表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/103

第23話  魔剣の力

ボス戦です。

 全力で東側へ走っていた。レイの手に余る敵が出たのなら、一般の冒険者達は一瞬でやられてしまうだろう。もしかしたら、レイも負傷するかもしれない・・・。


 俺は走って! 走って! 走って! 走った!


 東へ辿り着いた時には、既にロックスコーピオンが数匹バザー内に侵入して、冒険者達と戦闘を繰り広げていた。そして、地面に倒れて動かない数人の冒険者達・・・・。

 立っている者も無傷では無い。

 俺の見える範囲でレイの姿は見当たらない。


「フルリカバリー」

 全員に完全回復魔法をかける。

 だが、倒れている冒険者の半数はMPを消費しなかった。手遅れだった・・・。

 倒れている者の中にもレイの姿は無い。少し安心した・・・。


「ブルクラッシュ!」

 冒険者と戦っている敵を数匹まとめて吹き飛ばす。


「おい! 赤い髪の女の子はどこだ!」

「あっ! あんたか! 早く彼女を助けに行ってくれ! 彼女はデカブツを引き留めてくれている!」

 俺が助けた男がバザーの外を指差した。

 白い炎が大きな赤い影と対峙していた。

 俺に見えたのは『レッドクリスタル スコーピオン』だった。全身が赤いクリスタルで覆われており、火属性以外の魔法を無効化し弱い火は反射する能力をもっている。体も大きく胴体がコンビニと同じくらいで、そこに大きなハサミと足が生えて、強力な毒針を持った尻尾が2本生えている。SSランククエストに出てくるサソリだ!


「あそこだな!」

「彼女は毒に侵されているはずだ! これを・・・・」

「いや 俺は魔法がある!」

 冒険者が解毒薬を出そうとするが、断って走り出した。

 レイには解毒薬を渡してあったが、使う暇が無かったのか?


「クソッ!」

 レイに向かって全力で走る! 邪魔する敵は魔力を一杯に込めたアイスニードルを叩き込む。

 徐々にレイの姿が分かる距離に近付いてきた。いつもより動きが鈍い・・・。毒の影響か、避けれる攻撃も剣で受け流す場面があった。剣に纏っている炎も収束していない炎だった。

 あと30メートルまで来た時に、レイが膝を突いて動けなくなる。

 そして、サソリがハサミを振り上げる・・・・。


「ソニックスラッシュ!」

 振り上げたハサミに当てて、注意を俺に向けさせる。ダメージは無いがサソリがこっちを見る。その間にレイとサソリの間に入り込み・・・・・。


「ブルクラッシュ!」

全力で叩き込む!

たいしてダメージは無いが、サソリとの距離が開いた。


「フルリカバリー」

 レイのすぐ傍まで来たので、レイに回復魔法を掛けた。

 レイは立ち上がり俺の横に立つ。


「ご主人様! ありがとうございます!」

「遅れてすまない!」

「いえ 信じてましたから大丈夫です!」

「そうか・・・」

「ご主人様、これを・・・」

 レイは俺に魔剣を差し出してきた。

 俺は黙って頷いて受け取る。そして、刀身にレイが触れると、剣とレイが赤く輝きだす。

 輝きが消えると俺の手には『魔剣レーヴァテイン』が握られていた。


「ご主人様、私が全力で戦えるのは30分ほどしかありません。それまでに倒してください!」

「わかった! 最初から全力で行くぞ!」

 赤く炎のように揺らめく刀身に、本当の赤い炎が現れ、色が白くなり収束していく。

 俺は初めて全力の魔剣を振るう。


 魔剣が全力になった時に、サソリが突進をしてくる。それを左に避けて足の1本を横に薙ぐ! スパッ!っと簡単に切断する。サソリは怯まずに右の尻尾を振り回す。一旦下がると今度はサソリの左ハサミが掴みかかってきた。俺はハサミの合わさる所を剣で斬り、返す刃で根本から切り落とした。サソリは一旦距離を取ろうとするが、俺はさせない。距離を詰めて右のハサミを狙う。俺が近付いたのをサソリは反射的に右のハサミで、払おうとしてきた所を身を屈めて避け、根本から切断した。その瞬間だった・・・。


「ご主人様! 尻尾がきます!」

「!?」

 俺の注意は一瞬完全に右のハサミに向いていた。考えていた通りにサソリが動いたので油断があったのだろう。その一瞬の隙を突いてサソリは尻尾を大きく回り込ませて左右同時に俺を刺すつもりだった。俺は踏み込んでハサミを斬ったので重心が前に出ている分、初動が遅れてしまう。


 ドスッ! ボシュッ!


「・・・・」

「ご主人様・・・」


 俺の目の前で消えていくレッドクリスタルスコーピオンがいた。

 避けれないと思った俺は、前に重心寄っているので更に一歩踏み出して、サソリの頭に魔剣を突き刺した。そして刺さった刀身から全力の炎『全てを焼き尽くす炎』を放った。

 尻尾が刺さる寸前でサソリの命を焼き尽くしてくれた。


「ふぅー 今のは本気で危なかった・・・」

「でも流石です!」

「ああ・・・ ありがとう」

「では 戻りますね」

「そうしてくれ。まだ敵は居るからな」

「いえ、もう大丈夫みたいですよ」

「ん?」

 俺はバザーの方を見ると敵が逃げ出して行く所だった。

 そして、魔剣が赤く輝き、レイが俺の隣に現れた。


 俺はレイの頭を優しく撫でていて気が付いた。

 俺達の周りにあった、霧が消えていた・・・。

戦闘の描写って難しい・・・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ