表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/103

占い

 冒険者ギルドを出た俺達は装備を整えるために、武器と防具屋に入って行った。

 ちなみにモンスターの報酬はたいして出なかった・・・。そんなに倒してないしから仕方が無いな。


 この店にはドラゴンの鱗を使った防具が売っている。防御力が高くて、ブレスなどの攻撃にも気休め程度だが、耐性をもっていて、そこそこ優秀な防具になっている。

 武器は『太刀(真打)』『居合刀』が売られている。他にもゴツイ両手剣なんかも売られているが、俺は片手剣や太刀をよく好んで使っていたので、両手剣はあまり買わない。


 全員分のドラゴン防具一式と太刀(真打)2本と俺用に居合刀を1本買った。居合刀には固有スキルの『居合抜き』がある。もちろん俺の能力値で使えば神速の抜刀術になるはずだ。使う時が楽しみだな!

 装備の総額は約300万Mだったが、カジノで儲けていたので、まだまだ余裕がある。


 次に行く場所だが、オークション会場で掘り出し物を見てもいいのだが、今一番欲しいMP消費減少の指輪は、次の魔女の城で手に入るから急ぎで買う必要がない。だから街をぶらついて宿を探したりする事にした。



 宿を取るために歩いていると、一つの建物に行列ができていた。


「なんだあの行列は? おいしいパンが焼き上がる時間とかか?」

「確かにおいしいパンは、並んででも買いたいですね!」

「私が買ってきましょうか?」

「いや、アマネ! パン屋というのは冗談だ。看板には占い屋と書いてあるだろう?」

「あ! すみません! 看板を見ていませんでした!」

 真剣に聞いてきたアマネが、恥ずかしそうにしている。看板だけじゃなくても、出て来る人達は何も持って無いじゃないか。やっぱりちょっと抜けているアマネは可愛いな!


「もしかしたら、あそこがクリスが言っていた、カーラがやっている占い屋かもしれないな・・・」

「そうですね、よく当たると評判になれば、行列ができてもおかしくないですね」

「試しに一回行ってみるか! この大陸にある魔武器の場所でも分かればラッキーだしな!」

「そうですね!」

「占いに興味があります」

 レイとアマネも賛成のようなので、行列に並んで待つことにした。

 30分程待つと俺達の順番が回ってきた。



「次の方どうぞ」

「お邪魔します」

 呼ばれて中に入ると、いかにも魔法使といった感じの三角の帽子を被っていて、全身が黒のローブを着ている人が水晶玉の前に座っていた。顔は帽子のつばで見えないが、濃い紫色の長い髪が印象的だった。声からして女性だろう。

 どこかで見た事あるような気がするが思い出せなかった。


「どうぞお座りください」

「失礼します」

 彼女の前にあるイスに座ると、口元が見えた。

 美人そうで、年も若そうだ。


「今日はどうしました?」

「ちょっと探し物がありまして・・・」

「ああ! 彼女達へのプレゼントですね! それならここに良い壺がありまして、何でも徳の高い神官が・・・・」

「どこの霊感商法だ!」

「ハハハハ、冗談ですよ! アキラさん!」

「いきなりだから、ビックリし・・・・・ 何で名前知ってるんだ?」

「それは私が占い師だからです・・・」

「ほんとに?」

「本当ですよ。では証拠に今から私が3つ数字を数えます。そして3と言った時に鐘が鳴りますので聞いてください。いきますよ、1・・・2・・・3!」


 カラーン カラーン カラーン ・・・・

 外で夕方を告げる鐘の音が鳴り響いていた。


「おおー! パチパチパチパチ」

「口で拍手をしないでください・・・・ 一応私の得意技ですから・・・」

「すまないな・・・ それで、俺達の探し物はどこにあるのだろう?」

「正確な場所を教えたいのですが、一つ私の依頼を受けてもらえますか?」

「依頼?」

「はい。アキラさん達しかできない事です」

「俺達しか? どんな事だ?」

「貴方達が次に向かうダンジョン、魔女の城へ連れて行ってください」

「これも占いか?」

「いえ、これはマイアさんから聞きました。アイシャさんに頼まれてダンジョンに入ると・・・」

「なるほど・・・ じゃあ、キミがカーラなのか?」

「あれ? 気付いていなかったんですか?」

「何となく思っていたが、クリス達からは恰好とか何も聞いて無かったから、確信は持てなかったな」

「そうですか、では改めて私が魔法使いで占い師で研究者のカーラです。今後ともよろしくお願いします」

 そう言って帽子を脱いでお辞儀をした。かなりの美人さんだった。


「今後は、分からないがよろしくな」

「イジワルですね、アキラさんは・・・。ところで私の依頼は・・・・」

「あ~ 俺は別に良いんだが、アイシャがオッケーと言うかどうかだな・・・」

「大丈夫です! アイシャさんなら了承してくれます。 ・・・いえ、してみせます!」

「まあ、頑張ってくれ」

「はい!」

 まあ、アイシャだったらダメとは言わないだろうから、一緒に行く事になるかな?


「では、アキラさん今日はここまでで終わりにしましょう。私は大体研究所か、ここで占いをしていますので、用事があれば来てください」

「明日とかは忙しそうだから無理だけどな」

「そうですね! 明日と明後日は忙しいみたいですね・・・ しかも、女難の相が出ていますよ!」

『女難の相が出ていますよ』 ニコッ(笑)とされても、俺は笑えないのだが・・・。


「それは占いか?」

「かなりの確率で遭遇しますね!」

「そうか・・・ 気を付けるよ」

「はい、頑張ってください。レイさんにアマネさんも、また会いましょう」

 占い? が終わった俺達は建物の外に出た。

 薄暗くなってきていたため、近くの宿に泊まる事にした。

 宿は中の上といった所だろう。夕食を食べて、風呂に入り、二人との行為の最中にふと頭に浮かぶ「もしかして、この二人に嫌われるとかは無いよな?」いやいや、それはないだろう・・・ と自分に言い聞かせて、最後まで楽しんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ