第3話 初めての・・・・・・・
占い師の正体は!?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あの~ ご主人様?」
俺の体は固まった。
ご主人様? 選んだ? 俺はここに来てから誰も選んでいない。
ふと一つの考えが浮かぶ・・・
「もしかしてここは、メイド喫茶?」
「え? メイド喫茶? え~と、ご主人様が望むならメイドにでもなりますよ?」
俺の疑問に少し考えてから答えた彼女はフードなどを外し素顔をみせた。満面の笑顔だ! すごくかわいい! 衝動的に抱きつきたくなる、ご主人様なら抱きついてもいいよね!
フードを取った彼女は赤い髪で長さは肩まである。身長は少し小柄でスタイルは身長とバランスが良い感じだ。どこかで見た事がある気がするが・・・ 何より可愛い!
いやいや! ちょっと待て! 落ち着け俺! 日本で突然抱きついたら、逮捕されて人生が終わる。色々と確認しよう。
「ここって日本?」
「日本? ここはミシリア大陸の東にあるソーン村ですよ」
確かにゲームの情報通りだった。
「え~と 君の名前は?」
「私は『レーヴァテイン』です!」
「は?」
「レーヴァテインです!」
「レーヴァテイン?」
「はい、そうです!」
「この剣は?」
「私です!」
「え・・・。どうゆうこと?」
「私と剣は同じ存在です。私は剣の力の源です」
「この剣ボロボロだよ?」
「私が同化すれば元の姿に戻ります!」
「そうなの? 今できる?」
「はい!」
そう答えると、彼女が手を伸ばし刀身に触れる。
剣が赤く輝く、彼女も輝きそして消える。
すると、剣の姿が変わる。
刀身は炎のように赤くゆらめき、持ち手の部分はルビーのような紅い宝石が散りばめられ金色の細かい装飾が施されている。だが、持ちやすく手に馴染む。
そして、俺の手にある剣は『魔剣レーヴァテイン』となっていた。
「これが魔剣レーヴァテイン・・・」
「はい、これが本当の私です!」
「すごい綺麗だな」
「あっ ありがとうございます!」
俺がつぶやくと彼女の声が、頭に響いてきた。
あまりにも綺麗だったので、しばらく剣を眺めていた。
「くっ! すみません・・・」
彼女の辛そうな声が聞こえると、剣が赤く輝く。
すると、元のボロ剣に戻り、傍には彼女が現れた。
少し息が上がっているようだ。
「大丈夫か?」
「はい・・・ 最近、力が少なくなって、同化できる時間が少ないのです」
「そうなのか? どうすれば戻るんだ?」
「えっと。ご主人様に抱いていただければ・・・」
彼女の顔が真っ赤になって上目使いでこっちを見ながら、大胆なことをつぶやいた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺はまた固まった。
えっと 抱いてって事は、ハグじゃないよね? あっちの意味だよね? 大丈夫だよね? ちょっと奥へって暗い部屋に行って、電気がついたら怖いお兄さんが!とか無いよね? そもそもこのゲームはR18ではないので、そんなイベントは存在しない。
「だ 抱いてってことは、ハグじゃないよね?」
「はい・・・」
「エッチするってことだよね?」
「はい・・・」
俺の疑問に彼女は照れながら、上目使いで答えた。
「い 今から?」
「ご主人様がお好きな時に大丈夫です」
「じゃあ、いいかな?」
「はい・・・」
彼女はそう言うと占い屋の入口に閉店の看板をつける。
そして、奥の部屋へ俺を案内する。
6畳ほどの部屋にベットや机やタンスなどが置いてある。
シンプルな部屋だが、花を飾ったりして女の子っぽい部屋だ。
「あの・・・ 私は初めてなので、よろしくお願いします・・・」
「え? 初めてなの?」
「はい・・・ 私と剣が分離したのが、1か月ほど前からなのです。以前のご主人様は私の存在を知らないでしょう。会話もできませんでしたから。だから、ご主人様が私の初めてです」
「そうか・・・。 実は俺も初めてだ」
俺も正直に答えた。経験豊富と嘘をついてもすぐにバレそうだしな。
「え! では、私がご主人様の初めてですね!」
「そ そうだな」
彼女の笑顔がスゴク可愛い!
思わず抱きしめる。
そして、軽く口づけを交わす。
だが、一つ大事な事に気が付いた。
「君はどうやって呼んだらいいんだ? レーヴァテインは剣としての名前だろう? 君と剣は別れているのだから、同じ名前は分かりにくいよな?」
「ご主人様がお好きなように呼んでください!」
彼女は全て俺に委ねるようだ。まあ、色々なゲームでも仲間の名前を決める事があるからな。
え~と。レーヴァテインだから、レイバン・・・。サングラスっぽいし男みたい。
レイコは女の子っぽいけど、アイスコーヒーはレイコーだよな。しかも、極楽に送られそうな名前だ。
あとはレイだ! 確か光みたいな意味があったっけ。彼女の笑顔は輝いている(俺目線)。しかも、「あなたは私が守るから」とか言ってくれそう。まあ、クールキャラではなく元気いっぱいキャラみたいだが。
「レイはどうかな」
「レイ・・・。はい! 嬉しいです。何か綺麗な名前ですね」
レイは目を潤ませ笑顔で答えた。
もうダメだ! 俺は我慢できずにレイに熱い口づけをして、ベットへ押し倒した。
そして、持てる知識をフルに使い一晩を過ごした。予習はバッチリだ!
朝起きると、レイを抱き枕のように抱っこしていた。
「こ これが朝チュンか・・・」
「おはようございます。ご主人様・・・」
「おはよう・・・」
俺が感動して思わずつぶやくと、レイが目を覚まし声をかけてきた。
あまりにも可愛かったので、返事と同時に軽くキスをしてしまったが。
興奮が少し落ち着いたら、レイとこの世界に来る前にあった女の子が、良く似ている事に気が付いた。今まで気付かなかったのか? と自分でも思うが、興奮していて自分を見失っていたらしい・・・。
「そういえばレイが、俺をここに連れてきたんだよね?」
「いえ。私はこの村でで占いをしながら、私のご主人様になっていただける方を探していただけです」
「そうなの?」
「はい!」
夢の最初に出た女の子とよく似ている気がするが、なんとなく違う気もする・・・。
というか、これは流石に夢では無いようだな・・・。
初体験ですね!
何とか魔法使い(年齢的)にならなくて済みました!