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美女と並男・・・

 見慣れた二人が、いつもと違う服を着て、髪型を変えて化粧をすると、普段の3倍ほど美人に見えた。まるで赤いMSの性能だな・・・。


 レイはイエローをベースとしたドレスに、俺が買った髪飾りをしている。可愛さが残るものの大人の綺麗さが際立っていて美しい。

 アマネはグリーンをベースとしたドレスで、ティアラを付けて髪を下している。スタイルの良さがよく分かるドレスだが、いやらしさは無く綺麗に見せるドレスとなっており美しい。


「二人とも、よく似合っているよ! 綺麗だ・・・」

「「ありがとうございます」」

 俺の言葉にレイとアマネは照れたように、頬を赤めてニコッと笑った。


「それでは会場へご案内いたします。アキラ様はお嬢様のお二人をエスコートしてください」

「え・・・ エスコート?」

「はい」

 エスコート何てどうすればいいんだ?

 そんな知識はないぞ・・・

 え~っと、とりあえず・・・


「お嬢様、行きましょう」

 そう言って二人の前に手を差し出した。


「「はい・・・」」

 レイとアマネの二人はその手に、軽く手を乗せて立ち上がる。

 そして、俺が腰ぐらいまで上げた手に、二人は軽く自分達の手を添える。

 メイドはそれを確認すると、扉を開ける。


「では、こちらへ」

 案内を始めたので、このやり方で良かったようだ。たぶん・・・


 廊下を歩く俺は完全に両手に花状態だったのだろう。

 途中ですれ違う貴族が足を止めて、レイとアマネを見ている。

 俺は目に入っていないようで、視線を何も感じなかった。

 別にイケメンでは無く標準的な顔だと思っているが、完全に無視は寂しい気がするな・・・。


「こちらになります」

 メイドが案内した先には大きめの扉があり、その前には騎士が立っていた。

 案内をしてきたメイドが横に下がると、騎士は扉を開ける。この騎士達もレイとアマネの方をチラチラ見ながら業務をこなしていた。俺の方を見た時には、視線がキツクなった気がしたが、気のせいだろうか・・・。


 部屋の中に入ると大きな広間になっていて、丸型のテーブルがいくつも並べられていた。料理は一つの大きなテーブルに沢山乗っている事からビュッフェ形式の食事のようだ。


 中には何人か人がいて、ライアス一家やバルサとカイトもいた。

 バルサの横には優雅なドレスを着ているマダムがいるから奥さんなのだろう。カイトは騎士の恰好では無く、俺と同じように燕尾服を着ているから、貴族として参加しているようだ。

 他にも何人かいるが、俺は知らない人ばかりだった。



「おお! アキラ殿・・・・ は~~ これは・・・ なるほど・・・」

 ライアスは俺達を見て驚いているようだった。何がなるほどなんだか・・・


「アキラ殿、似合っていますよ。レイ殿とアマネ殿はお美しいですね」

 ミラルダは俺達を褒めてくれる。


「お兄ちゃんカッコいい! お姉ちゃん達は綺麗!」

 マリアはレイとアマネに抱き着いて褒めてくれた。

 俺の事もやっと褒めてくれる人に出会えて少し気分が良くなった。単純だな・・・ オレ・・・。

 このやり取りで周りの人達も、俺達三人に気付いて視線が集まる。

 何だか視線が多くて落ち着かないな・・・。


 バタン・・・


「国王様がお見えです」

 執事がそう言うと俺達が入ってきた扉とは違う、部屋の奥に見える豪華な扉から国王と王妃とクリスとアイシャが入ってきた。

 全員がさっきまでの服装と違い、それぞれの個性を出した衣装になっていた。アイシャも騎士では無くドレスを着ていた。クリスの肩には相変わらずマコちゃんが乗っている。その姿に慣れてきたせいか、違和感が薄くなった気がしてきた・・・。

 国王達三人と一匹は一段高い所に上がり、アイシャはその下で控えていた。


「この宴はクリスとアイシャの無事の帰還と、アキラ殿とレイ殿とアマネ殿の出会いにを祝いたいと思う。今回はささやかだが、無礼講で楽しんで欲しい・・・」

「・・・」

 クラウスの挨拶に全員が無言で一礼をしたので、俺達三人も真似をする。

 すると、メイドや執事が飲み物を持って参加者に配り始める。


「では、初めてくれ。乾杯!」

 全員にグラスがいきわたると、開始の宣言をした。

 周りの人達がクラウスの方へグラスを差し出して、飲んでいたので真似をして飲んだ。

 すきっ腹だと飲み物が入って行くのがよくわかる。しかも、アルコールなので余計だろう・・・。


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