表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/103

第28話  メルキアのオークション

久しぶりの一人の夜が明ける・・・。

 俺は一人で目を覚ました。こっちの世界に来てずっとレイが傍に居たので、一人で起きるのは初めてだった。

 起きてしばらくすると朝食の用意ができたと、メイドさんが呼びに来たので、昨日と同じ広間へ向かう。


「お! レイにマリア、おはよう!」

「ご主人様! おはようございます!」

「お兄ちゃん! おはようございます!」

 レイとマリアに挨拶をする。二人の頭にはバザーで買った髪飾りを着けていた。「似合っているよ」と言うと嬉しそうにニコニコしていた。そして俺達は広間に入っていった。俺達が席に座ってから少しして、クリスとアイシャが入ってきた。全員が揃った所で朝食を食べ始める。メニューは標準的なパン食だった。

 朝食が終わり、食後の紅茶を飲んでいるとマリウスが話しかけてきた。


「アキラ殿達はいつ出発するのか?」

「そうですね、そろそろ出ようと思います」

「そうか、もう行くのか・・・。ならば、持っていってほしい物がある。ライアス、アレを」

「はい」

 ライアスが俺の傍に来て、金属の板を渡してきた。それには鷹のような鳥と盾が描かれていた。


「これは?」

「それは、我がハーミット家の紋章だ。困った事があればそれを見せてハーミットの名を使ってくれ。犯罪以外なら大抵は無理が通るはずだ」

「そうなのですか、わかりました。お預かりします」

 多分使う事は無いが、とりあえず貰っておこう。

 食事が終わり部屋で身支度を整えて、玄関へ向かうと、全員が集合していた。


「アキラ殿! レイ殿! 気を付けて旅をして欲しい。この町に寄る事があれば、いつでもこの屋敷へ来てくだされ」

「はい! ありがとうございます。皆さんもお元気で!」

「お世話になりました!」

 マリウスの言葉に俺とレイがお礼を言って、用意してくれた馬車に乗り込んだ。

 馬車は走り出し、冒険者ギルドまで送ってくれる。



 ギルド前に着いて、送ってくれた執事にお礼を言って別れた。

 まず向かう場所はオークション会場だ。この町にはかなりの確率でレアアイテムが出品される。なのでそれを狙うのだ。

 会場に着いて入口にある、出品リストを見てみる・・・。 あった!『サルディウスの指輪』と『マズートの指輪』だ。

 サルディウスの指輪はMP消費2割減の特殊効果があり、マズートの指輪は杖の代替となる。指輪は同じ方に二つ装備しても、効果は最初の一つしか発揮できないが、右手と左手に一つずつ装備すると二つの効果が発揮できる。

 この二つの指輪は大体4000~5000万Mが相場だったから、少し稼ぐ必要がありそうだ。幸いまだオークションの開始まで2時間ほどあるしな。

 もちろん大金を短時間で稼ぐにはカジノだろう。

 俺達は今ある250万Mを持ってカジノへ向かった。


 今の俺はもちろん運もMAXになっている。どのギャンブルでも90%ぐらいの勝率がある。だが、10%で負ける可能性があるということだ。少し安全策を取って軍資金を増やす方が良いだろう。


 最初にポーカー台へ向かう。ベットは50万Mだ。カードが配られ、手札を見るとフォーカードだった。所持金は500万Mになった。

 次はブラックジャックに行く。ベットは100万Mだ。配られたカードはもちろんブラックジャックだった。所持金は1000万Mになる。

 そして最後に100万Mスロットだ。5つのセブンが揃うと1億Mになる。早速チャレンジしてみたが、最初はチェリーが揃う。次からも5連続で小役が揃うが大当たりは出ない。はずれは出ないが、大当たりも出ないのは時間が掛かる。あまりにも当たりが続くとイカサマを疑われそうだ・・・。


「パーパパッパ、パパパパー!」

 ファンファーレが鳴り響きセブンが揃った。お金がどんどん出てくると思ったら、チャリンと1枚の硬貨だった。書いてある金額は1億Mになっていた。1億硬貨があるってどうなんだ・・・。ジンバブエドルみたいになってないか? 少し心配になるが、まあ使えるのだろう。

 一気に稼いで所持金が1億4500万Mになった。カジノで当たりを出す度にレイが「ご主人様!凄いです!」と目をキラキラさせて俺を見てきた。俺は得意げになっていたが、勝率9割ならまず負けないからイカサマとほぼ一緒だよな・・・。

 ディーラーの注目を集めているし、これ以上稼ぐと黒服のお兄さんがやってきそうなので、オークション会場へ向かった。



 オークション開始の30分前に会場に入る事ができた。中には金持ちそうな貴族や冒険者が多くいた。

 中に入ると今日の出品物のパンフレットを渡された。出品されている物では『ドラゴンスレイヤー』『フレイムソード』『ムラマサ』など、かなりのレア武器も出品されていた。だが、このクラスの武器は1億Mでは全然足りないので買うのは無理だ。

 やっぱり狙うのは指輪2つと『結界石』だろう。結界石とはクリスタルの中に結界の魔法が封じ込められており、野宿をする時に地面に結界石を半分埋めると、その周囲にモンスターが寄ってこなくなるアイテムで野宿には必需品となる。流通量は多くて、そこまで高くないので余ったお金でかえるだろう。


 オークションが始まり次々と出品された物が落札されていく。何か・・・ いつもより、高くなっていないか? 大体の商品が3~7割増しで落札されている。

 なんて事を考えていると、お目当ての商品が出てきた。


「続きまして『マズートの指輪』です! スタートの金額は1000万です!」

「1000万!」

「3000万!」

「5000万!」

 おいおい! 上がり方が速いぞ!


「6000万!」

「7000万!」=俺の金額

「7500万!」

「9000万!」

「9500万!」=俺の金額

「・・・」

「9500万です! 他にありませんか! ・・・・・・はい! 9500万で落札です!」

 た 高い買い物だったな・・・ 落札した俺の元に、スタッフが落札を証明する紙を持ってきた。続けて次の商品を落札できるようにするためだ。


「続きまして『サルディウスの指輪』です! スタートの金額は1000万です!」

「1000万!」

「3000万!」

「5000万!」

 おいおい! またか!

 あっという間に、手が出ない金額まで上がっていく・・・。

 結局8000万で落札された。

 MP消費半減はまた今度だな・・・。


 その後に出品された『結界石』を1000万で落札してオークション会場を後にした。

 商品を受け取る時に値段が上がっている事をスタッフに尋ねたら、最近強力なモンスターが増えてきたから、強い装備の価格が上がっているらしい。

 そういう理由なら仕方がないか・・・。

これからは、お金に困る事は無いと思います・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ