第48話 ビッグブリッジ・・・・
大きな橋→ビッグブリッジ→ギル○メッシュの脳内変換です・・・。
俺達の目の前には大きな橋があった・・・・。
幅は約10メートル程ある。しかも、向こう岸は全く見えない程遠い。正にビッグブリッジだ!
俺の頭の中では、かの有名な神曲がリピート再生されている。「チャチャチャチャーチャ・・・・・・・・・」 うん! いい曲だ!
このゲームにもBGMがあるのだが、いつもプレイ中に神曲が頭の中に流れていた・・・。
「ご主人様! 何か嬉しそうですね!」
「ん? ああ! ちょっとな!」
どうやら表情に出ていたようだな・・・。
「じゃあ 行くか!」
気持ちを切り替えた、俺の号令に全員が頷き橋を進んで行く。
「アキラさんこの橋が、いつ頃造られたか知っていますか?」
「いや・・・ 分からないな」
「♪ この橋はですね・・・・」
あれ? これはもしかして、クリスの考古学講座が開かれるのか?
「およそ700年前に造られたんです。ここの海域は海流が早くて強力なモンスターが多かったので、時の国王が橋の建造を命令したそうです。当初は橋の建造に大工さん達が漁師さんの助けを借りて作業をしていたのですが、早い海流やモンスターに邪魔をされて殆ど工事が進まなかったらしいです。5年掛かっても工事が全く進まなかったため、国王は断念しようとした時に、旅の魔法使いが橋の建造を手伝ったそうです。その魔法使いは、誰も知らない魔法を使って石を加工して、橋の形に組み上げて、わずか1か月で橋を完成させました。国王は驚いて、その魔法使いにどんな報酬でも与えると言ったそうですが、その魔法使いは、ただ北に行くついでに橋を架けただけなので報酬はいらないと断ったそうです。国王はその魔法使いに名前だけでも教えて欲しいと聞くと『リリア』と名乗って。北へ向かったということです。なのでこの橋は『リリア大橋』と名前がついたそうです!」
「そ そうなのか・・・」
な 長い話だった・・・。もしかして、このままずっと続くのか?
「モンスターです!」
「よし! 俺が行こう!」
良いタイミングだ! レイが注意を呼び掛けたので、俺は現れた鬼ガニを倒すために、わざと接近戦を仕掛けて5回斬って倒した。
少し時間を空けると話の続きは、こないと思ったのだが・・・・・。
「あとですね・・・・・・・」
どうやら、話を中断しても無意味のようだ・・・・。
この後のクリスの話を纏めると、この橋の石には特殊な魔法が掛かっていて、風化や波の浸食から守っているらしい。なので700年も傷まずに現状を保っているらしい。
簡単に言うとこうなのだが、クリスは注釈や考察を混ぜて説明してくるので、話が長くなってしまうようだ。
アイシャは普段クリスの話を聞いていて、苦労が判るのだろう俺に「大変ですね・・・」という目を向けている。
レイとアマネは俺と一緒に話を聞いているが、特に何も言う訳でもなく相槌を打つだけになっている。
聞き流しているのか、知っている内容なのか判らないが・・・。
クリスの話を聞いていると、橋の休憩地が見えてきた。橋の上で敵があまり出てこないのは楽でいいのだが、クリス先生の講習が長くなるので大変だ・・・・。
クリス先生の講習が終わって、休憩地に到着する。看板には橋の町『ブリッジ』と書いてあった。そのままだな・・・。
休憩地の所は橋の幅が倍ぐらいになっていて結構広く感じる。
休憩地に到着して、まずする事は今日の宿を確保する事だな。
宿屋が建ち並ぶ所に来て、良さそうな宿を探す。
「あれ? あそこは・・・ 『バルガスの宿』って書いてあるのだが・・・・」
「そうですね・・・」
まさかあのバルガスが宿をしているのか?
同じ名前をしているだけだろう・・・。
「お! アキラじゃないか!」
「バルガスさん! ここってもしかして・・・・」
「ああ! 俺の宿だ!」
やっぱりそうだった・・・。
「もしかして、用事って・・・。宿をやる事ですか?」
「まあ、そんな所だな! 俺の連れにどこかで、家が余ってないか聞きにいったら、丁度ここが空いていたんだ。だから、今日からオープンしているのさ!」
「そうだったんですか。オープンおめでとうございます!」
今日オープンとは、タイミングがいいな・・・。
「ああ! ありがとう! ところで、お前たちは泊まる所は決まったのか?」
「いえ、今来た所なのでまだです・・・」
「じゃあ、泊まってけ! 格安にしとくぞ!」
「では、お願いします! あと値段は通常でいいですよ?」
「いいから気にするな! オープン価格だ! ハハハハ・・・」
いきなり泊まる所が見つかった、知り合いだし、気兼ね無く泊まれていいだろう。
「それにしても、アキラ達はこっちに来るのが早かったな・・・。 クリスお嬢の調査は終わったのか?」
「ルスンの町の問題はアキラさんのお蔭で、解決しました。遺跡の調査はもう少ししてから、また向かいます」
「へぇ~ そうなのか。アキラはダンジョンの探索は終わったのか?」
「俺は半日で終わりました」
「半日!? あのダンジョンを!? 流石というか・・・ 何というか・・・」
バルガスは驚いているようだが、終わったものは仕方が無いじゃないか。
「そういえば、メルキアに伝わっているか判らないが、今この橋は通行止めになっているんだ・・・」
「え!?」
どういう事だ!? 橋が通行止めって?
クリスさんはスゴイ勉強してますね~・・・。




