表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/103

第35話  ルスンの日常へ

事件の後始末をしていきます。

「それで、クリスとアイシャはどうするんだ?」

「私はこの館で、仕事がありますので、ここに騎士団の皆と泊まります。アキラさんとレイさんはどうします?」

「俺達は宿に戻るよ。クリスは?」

「私の仕事はありませんので、宿に戻ります」

「お一人でですか!?」

「あー・・・ だったらレイと一緒の部屋でいいんじゃないか? 野宿でも一緒に見張りをしていたし大丈夫だろ?」

「そうですね それだったら心配いりませんね」

 これでアイシャの心配は無いだろう。ただ、副団長が「クリスティーナ様が野宿で見張り・・・」なんて呟いているが、後の事はアイシャに任せよう。

 俺とレイとクリスの三人は水の宿へ戻って行った。



 宿に着くと女将さんが慌てて俺達の元に走ってきた。


「お客様すみません! 先ほど王国騎士団の方が来られて、今まで通りの宿代で大丈夫になったと通達がありましたので、昨日と今日の代金を返金いたします。明日の出発時にお渡しするので、お忘れないように受け取ってから出発してください。

「あ! そうなんですか。わかりました」

 俺達は事情を知っているのだが、知らない振りをしておいた。メンドクサイしな。

 三人で夕食を食べてそれぞれ部屋に戻って行く。

 もちろん俺は一人で、レイがクリスの部屋に行った。

 大丈夫! 今日は寂しくないよ! 隣の部屋にいるからね!

 そして、外が明るくなってきた時間に目を覚ました。


 俺は目が覚めて身支度を整える。

 レイとクリスは起きているだろうか? 

 寝ているのを起こすのも悪いかな・・・ と思い、もう少ししてから朝食に誘いに行こうと思っていたが、扉をノックする音が聞こえた。


「ご主人様、朝ご飯を食べに行きませんか?」

「分かった! すぐ行く!」

 タイミングよく来てくれて助かった。

 俺はすぐに、扉を開けてレイとクリスの三人で朝食を食べに行った。

 朝食を食べ終わって、紅茶を飲んで一息ついていた。


「クリスはこれからどうするんだ?」

「私ですか? そうですね今日は、新しい領主が来るので任命式に参加ですかね~。アキラさんとレイさんも参加します?」

「いや そんな堅苦しい行事は遠慮しておくよ」

「そうですよね~ 私も嫌なんですけど、これも仕事の内ですから」

「任命式が終わったら、王都へ帰るのか?」

「いえ、しばらくはここの遺跡を調査しますよ」

「調査は建前じゃなかったのか?」

「いえいえ 元々調査に向かっていたんですが、マリウス様の館に立ち寄ったら、この町で何か問題が起きていると聞いたもので、ついでに調査してみますと言ったんです」

「あ! そうなのか! 俺は学者は仮の姿かと思っていた!」

「最近では学者がメインになってますね。でも、アキラさんとレイさんと一緒に旅をして楽しかったので、ここの調査が終わったら他の遺跡を巡る旅に出るのも、良いかもしれないですね!」

「・・・それは家族と相談して決めた方がいいぞ。一応、王女だしな・・・」

「そうですね! このルスンの事もお父様に報告しないといけないので、一度王都に帰ります」

「そうだな、その方が良いだろう」

「では、一緒に行きましょう! アキラさんとレイさんに助けていただいた、お礼もしないとダメですからね!」

「いや、そんなに気にしなくていいぞ。お礼も要らないし・・・」

「では この後は何か予定があるのですか?」

「この後は、水龍の神殿に行くだけだな・・・」

「それでしたら、王都に少し寄って行かれても大丈夫ですよね? レイさん!」

「え!? あっ! はい! ・・・あ」

「レイさんは王都に来ていただけるのですね! ありがとうございます!」

「わかりました! 俺も行きます!」

「はい! ありがとうございます!」

 完全にクリスの誘導にはまってしまったな。普段は聞き役になっているレイに突然答えを求めて、肯定を引き出して、俺の逃げ道を無くしてきた。なかなかしたたかな性格をしているな・・・。

 まあ、どのみち王都のある大陸に行って、魔武器を探さないといけないので特に問題は無いからいいけどな。


「クリス様 そろそろ式典の準備が整います」

「もうそんな時間ですか・・・ わかりました。行きましょう」

 俺とクリスの会話が終わったタイミングで、サーラが話しかけてきた。

 いつの間にいたんだ? 神出鬼没だな、流石くノ一!


「では、アキラさん レイさん神殿の攻略が終わりましたら、昨日の屋敷に来てください」

「わかった。またな!」

「はい!」

 クリスはサーラと一緒に出て行った。


「俺達も行くか!」

「はい!」

 俺達も宿を出る。もちろん宿泊代の差額は受け取ってからだ!



 昨日のケーキ屋に饅頭の事を、聞きに行こうと道を歩いて行く。


「おーい! そこの二人待ってくれ!」

「ん?」

 冒険者風の男が俺達に向かって走ってきた。


「すまないが あんた達は、アキラとレイか?」

「ああ そうだが何か?」

「いやぁ、探したよ! ギルド長がアンタ達にお礼を言いたいから、探して欲しいって言ってたんだ。何でも今回の貴族の横暴を止めたって聞いたからな! 俺達も感謝してるぜ!」

「そうなのか・・・ じゃあギルドに行ってくる。ありがとうな!」

 そういえば副ギルド長も今回の事件の首謀者だったから、ギルド長としても何か言いたい事があるのだろう。とりあえず、ギルドへ向かうか。



色々な所が通常の生活へ戻って行きます。

同じ事の繰り返しの日常ばかりでは飽きてくるかもしれませんが、合間合間で気分転換をすると、また違った日常になるかもしれませんね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ