第40話 剣から女の子が・・・・
『神刀アマノムラクモノツルギ』ゲットだぜ!
目の前には細かな装飾が施された見事な蒼い太刀が浮いている。
「レイ もう大丈夫だな?」
「はい! 流石ご主人様です!」
「いや・・・ 今回は危なかった・・・」
「私はご主人様を信じていましたから!」
「そうか・・・ ありがとう」
信頼されるのは重荷にもなるが、前に進む力になる事もある。
この信頼を裏切らないように頑張ろう。
レイが剣から分離して俺の横に現れた。
俺はレイの頭をナデナデして「ありがとう」ともう一回言った。
レイも嬉しそうに「はい!」と答えた。
浮いていた剣を取る。
俺の手には『神刀アマノムラクモノツルギ』が握られている。
刀身を見るために鞘から剣を抜いていく。
抜ききると、鞘が水の様に消えていく。納めるときはどうするのだ?と思うと手には鞘が現れる。なかなか便利だな。
抜いた刀身を見ると、水の様に透き通って向こう側が見える程で美しい。
柄の部分も蒼い宝石が散りばめてあり、鍔にも龍の模様が描かれている。
「レーヴァテインもそうだが、このアマノムラクモノツルギも綺麗な剣だな・・・」
「ありがとうございます!」
「!?」
「ありがとうございます・・・ 主様」
「え!? 誰?」
「私です。 アマノムラクモです」
「あ~! この剣か・・・ え・・・」
「主様 失礼します・・・」
持っている神刀が蒼く輝く・・・
光が収まると、俺の目の前には一人の女性が立っていた。
女性は袴姿で、濃い青色の長髪を後ろで束ねている。身長は俺より少し低いぐらいで、出る所は出て引っ込む所は引っ込む。いわゆるボンキュボンってやつだ・・・ ちょっと表現が古いか?
顔立ちは、日本女性の美しさが現れていて、かなりの美人さんだ。
ポニテ美人で袴姿の女性が俺に跪く。
「主様 初めまして。アマノムラクモと申します」
「ああ・・・ 初めまして・・・ え~と やっぱり名前は付けた方がいいんだよな?」
「はい ポチでもタマでも構いません。主様のお好きなようにお呼びください」
「いやいや そんな犬や猫みたいな名前は付けないぞ! ちょっと考えるから待ってくれ・・・」
「はい」
どうしようかな~。 凄い忠義に厚そうな娘だし・・・ ハチ! それは犬だよな・・・
ミケ! も猫だよな・・・ ネコか、ネコミミを付けて「主様・・・ 一杯可愛がってニャン!」とか言われると! 萌える!
いやいや! 落ち着け俺! こんな美人さんをコスプレさせるのは、後で考えよう!
とりあえずは名前だ・・・ 天叢雲剣だよな~ この娘は声もキレイだから・・・ 天音!
そうだ! 『アマネ』にするか!
「よし! 決まったぞ・・・ アマネだ」
「わかりました。私は今日から『アマネダ』ですね!」
「ちょっと待った! アマネダじゃなくて『ア マ ネ』」
「す すみません・・・ 『アマネ』ですね」
「そう! よろしくな」
「はい! よろしくお願いします。レーヴァテインもよろしく」
「レイです・・・ アマネさん よろしく」
「これは失礼を。レイさん よろしく」
もしかして少し天然さんか? もう少し様子を見てから結論をだすか・・・。
これでとりあえず一段落かな?
と思ったが、俺の手に握られていた『アマノムラクモノツルギ』は水龍の太刀によく似た綺麗な太刀に見える。レーヴァテインのようにボロボロでは無い。
「なあアマネ、この剣はボロボロじゃないんだな?」
「え? ボロボロですか? その剣は余程の事が無い限り傷は付かないと思いますが?」
「そうなんだが・・・ レーヴァテインは ホラ!」
「え!? これは・・・ レイさん! 貴方の力は完全ではありませんね? もしかしたら封印の力が残っているのかも・・・。 主様、封印はどうやって解かれました?」
「俺は解いていない・・・」
「私は何故だかミシリア大陸のリーン村の傍に立っていました・・・」
「主様が解いていない!? それならば私達を使う事ができないはずなのに・・・ 何故?」
そうだよな~ 封印を解いた者にしか使えないのは当然だよな・・・。
でも一応リアル世界では、一度レーヴァテインを手に入れたんだよな・・・ データが飛んだけど・・・。もしかして、それの影響か?
だがそんな事を説明しても、分からないだろうし、説明するのも面倒だ。
「そこは今悩んでも結論は出ないだろう? だったら、俺はレイとアマネと一緒に戦える。今はそれでいいんじゃないか?」
「はい! ご主人様!」
「はい 主様」
一先ずは納得してくれたようだ。
最後に一番重要な事を確認しておかなければならない・・・
「なあアマネ・・・ 剣と同化するのはどれぐらいできるんだ?」
「今のままでは半日程です・・・」
「時間を延ばす方法は?」
「え・・・っと・・・ 主様の寵愛を受ければ大丈夫です・・・」
恥ずかしそうに、アマネが答える。 カワイイな!
やっぱりそうか! 思わずガッツポーズをしそうになるのを堪える。
「なるほど・・・ わかった。 今日から頑張ろう!」
「はい 初めてなのでよろしくお願いします・・・」
「ご主人様! 私もさっきの戦闘であまり力が残って無いので・・・」
「大丈夫だ! 二人とも俺に任せておけ!」
アマネに対抗してかレイも俺を求めてきた!
これは正しく男の夢! ハーレムルートだ!!
親方! 空か・・・ 剣から女の子が! ってな感じですね!
ヒロインが二人いるという事は!? 夢のルートへ突入します!




