第29話 ちょっと一息
旅の準備を色々しましょう
オークション会場をあとにして、次は武器と防具を買いに行く。
防具屋に行くと『マジックゴールド』一式が売っていた。ゴールドと言ってもホワイトゴールドで派手な金ピカでは無いようだが、『金ピカバージョンもあります』なんて横に書いてあった。能力は変わらないようで、本当に色が違うだけのようだ。だが、全身が金色って・・・。ゴールドク○スだよな。
マジックゴールド装備は特殊な魔法処理が施されているようで、聖銀より魔法防御力が上がっている。もちろん購入する。2セットで56万Mだった。カジノで儲けたので全然余裕がある。古い装備は10万Mで売却しておいた。
そういえば、買い取った古い防具ってちゃんと洗うのかな? 人によっては体臭とか気にする事もあるし、綺麗な人が着た物は値段が高かったりしてな! ってそんな怪しげな商売は流石にしていないと思うが・・・。
隣にある武器屋に行って商品を見ると『カタナ』が置いてあった。無銘のカタナだが、攻撃力はかなり高い。もちろん鉄砲の弾も切断できるだろう。俺自身で試したくは無いがな。失敗したら痛いどころではないし・・・。
カタナも2本購入した。日本人だったら1回は使ってみたいだろう。刀を構えて『悪 即 斬!』とか、『飛天・・・・』とかの技を使ってみたいが、このゲームにはそんな技は無い。コラボとかしてくれないかな~ チラ チラ なんてな!
次に道具屋に行って、万能薬とマジックポーションを20個ずつ購入して。更に二人分のキャンプセットを購入した。いくら野宿といっても地べたに寝るわけにはいかないからな。
これで、旅の準備は完了だ。後は情報収集という名の、レイとのデートをしよう! これが本来の目的だ!
ここ数日は何かと忙しくて、イチャイチャして無いし、夜の行為もしていない。これは旅を円滑に続けるには必要な準備になるだろう。うん! 間違いない!
装備の準備で昼ごろになったので、先に昼食を食べに行く。
近くあった食堂に入って、日替わり定食を注文して食べる。
値段の割に量があり、そこそこの味だった。
食事が終わったら、ショッピングだな。防具は持っているが、普段着は殆ど無い。なので、二人分買いに行くとしよう。レイの分は俺が選んで、俺の分はレイに選んでもらうかな!
店に入って色々と選んで買っていった。カジュアルな洋服やフォーマルな洋服を二人分買って、レイには更に、チャイナや和服やセーラーなど夜に使うのも買ってしまった。
「ご主人様、この服はいつ着るのですか?」
なんて聞いてきたので、教えたら顔を真っ赤にして可愛かった!
今日の夜の期待が高まってくるな! って言うか、ちょっとオヤジっぽいか!?
ショッピングが終わったら一旦宿を取りに行く。中の上ぐらいの宿を取って、部屋でさっき買った服に着替えて、市街観光に繰り出した。
ソフトクリームを片手に、腕を組んで歩いて、街の中をブラブラしながら、雰囲気を楽しんだ。
日が暮れてきたので、少し高級そうなレストランに入って食べることにした。入ってから気付いたが、もっと高級な料理を昨日食べたばっかりだった・・・。
昨日無かった牛ステーキがあったので、二人分注文して食べる。なかなか良い肉を使いにんにくの香りを効かせて、塩と胡椒だけのシンプルな味付けだが、肉の旨味が十分に活かされていた。二人でワインを飲みながら少し大人のディナーを楽しんだ。レイは酒に弱いのであまりワインを飲んでいなかったが、頬が少し赤くなっていつもより可愛く見えた。
夕食が終わると、宿に戻って今日のメインイベントが始まる。二人でゆっくりと風呂に入って、体を隅々まで洗いっこする。風呂から上がると、今日買った衣装に着替えてもらい、たっぷりと楽しんだ! いつも以上に俺は元気一杯だった!
そして、夜明け前に目を覚ます。
レイも目を覚ましたので、軽くキスをしてから身支度を済ませる。
朝食を食べてから、待ち合わせ場所の冒険者ギルドへ向かう。
冒険者ギルド前には、まだクリス達は来ていなかった。
5分程すると二人が現れた。
「すみません! 遅くなりました!」
「いや 5分ぐらいしか経ってないから、全然大丈夫ですよ」
俺達の元にやって来たクリス達は、結構な装備をしていた。
防具はこの前のままだが、クリスの武器は『竜の杖』で、アイシャは『ムラマサ』だった。
竜の杖はドラゴンが落とす宝玉をベースにしている杖で高い魔力増幅効果がある。宝玉の属性と使う魔法の属性が同じなら、3倍程の威力となる強力な杖だ。クリスの宝玉は青いので水竜の宝玉だと思う。
ムラマサは昨日のオークションにも出品されていた銘入りのカタナだ。刀身に魔力が通っているので、切れ味が半端なく鋭い。ドラゴンの鱗も易々と切り裂ける程の切れ味を持っている。
どちらの武器もかなりのレア武器だ。ムラマサなんて昨日のオークションで20億Mで落札されたほどだ。
もしかして、昨日買ったのはアイシャだったのか?
買った人まで見てないから分からないが・・・。
「それでは、アキラさんレイさん行きましょう」
「そうですね・・・」
「はい!」
号令を掛けてクリスとアイシャは歩き出した。
「馬車は使わないのですか?」
「そうですね。私達は冒険者として旅をしていますので、なるべく馬車は使いません」
「そうなのですか」
「あと、アキラさん言葉使いは普段通りで大丈夫ですから、敬語は無しでお願いします」
「あ~・・・。分かった」
「はい!」
てっきり馬車で行くと思っていたのだが、歩いて行くようだ。徒歩だと大体二日ぐらいかかるかな?
途中で野宿をするしか無いか・・・。
キャンプ道具を揃えておいて良かったな。
ルスンまでは草原と林を越えて辿り着く。町は山の麓にあり、町の至る所に遺跡があって研究者にとっては一度は行っておきたい場所のようだ。そして、山を少し登ると大きな湖があって、そこに水龍の神殿がある。町とダンジョンが繋がっているので。攻略し易いダンジョンになっている。
「昨晩は凄くお楽しみでしたね!」ってぐらい激しかったようです・・・。




