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第11話  護衛任務

緊急クエスト受注です。

 依頼書3枚を持って受付カウンターに提出した。


「すいません。これお願いします」

「はい・・・。受注完了です。商隊は明日の日の出ごろに出発します。出発の30分前に鐘を鳴らすので、商会前に集まってください」

「はい。わかりました」

「あと、ただいま隣のカウンターで『魔術ギルド』を開設しています。興味があれば見ていってください」

「魔術ギルドですか?」

「はい。今、支部を建設中なので仮店舗みたいなものです」

「そうですか。ありがとう」

 魔術ギルドは次の大陸からしかないはずだった。魔術ギルドでは、魔法書や杖が買える。魔法書を使えば新しい魔法を覚える事ができ、杖を装備すれば覚えた魔法が使えるようになる。俺は魔術をマスターしているので、杖を買えば大体の魔法が使える。一部の強力な魔法は専用の杖が必要なので使えないが、全体魔法があるので敵と戦うのが有利になる。

 これは行くべきだろう。


「すいません! 杖が欲しいのですが・・・」

「申し訳ありません。先ほどのお客さんで、売り切れてしまいました。魔法書ならありますけど?」

「そうですか・・・。じゃあいいです」

 意気揚々と行ったのだが、残念な結果だった。

 無いのなら仕方が無い。


 外に出ようと思ったが、袋の中に素材アイテムがいっぱいあり、容量が少なくなっていることを思い出した。倒したモンスターのドロップ品を全部入れていたから当然なのだが。

 ギルド内の買い取りカウンターへ行き売る事にした。


「すいません。買い取りお願いします」

「はい。わかりました。ここに置いてください」

 袋の中から全部取り出す。


「少々お待ちください・・・・・・・。はい 『スライムの粘液 11個』『トレントの枝 2本』が買い取り可能です。ただこの宝石?は見たことがないので、買い取りすることができません」

「そうなんですか? まあ、仕方ないですね。この宝石以外をお願いします」

「はい。 全部で1500Mになります」

「わかりました。ありがとう」

 竜玉(未)は売れないらしい。もしかして重要アイテムか? とりあえず袋に入れておくか。


「とりあえずやる事も終わったし、宿に行くか!」

「はい そうですね!」

 俺とレイは宿に向かうためにギルドを出た。宿はギルドの正面に建っていた。

 近いな・・・。まあ、鐘の音が聞こえる距離なので遅刻したりしないから便利だな。


「すいません。一泊2名お願いします」

「はい いらっしゃい! 2名1室2食付で400Mだよ!」

 恰幅のいいおばちゃんが元気よく金額を言った。

 あれ? 値上がりした? 俺の記憶違いだったか? だが、宿に来る前にお金ができて良かった。支払には問題無い。

 袋から400M取り出し支払いをする。

 これで、残金は11400Mになった。


「はい 203号室だね。食事はこの廊下を行った突き当りにあるから。えっと、夕食はもう食べれる時間だね。朝食は何時がいいんだい?」

「夜明け頃に出発しようと思ってます」

「ああ! あんたたちは商会のクエストに行くんだね?」

「そうです」

「じゃあ頑張ってもらわないといけないから、朝食は元気が出るメニューにしておくね。あ~ だったら夕食も元気が出るのにした方がいいかい? 色々と頑張るだろうからね!」

「いえいえ! 朝食だけで大丈夫ですよ!」

「そうかい? 遠慮する事ないのにね。まあいいか、部屋まで案内するよ」

 完全に下ネタだった! レイも分かったのだろう、顔が少し赤くなって俯いていた。

 そもそも、最初から1部屋を進めてくるぐらいだから、俺たちの関係が分かっていたのだろう。

 それに俺はそんな料理に頼らなくてもいつでも元気いっぱいだ。更に元気になってしまったら、出発時間の夜明けまでヤッテしまいそうだ。

 なんて事を考えていると、受付の奥から若い女性が出てきた。

 なんとなく、少し顔が赤い気がする。


「では、私が部屋まで案内します」

「あぁ、ありがとう」


 受付から少し離れた所で、彼女が小さな声で話しかけてきた。


「すみません。お母さんがあんな事を・・・」

「ん? あ~・・・。気にしないでくれ」

 どうやらおばちゃんの娘だったようだ。確かに若い女性にはちょっと恥ずかしい話だな。奥に居た時に話が聞こえていて、しかも当人を案内するのだから、恥ずかしくて顔が赤かったのか。


「ここになります。では、ゆっくりくつろいでください」

「ありがとう」

「ありがとうございます」

 俺たちは礼を言って中に入る。

 窓の外を見るとまだ明るいが、明日の出発が早いので、早く寝た方がいいだろう。まあ、ヤル事はヤッテからだが。


 夕食は牛ステーキ定食だった。赤身が多いが肉の味がしっかりしていて美味かった。ただ、食後に出てきたお茶は少し漢方の味がした。おばちゃん・・・ 何か入れたか?


 部屋に戻って備え付けの風呂に二人で入る。

 お茶の効果なのか分からないが、興奮してきてしまい風呂の中で数回ヤッテしまった。

 もちろん、ベットに入ってからもヤッテしまったが・・・。

 いつもより元気だった気がする。



 翌朝、まだ暗い内に目を覚まし朝食を食べる。

 野菜炒め定食だった。肉と野菜にタレがうまく絡んで美味かった。


 部屋に戻り身支度を済ませると、窓の外が明るくなってきていた。


 カン カン カン カン・・・


 鐘の音が聞こえてきた。


「よし! 行くか!」

「はい!」

 俺たちは部屋を出てチェクアウトをしにカウンターへ、ちょっとドキドキしながら行く。


「チェ チェックアウトお願いします」

「はい・・・。 大丈夫だね。クエスト頑張ってきておくれ」

 それだけだった。おばちゃんだったら「昨晩はお楽しみだったね」みたいに言うかと思ったが、そこまで無粋では無いらしい。

 もしかしたら夕食後のお茶は、普通のお茶だったのかもしれない。俺が気にし過ぎただけかもな・・・。



 宿を出ると目の前には、商隊と思われる馬車が2台あり、その周りには商会とギルドの人が話していて、少し離れた所には数人の冒険者たちが集まっていた。

 俺たちは冒険者が集まっている方へ歩き出した。


「アキラさん、レーヴさん、おはようございます!」

「ん? ああ! トルコさん、おはようございます」

「おはようございます!」

 俺とレイに声をかけてきたのは、商会長のトルコだった。


「今回は依頼を受けていただき、ありがとうございます」

「いえ、目的地が西の港町だったので丁度よかったので」

「そうですか。私はまだギルドの方と話があるので、これで失礼させてもらいます。頑張ってください」

 そう言って、馬車の所へ戻って行き、何か話を始めた。

 俺たちは冒険者たちがいる方へ歩いて行ったが、何か全員に見られている気がする。


「なあ! あんたら商会長から直接依頼があったのか?」

 近付いていったら少し装備が良さそうなパーティのリーダーらしき男が声をかけてきた。


「いや たまたま知り合いなだけだ。まだ俺はFランクだし、依頼は昨日ギルドで受注したんだ」

「そうか・・・。今日はよろしくな」

 俺は誤魔化しておいた。なんか目を付けられると面倒臭いからな。

 案の定、男は興味がなくなったようだった。

 その後も何人か冒険者が集まって、総勢11人になった。


一時的に登場人物が一気に増えます。

大変です・・・。

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