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第39話  神殿のガーディアン

あとは魔武器の探索です。

 この龍波りゅうはの杖は装備した時に限り特殊な魔法を使うことができる。それは通常の魔法と違い敵だけを殲滅する非常に強力な魔法になっている。

 使える魔法は『タイダルウェイブ』大きな津波を発生させて敵全てを飲み込んでしまう魔法だ。某有名RPGで召喚される龍が使う魔法だな。


「とりあえず、欲しい杖は取ったけど、魔武器はどこにあるんだ?」

「この下から力を感じます・・・」

「下? 俺が知る限りでは、ここが最下層だったんだが・・・。どこかに隠し通路があるのか?」

「私にも分かりません・・・ 力を感じるだけなので・・・」

「そうだよな~ この部屋から探してみるか!」

「はい!」

 部屋の壁をぐるっと回って見てみるが特に何も無い。

 天井見るが何も無い。

 床も見るが何も無い。


「ここじゃないのか・・・?」

「何も無いですね・・・」

「魔法陣を使わずに、最下層まで行ってみるか・・・」

「はい!」

 この部屋には何も無かったので元の所へ戻るために、転移してきた小部屋に戻る。

 転移魔法陣に入ろうとしたら、正面の壁に龍の紋章が刻まれており、その下に長細い穴が空いていた。


「これは・・・ 何か入れるのか?」

「そのようですね」

「この形からすると、片刃の剣のようだな・・・」

「恐らく・・・ 先ほど手に入れた水龍の太刀ではないでしょうか?」

「おお! そうかもしれないな!」

 袋から剣を取り出して、穴に差し込んだ・・・・・・・・・?


「あれ? 何も起きないぞ?」

「? そうですね・・・ 少しいいですか?」

「ああ・・・」

 俺が下がって、レイが剣を掴んだ瞬間に剣が青く輝きだした。

 足元に魔法陣が現れて俺とレイを強制的にどこかへ転送した。



 転送されたのは大きな部屋の中心だった。

 奥の方には大きな龍の石像が見える。これがこの神殿の御神体なのだろうか。

 石像に近付いて行くとまるで生きているかのような、見事な造りをしている。龍の形は蛇のような長い胴体をしたものだ。そして、龍の口には見事な装飾を施された青い太刀が浮いている。


神刀しんとうアマノムラクモノツルギ・・・・・」

「あれがそうなのか?」

「・・・・はい」

「そうか・・・ あれが・・・ そういえば、ガーディアンがいるんだよな?」

「はい・・・」


『神の力の一端を求めし者よ! 力を求めるならば証を見せよ! 強き力を! 強き心を!』


 頭に響いた声が途絶えると、龍の口にあった太刀が青い玉となって、口の中へ消えた。

 龍の目が蒼く輝くと、物凄い威圧感を纏って動き出した。

 そして、目の前には『水神龍すいじんりゅう』が現れた。

 水神龍すいじんりゅうは俺の知らないモンスターだ、

 SSクエストの龍の聖地に出て来る、水龍とは違うのだろう。神と付いているからな・・・。

 超強そうだ・・・。


「レイ! 全力で行くぞ!」

「はい!」

 魔剣を構えて、レイが融合する。

 補助魔法を掛けまくって、白い全力の炎を纏わせて斬りかかる!


 ガギィィィン!

 鱗が固く刃が少し食い込んだ所で止まる。


「な!? 斬れない!?」

 しかも、剣が当たる直前に炎が打ち消された気がした・・・。


「ご主人様! この鱗は炎が効きません!」

「やっぱりか!」

 攻撃手段を考えるために、一旦後ろに下がるが龍の口がこっちを向いた。


「ガォォォォォ!」

 龍の咆哮だ!

 音の衝撃波が全身を貫く!

 身体が委縮して動きが止まる。


 ヤバイ!

 一瞬の硬直だが、強敵相手では命取りだ。

 目の前には龍の尻尾が迫る・・・


 ガキィン!

 直撃の寸前で硬直が解けて、なんとか剣で受ける事が出来た。

 だが、尻尾の一撃は強力で床をゴロゴロと転がる。

 転がり中に回復魔法を掛けて、素早く立ち上がり次の攻撃に備えた。

 しかし、龍の追撃は無く様子を見ているようだ。


『ライトニングプラズマ!』

 雷系上級魔法を放つ。

 多少はダメージが通るだろう。


 魔法を放った瞬間に龍の目が蒼く光る。

 龍の前に水の壁が現れて、魔法を遮る・・・ だが、全てを受けきれずに龍の身体にも雷が当たる。


「ダメージは通ったのか? ピンピンしているのだが・・・」

「殆ど水の壁で防がれたので、それ程ダメージは無いと思います」

「そうだよな・・・ 何だこの強さは!」

 どうしようかと考えていると、龍の目が輝く。

 龍の周囲に大きな水の塊が複数出現する。

 そして、凄い速さで俺に向かって飛んでくる。


『アースウォール』

 魔法で作った土の壁を5枚出現させる。


 ドン!ドン!ドン!・・・・・・

 壁に水の塊が当たり大きな音を立てている。 

 だんだん音が大きくなるので、壁が壊されているようだ。

 このまま居てもやられるだけなので、壁の左側から飛び出して剣の炎を飛ばす。

 当たるとは思って無い! 少し気をそらせればいいと、龍の真正面に炎が飛んでいく。

 龍は案の定目の前に水の壁を作り出した。

 炎は一瞬で水の壁を蒸発させる・・・。


 ドッゴーン!

 一瞬の出来事だった。

 水の壁が蒸発したと思ったら、突然の大爆発が起こる!

 とっさの事で盾で受けるが、大きく吹き飛ばされる。

 水蒸気爆発だ!

 超高音の炎が大量の水を蒸発させて一気に膨らんで破裂したようになる現象だ。

 俺は背中を壁に叩きつけられて、目の前が真っ暗になる。

 意識が薄れて行く・・・・・・・・。


「・・・・さま ・・・・じんさま ご主人様!」

 俺を呼ぶ声が聞える・・・。


「だ 大丈夫だ・・・・」

「良かった・・・・」

 何とか意識を取り戻し、視界が晴れていく。

 身体中がとてつもなく痛い。何とか身体が動くので骨折はしていないが全身打撲だろう・・・。

 回復魔法を掛けて、水神龍の方を見ると俺と同じように吹き飛ばされて壁に叩きつけられていた。

 相手の方が至近距離だったのでダメージが大きいようだ。

 上半身の鱗が所々はがれていた。しかも衝撃からか動きが止まっている。


「今だ!」

 俺は動きが止まっている龍に一気に駆け寄って行く。

 龍が少し動き水弾を飛ばしてくるが、俺は勢いを殺す事無く紙一重で躱しながら近付いて行く。

 近付くにつれて躱すのが難しくなっていくが、炎で叩き落とすわけにはいかない。剣の近くで爆発したら意識を失うどころの被害では済まないかもしれないのだ。

 しかも、魔法では無さそうなので、魔剣では無効化できなさそうだ。

 紙一重で躱していても、かすっている攻撃もあって凄く痛い。

 痛みを我慢して何とか接近し、動けない龍に剣を突き立てる。


 ブッシュゥゥゥー!

 ボォォォ・・・


 鱗はがれた所には簡単に突き刺さり、勢いよく血が噴き出す。

 そして、炎を放つ!

 龍の身体の中から焼き尽くす。


『見事だ・・・』


 声が頭に響いたと思ったら、龍が動かなくなり姿が消えていく。

 元あった場所に龍の石像が現れ、俺の目の前には『神刀しんとうアマノムラクモノツルギ』が浮いていた。

やっと二つ目の魔武器です・・・。

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