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第42話  顔合わせ

ニヤニヤが止まらない!

 日が昇り明るくなってから、目を覚ました。

 俺の右側にはレイが、左側にはアマネが眠っている。

 ヤバイ! ニヤニヤが止まらない!


「おはようございます。ご主人様・・・」

「主様・・・ おはようございます」

「おはよう! レイ アマネ・・・」

 急に声を掛けられてビクッ!となってしまったが、平静を装って朝の挨拶を交わした。

 起きた俺達は身支度を整える。

 着替える二人を見て、またニヤついているのが自分でもわかる・・・。二人の反対側を向いて、気持ちを頑張って! 切り替えた。

 身支度が終わり、朝食を食べに行く。


 ここはビュッフェ形式だったので、適当に皿に取って食べた。

 いつも思うのだが、ビュッフェでの料理の取り方って難しいよな?

 綺麗に並べて色々取りたいと思うと、少し物足りない感じになって、何度も取りに行くのが面倒になる。だからと言って、がっつり一杯取ると、見た目が悪くなって、更に配分を間違えて色々食べる前にお腹が一杯になる・・・。

 俺は少し苦手だな。まだコース料理の方がいいな・・・。

 そうは言っても結局たっぷり、がっつり食べてしまうのだがな!

 朝食に満足した俺達はチェックアウトをするためにフロントへ向かった。


 宿を出て最初に向かうのは、アマネの装備を買いに行く事だな。

 いくら装備が要らないといっても、薄着で敵の攻撃を弾いていたら不審に思われてしまう。

 なるべく、注目を集めない方が動きやすいからな。

 少し手遅れのような気がするが・・・。



 防具屋に行って買うのは、マジックゴールドの胸当てなどの軽装備だ。防御力が関係ないのなら、動きを阻害しない物を選んだ方が良いだろう。一通りの防具を選んで装備すると、袴姿と相成って凄腕の女武士といった感じになった。

 凛々しくて恰好良い!


 次に武器屋へ向かう。

 神殿で手に入れた、水の太刀があるのだが、属性を持っているので使いづらい時がある。なので無属性の武器を普段は使用する事にする。

 俺達は能力値が高いので、弱い武器でも魔武器のガーディアン以外の敵なら、そこそこ戦えるからな。

 だからと言ってレーヴァテインを使うと見た目はボロイので、強さを疑われそうだし・・・ アマノムラクモを使うと見た目が豪華だから、目立ちそうで気を使う・・・。

 なかなか難しいな!

 俺達と同じ太刀があったので購入する事にした。

 アマネの姿と良く似合っていて、見とれてしまいそうだ・・・。

 そんな事をしたら、レイに焼きもちを妬かれてしまうかな? それはそれで嬉しい気がするが・・・。


 装備を整えた俺達はクリス達が居る、貴族の屋敷へ向かった。

 昨日、騎士に連絡をしてもらったはずなので、すんなり会えるだろう。



「おはようございます。アキラさん レイさん アマネさん」

「おはよう」

「「おはようございます」」

 まだ会った事無い騎士だったが、アマネの事を知っていた。昨日の内に連絡が回っていたのだろう。


「クリス様とアイシャ様の元へ案内いたします」

「よろしく頼む」

 俺達は騎士の案内で、応接室へ入った。

 しばらくして、クリスとアイシャと、知らないおじさんが入ってきた。


「アキラさん レイさん おはようございます」

「おはよう」

「おはようございます」

「こちらの方が、神殿におられたアマネさんですね?」

「はい アマネと申します。クリスさん アイシャさん よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします。王都まで一緒に旅をしますので、お世話になります」

「クリス・・・ そっちの人は?」

「あ! これは失礼しました。この方はこの町を新しく治める事になった、ライズ・マグリッドさんです」

「初めまして、アキラさん レイさん アマネさん。私はライズ・マグリッドです。この度は、クリス様をお助けいただき感謝いたします」

「いえ、たまたま居合わせただけなので、気にしないでください」

 紹介されたライズは、頭が薄くて少し腹が出ている部長さんみたいな感じだ。

 あくまで俺のイメージだから、実際の部長さんはそんな人ばかりでは無いが・・・。


「ライズさんは、私の先生だったんです。昔からお世話になりっぱなしです」

「そうだったんですか」

「はい、クリス様が初等部の頃に教師をしていました。その頃からも色々と無茶をする事がありまして、今回の事も突然クリス様から手紙が来て、この町へ来てくださいと依頼されましたから・・・」

「先生にはいつも助けられています!」

 ずいぶんと苦労してきたのだろう・・・。今回の件も遺跡調査が、悪者退治になったからな。

 クリスの無茶が色々できるのは、彼女の魅力と周りには良い人が多いのだろうな。

 いくら王女という立場があっても、人を引き付ける力が無いと、ただの我儘になってしまうからな。

 無茶振りを笑って本人の前で話せるのは良い事だ。



「俺達は神殿の探索が終わったんだが、クリス達はもう少し掛かるよな?」

「私達も、もう終わりました。いつでも旅に出れます」

「え!? そうなのか? 早いな・・・」

「それは私達も同じ感想なのですが・・・」

「それもそうか! 半日で攻略したしな・・・ あ! そういえば、お土産があったんだ!」

「お土産ですか?」

「ああ ちょっと待ってくれ・・・ これだ!」

「こ これは・・・ 見事な装飾の太刀ですね・・・」

「水龍の太刀という物だな。祭壇に祭られていた物だ」

「こんな物。いいのですか?」

「全然大丈夫だ。儀式刀のようだから俺達には必要無いしな」

「そうなんですか・・・ ありがとうございます! では、これはライズさんに贈ってください」

「私が頂いてもいいのですか?」

「はい! 先生にはいつも、お世話になっていますから。これがあれば少しは先生の研究に役立てると思うので・・・」

「それでは、ライズさんどうぞ」

「はい アキラさんありがとうございます。 確かに、これは見事な太刀ですな~・・・・ あっ! すみません、続きは後でじっくりと自室で調べてみます!」

 剣を貰ったライズさんは嬉しそうに笑っていた。

 それを見ていたクリスとアイシャも嬉しそうだった。

お土産はライズの物になりました。

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