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所有者争い・・・

「さて、少し騒がしくなってしまったが・・・ サシェ、その杖は何かあるのか?」

「・・・はい」

 かなり険悪な空気が流れている中で、何も無かったかのように話を進める国王に、平静を装ってサシェは答える。


「陛下! 何を悠長な事を! 先ほどの事をそんな一言で・・・!」

「何をそんなに慌てている? なあ、サシェ?」

「はい、些細な事でした」

「なっ!」

「ケハナもそうであろう?」

「はい、問題ありません」

「!!!」

 国王であるクラウスは、エロ杖(壊龍の杖)が起こした呪い? のような出来事を無かった事にしたいようだった。

 特に影響の無かった人達に、小さな事で大した問題は無いという、証言を集めていた。

 クリスやアイシャにも聞いて、俺達の方を向いた・・・。


「アキラ殿達も・・・」

 ほら来た!

 もちろん俺達も、問題無いと答えるつもりだ。


「・・・平然と、落ち着いた様に座っている。このような慣れない場所で堂々としているのは流石、歴戦の冒険者だ。それなのに国の要職にある者達が、些細な事で取り乱しては、民の不安を煽るばかりではないか?」

「・・・はっ! 申し訳ありません!」

 影響を受けた者達からしたら、とんでもない事をされたのだが、民の為だと言われれば納得をしなければならない大臣達・・・。

 文句を言いたいのは分かる何故なら、一番被害を受けたのは大臣達だった。

 大臣達は金持ちの坊ちゃん達で、賢さは高いだろうが、冒険なんかした事が殆ど無い連中だろう。

 能力値が偏っているから、呪いなんかに弱そうだ。

 よくあるゲームでも、国の偉い人が呪われたりするしな。

 まぁ・・・ 俺の偏見もあるだろうが・・・。


 しかし、クラウスは大臣が非を認めた後に、俺に何か含みのある視線を向けた・・・。

 その視線の意味は分からないが、何か利用された感がある・・・。

 少し悔しい気がするが、政治での駆け引き何か殆ど分からないし、リアルでも興味が無かった俺は、少しの敗北感が残った・・・。


「さて・・・ サシェ。その杖は何かあるのか?」

 問題が片付いたクラウスは、再度同じ質問を繰り返した。


「はい・・・ その杖は、私達の祖先が持っていた杖です」

「なるほど・・・ あの方か・・・」

「はい」

 そこでクラウスは、少し考え込んでしまった。


「それで、その杖はルシファウス家の物だという事か?」

 え~~~! 所有者を主張するの!?

 今さら言われても、直接元魔王からリリアが貰った物を、取り上げるのはダメだろう!


「いえ! そうではありません!」

「そうなのか?」

「はい! 私達に受け継がれたのは、杖を探して厳重に保管する事。もし人の手に渡っており、その所有者が正しい者なら全てを優先して力となる事でした」

「では、リリア殿は?」

「直接、初代様から渡された方を、疑う事はできません。リリア様を所有者と認めて、我がルシファウス家が全力を持ってバックアップ致します」

 そう言ってから、マレオの方を決意を持った視線を向ける・・・。


「そ、その通りです! それが我がルシファウス家に伝わる家訓です!」

 サシェに言わされた感が否めないが、一応家長であるマレオが認めた・・・、 認めさせられたのだから問題無いだろう。


「そうか・・・ ならばリリア殿の事は、マレオ達に任せよう。それでは長くなったが、今回はここまでとするか・・・」

「あの~?」

 クラウスが今回の会議を閉めようとするが、カーラが遮った。


「カーラ殿何か?」

「いえ・・・ リリアの事では無いのですが、転移魔法が違法と聞いたのですが・・・」

「ふむ・・・ 問題無い。好きに使ってくれ」

「国王! その様な事を簡単に認めては!」

 一人の大臣が、猛烈に反発しているが、正しい意見だと思う・・・。

 違法になっている魔法を、簡単に認めるって・・・。


「この魔法を現在使用できるのは、アキラ殿とリリア殿だけだ。この二人以外にこの魔法を使用する事は難しいのではないか?」

「確かに、私達(・・)だけしか使う事はないでしょう・・・」

 カーラはクラウスからの質問に答える・・・。 二人では無くカーラを含めた私達として・・・。


「ならば、問題無い。それに超魔王が居る以上、アキラ殿達には、すぐに来てもらわくてはならない事が起きる可能性があるのでは無いか?」

「それはそうかもしれないですが・・・」

「責任は私がとる!」

「それならば・・・」

 クラウスは大臣をしぶしぶ納得させた。

 少し強引な気がするが・・・。


「しかし!」

 納得させたクラウスが、突然大きな声を上げる。まだ何かあるのか?


「夜這いに使用した時は、極刑に処するから絶対にしない様にな!」

 そう言って、クリスをチラッと見てから、俺を睨んできた・・・。


「しません!」

 やっぱり、親バカだ・・・。



 閉まらない終わり方だったが、何とか会議は終了した。

 俺達が解放されたのは、日が暮れて丸くなった月が真上になった頃だった。

話を考える時間はあるのですが、書く時間が少ないです・・・。


何とか頑張ります!

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