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第14話  船の旅

優雅な船の旅です。


 俺たちを迎えに来たのは、昨日港で船に乗る手続をしたお姉さんだった。


「おはようさん! よく寝れたかい?」

「おはようございます。そうですね、良い部屋だったので、良く寝れました」

「おはようございます!」

「そうかい! それは良かったよ! もうすぐ船がでるから港へ案内するよ!」

「「お願いします」」

 港のお姉さんは朝から元気だった。

 俺たちは宿の女将さんに、お礼言ってから港へ行った。


 空がだいぶ明るくなってきており、もうすぐ日の出の時間だ。

 天気は晴天で雲一つ無く、風も穏やかだった。


「あれが今から乗る船だよ!」

 大きな帆船だった。船体は明るい色の木でできており、帆は真っ白で青空によく映えた。

 客だけで50人ぐらいは乗れそうだ。


「おお! 凄い船だな!」

「凄いですね!」

「ん? 今日は風が弱いけどこの帆船は、大丈夫なんですか?」

「あの帆は魔法が織り込まれているから、風が無くても進めるのさ」

「へぇ~ それは便利だな・・・」

「ああ! そんな事より早く船に乗らないと、おいてかれるよ!」

 それはそうだ、こんな所でおいてかれたら早起きした意味が無くなってしまう。


「それじゃあ! ありがとうございます! え~と・・・」

 俺は名前を呼ぼうとしたが、自己紹介をしていないことに気が付いた。


「あぁ! 私はライラだよ! この町では珍しくない名前さ、昔の偉い人の名前で、長女が産まれると大体ライラになっちまう」

「そうなんですか。 それではありがとうございました。 ライラさん!」

「ライラさん、ありがとうございました!」

 俺を察して名前を教えてくれた、ライラに別れを告げ船に乗り込む。



 船の中に入って案内されたのは1等客室だった。一般客では最上級だと言うので、貴族とか用の特等部屋もあるのだろう。

 それでも十分の広さだベットが二つあり、トイレや風呂もあった。


 カン カン カン カン


 部屋を見ていると鐘の音が聞こえてきた。出発の合図だろう。

 俺たちは甲板に出て船着き場が見える方に行った。

 しばらくして船が動き出す。

 船着き場の人が手を振って見送り、船に乗っている人がそれに答える形だ。船着き場ではライラも手を振っていたので、俺とレイも手を振って答える。

 現実では帆船に乗る事なんか殆ど無いので、映画の主人公のような気分になった。

 映画の大航海時代でまだ誰も見た事が無い物を、探しに大海原へ出る冒険者の気分だ。なんだか気分が高揚してくる。

 冒険を改めて認識して興奮するとは、俺も男の子だな!



 航海の事を何も聞いていない事に気が付いた俺は、船室に戻る途中にいた船員に色々質問してから部屋に戻った。

 まず、ルソット大陸の港町『パルタ』に到着するのが大体3日後らしい。天候が荒れると遅くなるが、今回は晴天の予報だと言っていた。天気予報士でも居るだろうか?

 次に、海にモンスターは居るが船にはモンスター避けの魔石があるので寄ってこないようだ。だが、最近になってモンスターが近寄ろうとする動きを見せる事があるので、今回の航海から冒険者を雇っているので大丈夫と言っていた。

 ゲームをやっていた時は船の移動ではモンスターが出た事が無い。なにより船に乗るとアニメーションが流れて、いきなり到着するのだ。だから大丈夫だろう・・・。

 あとは、貨物室と他の客室と船員の部屋以外なら、自由に歩き回って大丈夫らしい。忙しくなければ操舵室に行って、船長と話をしたりできるみたいだ。



 部屋にいても暇なので甲板に出て時間を潰す事にした。ずっと部屋で一緒にいるとムラムラしてきそうだしな。

 外に出ると風が気持ち良く吹いていた。波も穏やかで空も快晴で最高の船旅になりそうだ。

 これなら船酔いの心配は無さそうだ。乗り物に弱い方だが、この世界では強くなっているのか? 確かめようがないのだが・・・・。


「お! イルカだ!」

「ほんとですね! カワイイです!」

 海を見ていたら、船に併走してイルカの群れが泳いでいた。水族館以外で見たのは初めてだった。しかも隣でレイがイルカを見て喜んでいる姿を、見てなんだか嬉しくなってきた。って・・・。

 あれ? これってデートじゃね? 豪華客船に一緒に乗る男と女・・・。そしてイルカを見て喜ぶ彼女をみて嬉しくなる俺・・・。間違いない! なんか俺とレイは色々すっ飛ばしてエッチをする関係になっていたが、これはイチャイチャするチャンスがやって来たんじゃないか!?


「ご主人様! 船の先にいきませんか?」

「ああ いいぞ!」

「では! 行きましょう!」

 俺が色々と考えを巡らせていると、レイが船首へ行きたいと言ってきた。もちろん断る理由は無いので了承すると、レイは俺の手を取って引っ張っていった。

 決まった! これはデートだ! 俺はもうこの船旅の間はレイとイチャイチャする事を心に決めたのだった。


「うゎ~! キレイ!」

 船の先端で感嘆の声を上げているレイの後ろにいる俺。これは!? まさしく伝説のタイ○ニックごっこのシチュエーションだ!

 更に近づこうとする俺だが、ふと我に返る。あの船の結末は悲劇だったよな・・・。なんか変なフラグが立ちそうな気がするから止めとこうか・・・。

 初めての船上デートで船が沈んだら、軽くトラウマになりそうだ。

 それに海の真ん中で船が転覆したら、いくら能力値カンストの俺でも助からないだろう。余計な事はフラグは立てない事がゲームの中では重要だ。

 この後も俺とレイは手をつないで、甲板から海を眺めたりしていた。

 そして、夕暮れになり食堂で夕食を食べて部屋に戻った。


 もちろん部屋に戻ったらする事は一つだけ。甲板で手をつないで気持ちが高ぶっている俺とレイは風呂でもベットでも、いつもより熱く強く長くつながった・・・。

世界一周旅行とかしてみたいですね。

時間とお金がありませんが・・・・。

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