吸い込まれそうな程の深い黒色をしていた。所々に金糸で刺繍が施されていて中々カッコいい。

 クリスに渡した時は少し大きい気がしたが、装備してみるとサイズは丁度良いようだ。もしかしたら自動サイズ調整機能が付いているのかもしれない、なんたってゲームだからな・・・


「よし一つ目の装備を取ったし、次へ向かう前に・・・ っとこれだな」

「それは・・・ 水晶ですか?」

「ああ、赤水晶だな」

「何かに使うんですか?」

「ちょっと、特殊な装備を取るのに必要なんだ」

「そうなのですか」

「へぇ~・・・」

 クリスとカーラは興味深そうに赤水晶を眺めているが、これ単体ではただの赤い水晶にしか見えないだろう。


 俺達はこの調子で他の二つの塔のアイテムも、難なく入手した。

 一つは魔女が使用したと云われる帽子で『宵闇の帽子』だった。見た目はローブと同じ感じだが、効果は全属性の魔法攻撃1.3倍の効果とMP回復速度微増の中々重宝する効果となっている。

 もう一つは、これも魔女が使用したと云われる物で『ユグドラシルの杖』だった。俗に云う世界樹と呼ばれている木を材料にしているらしい。本当に世界樹かどうかは知らないが、効果は全属性の魔法攻撃2.0倍の効果を持っていて帽子と合わせると効果はかなり上がる。見た目は頑丈そうな木の杖に七色に輝く魔石が1つ付いているだけのシンプルなデザインとなっている。一つの魔石で全属性に効果があるので、きっと凄い物なのだろう。

 そして、最初の塔と同じように緑水晶と青水晶を手に入れた。

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